鈴木信夫の詩の世界 ~筋ジスと向き合った40年~

筋ジストロフィーと向き合い、2011年5月、40歳の若さでこの世を去った詩人鈴木信夫の心に響く詩を紹介します。

鈴木信夫の「詩集」

これまでに出版した詩集は                                                     「マイナスからのスタート」(2001年文芸社)                                           「君に いい風 吹きますように」(2004年神奈川新聞社)                                               「生命いっぱい」(2007年神奈川新聞社)                                                      「こころのごちそう」(2012年神奈川新聞社) の4冊と                                                    浅田美知子さんとの共著の絵手紙詩手紙                                                                   「風のように花のように」(2010年 日貿出版社)                                        があります。ホームページでも紹介していますのでご覧下さい。                                               

湯どうふ

2018-02-28 | 
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鈴木信夫の詩手紙の作品から


2008年から絵手紙作家の浅田美知子さんとの交流が始まりました。
詩手紙そのものや書き加えたコメントを選んで紹介してゆきます。
一部、詩集に載せたものもありますが、未発表のものが中心です。
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今年の冬はいつになく寒かったような気がします。
年をとると足が冷えて寝られなくなりますので、かなり早くから布団に電気毛布を敷いて寝ていました。
寒いと鍋料理が多くなります。
今年は野菜が高くなりましたので、湯どうふはいいかもしれませんね。


      湯どうふ
                            2009年1月

寒い寒い、こんな日には
熱い”湯どうふ”が食べたい
ぐつぐつぐつぐつ音がして
ゆらゆらゆらゆら湯気がたつ
かつおぶしを用意して
ながねぎを用意して
ゆずも用意しておこうかな
寒い寒い、こんな日には
熱い”湯どうふ”食べようか
そろそろ食べごