鈴木信夫の詩の世界 ~筋ジスと向き合った40年~

筋ジストロフィーと向き合い、2011年5月、40歳の若さでこの世を去った詩人鈴木信夫の心に響く詩を紹介します。

鈴木信夫の「詩集」

これまでに出版した詩集は                                                     「マイナスからのスタート」(2001年文芸社)                                           「君に いい風 吹きますように」(2004年神奈川新聞社)                                               「生命いっぱい」(2007年神奈川新聞社)                                                      「こころのごちそう」(2012年神奈川新聞社) の4冊と                                                    浅田美知子さんとの共著の絵手紙詩手紙                                                                   「風のように花のように」(2010年 日貿出版社)                                        があります。ホームページでも紹介していますのでご覧下さい。                                               

空は幾重にもかさなって

2017-01-30 | 
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鈴木信夫の詩手紙を中心にした作品から


2008年から絵手紙作家の浅田美知子さんとの交流が始まりました。
詩手紙そのものや書き加えたコメントから選んで紹介してゆきます。
一部、詩集に載せたものもありますが、未発表のものが中心です。
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浅田美知子さんから絵手紙の本を送ってもらいました。(下段参照)
同時にもらった絵手紙にはバッファローの絵がありました。
お返しの詩手紙のコメントです。

「「遊走人語」送って頂いて、ありがとうございます。
 読むのが楽しみです。いい言葉が見つかりそうです。
 それから、バッファローの絵がすごい迫力で迫ってきました。
 すごく強いエネルギーとパワーをもらいました。」


      空は幾重にもかさなって
                            2008年5月

空は幾重にもかさなって
私たちにいろいろな表情みせてくれる
ときに果てしなく青かったり
ときに吸いこまれそうな紫になり
ときに燃えあがるような赤になり
私たちには想像もつかない
これが、青い地球が生まれてから
何度となく続けられてきたなんて
私たちの小さな世界にはありえない
これが、人が生まれるまえから
変わることなく続いてきたなんて
そこに何をみていけばいいのでしょうか

空が幾重にもかさなるように
私たちの心も想いもかさねられている
ときに行くべき方向に迷ったり
ときに悲しみに打ちひしがれたり
ときに喜びの意味を知っていくもの
私たちにはコントロールできない
これを、私たちに教えるために
何度となく繰り返させてきたんですね
私たちはこの小さな世界だからこそ知る
このなかから何を受け取っていくか
それを、私たちに考えさせるために
いろいろなものを与え続けてきたのですね

   詩手紙2008.5.22
   

   「遊走人語」
   

   絵手紙作家・小池邦夫と著者・正岡千年は50年にわたる熱い友情を
   育んできた。
   初めて明かされる絵手紙誕生秘話とホンモノを見抜く目とは…。

   正岡千年・略歴
   1941年、愛媛県の生まれ。書家、水墨画家。
   中学・高校と小池邦夫と同級生。
   小池の絵手紙を認め、世に出すきっかけを作った。
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個性と無個性について

2017-01-28 | 
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鈴木信夫の詩手紙を中心にした作品から


2008年から絵手紙作家の浅田美知子さんとの交流が始まりました。
詩手紙そのものや書き加えたコメントから選んで紹介してゆきます。
一部、詩集に載せたものもありますが、未発表のものが中心です。
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鈴木信夫が向き合っていたのは進行性筋ジストロフィーでした。
ですから、定期的に病気の進行状況を検査してもらう必要がありました。
この時も検査のため入院した時、以前創った詩を詩手紙にしたものです。
コメントは、
「今、病院にいます。
 早く帰りたいな、もう思っています。」
病院は長く居たいところではありませんよね。


       個性と無個性について
                                   2003年11月

私は、ふと考えることがあるんだよ
私の個性ってなんでしょう
あなたの個性ってなんでしょう
個性っていうのは、その人らしさだよ
ということは、持っているものがすべて個性でしょ
だから、誰一人として同じではないし、人と違って当たり前
みんなが同じになる必要なんて、全くないよ
みんな同じになったら、私は私でなくなる
みんな同じになったら、あなたはあなたでなくなる
それを無個性っていうんじゃないかな
私は私、あなたはあなた、それでいいじゃないかな
私は、それがとてもすごいことだと思うんだ
個性があることにもっと自信を持っていいよ
それは、あなたにしかないものだから
それは、私にしかないものだから

   詩手紙2008.5.27
   
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持っている人、持っていない人

2017-01-26 | 
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鈴木信夫の詩手紙を中心にした作品から


2008年から絵手紙作家の浅田美知子さんとの交流が始まりました。
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一部、詩集に載せたものもありますが、未発表のものが中心です。
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一時期「持ってる」という言葉が流行りました。
なにか特別な力や運が備わっているように見える人を指して言われた言葉です。
ただ、その人の努力を評価せずにただ「持ってる」で片付けるのはどうかと思いますが…。

この詩手紙にはこんなコメントがありました。
「いまに心から感謝して、たいせつに生きていきたいですね。
 それができずに愚痴ばかりになってしまうのですが・・・」


     持っている人、持っていない人
                               2008年5月

持ってない人は
ないものが欲しくなる
持っていなければ
欲しくなるのはあたりまえで
持てるようになろうとする
それが”ばね”になって
がんばっていける、いこうとする
それとは逆に
持っている人は
あるのに欲しくなる
それは際限なく大きくなっていくもので
止まらなくなって、振りまわされるようになる
そして、「欲」のかたまりになっていく
欲しい、欲しい、欲しい
欲しいが止まらないようになるから
そうやって欲しがるほどに
たいせつなものから遠ざかっていく
その気持ちこそが
人を人でいさせてくれるのだと思う

   詩手紙2008.5.23
   
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今をいとおしんで

2017-01-24 | 
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一部、詩集に載せたものもありますが、未発表のものが中心です。
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先日、テレビの旅番組で京都のあるお寺の住職の言葉を紹介していました。
「今を一生懸命生きることが大切なのです」
年のせいか詳しいことは覚えていませんがこのようなことをおっしゃっていました。


      今をいとおしんで
                              2008年5月

僕たちは、どんなふうに生きていくのがいいのか
ただ生きていくだけでもいいのだが
それだとなにかものたりないような気がして
ただ生きていくだけでもいいのだが
それだとなにかつまらないような気がして
あなたは、今をいとおしんでいますか
あなたは、今をいとおしんで生きていますか

同じ生きるのなら、今をいとおしんで
今をいとおしんで、そうやって生きてみたい

僕たちは、あまりにも雑になりすぎてきた
僕たちは、あまりにも無駄なことをしすぎてきた
そうして、ただ生きるだけになって
そうして、ただ時がすぎるのを待つだけになって
それでいいと考えてしまった
あなたは、今をいとおしんでいますか
あなたは、今をいとおしんで生きていますか

   詩手紙2008.5.31
   
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「のんびりさん」でいきません?

2017-01-22 | 
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一部、詩集に載せたものもありますが、未発表のものが中心です。
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この日の詩手紙にはライオンが昼寝をしている写真を載せています。
強いものでものんびりが必要なのでしょうか。
そしてこんなコメントがありました。
「のんびりしたくてもなかなかできないですよね。
 そういうときは、頭の中だけ、心の中だけでも、のんびりしたいです。
 そうやってリフレッシュして、次のことをしていきたいです。」


      「のんびりさん」でいきません?
                                   2008年5月

ちょっと疲れたら、「のんびりさん」でいきません?
みんな、なんかあせりすぎ、いそぎすぎで
みんな、なんかあわてすぎ、がんばりすぎで
いつのまにか、疲れてしまっているんじゃないですか?
のんびりして、すこし忘れてみてもいい
あたまも、こころも、かるくすればいいから
そうでしょう、そう思うでしょう

きょうは「のんびりさん」でいきません?

ちょっとしんどくなったら、「のんびりさん」でいきません?
みんな、すこしだけ、のんびりしてもいいでしょう
みんな、すこしだけ、楽にしてもいいでしょう
のんびりしたのはいつだったか覚えていますか?
それで一度リセットしてみません?
もう一度スタートしなおせば何も問題ないから
そうでしょう、そう思うでしょう

きょうは「のんびりさん」でいきません?

   詩手紙2008.5.20
      
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譲れないものがある

2017-01-20 | 
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この詩は詩手紙にはなっていません。
鈴木信夫はいつも「自分にできることは何だろう?」と考えていました。
「身体が不自由でもできることは精一杯やろう」この思いが生きる力だったのです。

譲れないものがある事は素晴らしいことだと思います。
それが「プライド」というものかもしれません。


      譲れないものがある
                              2008年5月

僕が譲れないものがある
それは、自分が納得できる生き方をすること
どうだろう、できているか?
いや、まだまだ、そんなふうにいえない
それに、心にくすぶっている
「僕には何もない気がしてしかたない」
「人にあるものが僕にはない」
その想いが足かせになっていて
本当に納得するなんてありえない
納得なんてできるはずもない
だけど、そればかり言っていては進めないから
この中で、どれだけの生き方ができるか
そこに集中して生きようと思う
いずれにしても、すべて満たされる生き方はない
だから、できるかぎりのことをしたい
だから、できるかぎりのものを残していきたい
それが果たせたら、納得できるのかもしれない
そのためには、今日なにをすればいいだろうか
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止められない心、止めたい心

2017-01-18 | 
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「気が逸(はや)る」という言葉があります。
この詩はまさにそういった状態をテーマにしたものですが、心を落ち着かせるということは実に難しいことなのだと思います。
時につい感情的になってしまうことがあること…反省です。


      止められない心、止めたい心
                                    2008年5月

想いばかりが前にいくことがあるよね
心を止められないなら
心を止められなくてもいい
その時に、だいじにしたいのは…落ち着いてみること
落ち着いていれば、あなたが無くなることはないはず
止まってはいけない時
止まってはいられない時があるから
それだからこそ、落ち着いてみることがだいじになる
何があっても、落ち着いていれば、だいじょうぶなものだよ

想いも体も動いてくれないことがあるよね
心を止めたいなら
心を止めてしまってもいい
その時に、だいじにしたいのは…落ち着いてみること
落ち着いてみれば、あなたに恐れるものはないはず
止まってしまう時
止まらなければならない時があるから
そういう時ほど、落ち着いてみることがだいじになる
何があっても、落ち着いていれば、だいじょうぶなものだよ

   詩手紙2008.5.16
   
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とじこめられた風景

2017-01-16 | 
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寒い日が続き、日本中が大雪に悩まされています。
関東南部は、雪にならず助かっていますが、寒さはかなり厳しいです。
我が家の窓から遠く富士山を望むことができます。
何か気が引き締まるような気がするから不思議です。

季節は少し違いますが、この時の詩手紙にはこんなコメントがありました。
「きょうは秋晴れ。すっきりした気分です。
 日差しが、なにか私にパワーとエネルギーを与えてくれるようです。」


        とじこめられた風景
                                      2008年5月

葉についた雨のしずくたちが
そこにある風景をとじこめている
太陽の光にあたって、風景までかがやいているよう
なぜだか、そういうふうに感じた

雨のしずくに、とじこめられた風景は、ほんとうに小さなもの
宇宙から見たときには、そんな小さなもの
それが人なのかもしれない
大いなるものの想いをそこに見るのは、私だけだろうか
それを人は、なかなか感じとれない
そして、エゴイズムに落ちてゆく、落とされてゆく

雨のしずくに、とじこめられた風景は、ほんとうに小さなもの
宇宙から見たときには、そんな小さなもの
それが人なのかもしれない
大いなるものの想いをそこに感じとっていかなくてはならない
それを人が感じとれたなら
ここにあるエゴイズムは消えてゆく、消されてゆく

そのために、まず感じたい、感じとっていきたい

   詩手紙2008.10.2
      
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愚かさを知ること

2017-01-13 | 
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一部、詩集に載せたものもありますが、未発表のものが中心です。
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最近「AI」という言葉をよく目にします。
コンピュータを使った人工知能のことですが、時には人間以上のことをやってのけるようです。
それに引き換え、人間がだんだんダメになっているような気もします。
知識は増えても知恵が足りないのではないでしょうか。

今日の詩手紙にはこんなコメントがありました。
「象のほうが人間よりも賢いこともあります。
 像のほうが人間より優しかったりします。
 わたしには、そう見えることがあります。」
皆さんはどう思われますか?


        愚かさを知ること
                              2008年5月

人って、なんでこう愚かなんだろうか
そう思うことがあまりに多すぎてね…
そうは思いませんか?
自分だけのことを考えて、自分のためだけに動いている
他はどうでもいい、他は関係ないって思っている
人って、どれだけ愚かなんでしょうね
その愚かさに気付いていればいいけれど
そうでないことが多すぎませんか?
わかるでしょう、わかっているでしょう
でも、わすれてしまう…
人にとって、愚かさを知ることは大きなこと
愚かさを知ることが、人を謙虚にさせる
愚かさを知ることが、人を冷静にさせる
だから、つねに心においておこう
自分の愚かさを、つよくつよくね…
愚かさを知ることで、身の丈を知ることができる
愚かさを知ることで、いらないものが落とされる
だから、つねに心においておこう
自分の愚かさを、つよくつよくね…

   詩手紙2008.6.24
   
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目線をあげて

2017-01-11 | 
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鈴木信夫の詩手紙を中心にした作品から


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詩手紙そのものや書き加えたコメントから選んで紹介してゆきます。
一部、詩集に載せたものもありますが、未発表のものが中心です。
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1月11日、今日は「鏡開き」の日です。
子供の頃、カチカチになった鏡餅を出刃包丁と金槌で割って砕いていた記憶があります。
小さく切ったお持ちはぜんざいに入れて食べていました。
今はこんなことはしなくてもいいようにパックされていますね。

今日ご紹介する詩手紙にはこのようなコメントがありました。
「印象派の画家・シスレーは、空を大きく描きました。
 目線をあげて、希望を描いたそうです。
 そこからのインスピレーションで、こんな詩になりました。
 希望を描き続けたいです・・・。」


        目線をあげて
                                    2008年5月

行きづまってしまったら、すこし目線をあげて
そこには、空があって、光があふれている
そう思えたら少しずつ、ほどけていくかな
心のなかからね

ほどけていったら、幸運が降りてきそう
ほどけていったら、命がひらいていきそう
そんな感じがしてくる…
思いつめてしまうことが多くなったら、目線をあげて
なにもかもがうまくいかなかったら、まず目線をあげて

そこからなんじゃないかな

下をみることが多くなったら、すこし目線をあげて
そこには、雲があって、光がもれている
そう思えたら少しずつ、ほどけていくかな
心のなかからね

ほどけていったら、人を結びつけてくれそう
ほどけていったら、命を支えてくれそう
そんな感じがしてくる…
素顔の自分でいられなくなったら、目線をあげて
なにもかもいやになりそうだったら、まず目線をあげて

   詩手紙2008.5.13
   



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雨のささやき

2017-01-09 | 
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一部、詩集に載せたものもありますが、未発表のものが中心です。
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今日は「成人の日」です。
私が成人式を迎えたときは、1月15日が成人の日でした。
祝日が年によって変わるということになんとなく抵抗を感じますが、休日が減らないというのもまたいいところなのかも知れまさん。


        雨のささやき
                              2008年5月

窓越しにみえているGrayな街
とめどなくあふれる涙みたい、降りしきる雨が

この何ヶ月か、僕は僕でなくなって
何をしていたのか、わからない
それを知ってか知らずか
“そんなに落ち込んで、どうしたの?”って、ささやいて
雨のささやきは、こころのなぐさめ
雨のささやきは、こころのいやし

この何ヶ月か、僕は僕でなくなって
同じことをずっと悔いたまま
それを知ってか知らずか
“そんなこと、よくあるって”って、ささやいて
雨は、やわらかな、あなたのやさしさ
雨は、おだやかな、あなたのまなざし

そう思えたら、こころが息をふきかえして
そう思えたら、僕が息をふきかえして
あしたからは、何かがすこしちがってくるかも…

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the Ganges~2500km~

2017-01-07 | 
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一部、詩集に載せたものもありますが、未発表のものが中心です。
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1月7日までは松の内と言ってお正月なんですよね。
松飾を外し、七草がゆを食べるのが習わしのようです。
このような日本の習慣もそれなりの根拠がちゃんとあります。
先人の知恵は素晴らしいものだと感心します。

お正月とは関係ありませんが、今日はこの詩をご紹介します。
詩手紙のコメントはこのようなものでした。

「ガンジス川についてのドキュメントを見ていて、思いつきました。
 人間の小ささを感じざるを得ない光景。
 迫力と神秘に、人々が惹かれる理由がわかる気がします。」


        the Ganges~2500km~
                                    2008年5月

ガンジスという聖なる流れは
山から流れだして、はるかな海まで注がれます
それは、まるで転生輪廻のように
それは、まるで命の流れのように
人と人の間をめぐりめぐっていくのです
魂と魂の間をめぐりめぐっていくのです
それは、まるで転生輪廻のように
それは、まるで風の流れのように
人と人の間をわたっていくのです
魂と魂の間をわたっていくのです
そう、命という聖なる流れは
神から流れだして、はるかな時空(とき)を超えていきます
それは、まるで転生輪廻のように
それは、まるで命の流れのように
人と人の間をつないでいくのです
魂と魂の間がつながれていくのです
それは、まるで転生輪廻のように
それは、まるで風の流れのように
人と人の間によりそっていてくれるのです
魂と魂の間によりそっていてくれるのです

   詩手紙2008.5.8
   
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都合のいい考え

2017-01-05 | 
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人の考え方にはいろいろありますが、ここに似て非なる二つの考えがあります。
「個人主義」と「利己主義」
どちらも自分を大事にすることでは同じですが、そこから先は大きく違いますよね。
自分を大事にするのと同時に他人を大切にできる人になりたいものです。


        都合のいい考え
                                    2008年5月

人はあまりにも都合のいい考えをもつ
人はあまりにも都合のいい考えかたをする
それも自分にとって都合のいいように
それも自分だけが都合がよくなるように
“それが何か?”
そう言われてしまうのかもしれない
誰もどこかで
”それではいけない”
心ではわかっているはずなのに
誰もが自分がかわいいから、何も変えたくない
自分を愛することと、都合よく生きるのは、すこしちがう
自分を愛することは、自分をすててしまわないこと
だから、人を愛すこともできる
都合よく生きることは、自分を生かしているようで殺すこと
だから、ほんとうには人を愛せない
小さなちがいが、大きなちがいを生んでいくもの
それを知っていてほしいのです

   詩手紙2008.5.6
   

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言葉じゃない言葉

2017-01-03 | 
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一部、詩集に載せたものもありますが、未発表のものが中心です。
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鈴木信夫は言葉を大切にしていました。
詩をつくるときも一つ一つ言葉を選び、もっとも良く伝わる言葉を使っていました。
言葉の後ろにある心ができるだけ表われるように…。


      言葉じゃない言葉
                            2008年5月

言葉じゃないところにある言葉
それを受けとめよう
人は、話をしないところでも
心のなかから言葉を発するもの
人は、表情にださなくても
心のなかから言葉を発するもの
そこに大切で、必要なものが、かくされている
それが、きっちり受けとめられてない
そう思えてならない

言葉じゃないところにある言葉
それは、心にとじこめている思い

言葉じゃないところにある言葉
それを受けとめよう
人は、何も言わないときでも
心のなかから言葉を発するもの
人は、何もしていないときでも
心のなかから言葉を発するもの
忘れがちで、見落としがちなものが、かくされている
それが、きっちり受けとめられてない
そう思えてならない

心にとじこめている思いが伝わっていれば
人は、あきらめずにいけるはずだから
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CHANGE AND HOPE

2017-01-01 | 
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鈴木信夫の詩手紙を中心にした作品から


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あけましておめでとうございます。

去年は世界中で事件がたくさんありました。
数え上げればきりがありませんのでやめておきます。
でも、いいこともたくさんありました。
今年もいいことがたくさんあることを祈ってこのブログをスタートさせようと思います。

今年最初にご紹介する詩手紙のコメントにはこうありました。

「希望のないような時代だからこそ、希望を持ちたい。
 そう思います。今日の青空のように。」

つねに希望は持ちたいですね。


      CHANGE AND HOPE
                            2008年5月

まず、変えるところから始めてみよう
すこしでいい、なんでもいい
一つ変えるところから始めてみよう
一つが二つ、二つが三つになるはず
だから、そのために
今、ここにある一つを、それを変えてみようか
今、目の前にある一つを、それを変えてみようか
CHANGE AND CHANGE
変えようとする姿勢から、すべて始まる

それから、希望を抱いていこう
すこしでいい、なんでもいい
一つ希望を抱いてみるところから
一つが二つ、二つが三つになるはず
だから、そのために
今から明日に一つ、希望を抱いていこう
今から一年先に一つ、希望を抱いていこう
HOPE AND HOPE
希望があるところは、かならず光がさすはず

   詩手紙2008.12.20
   
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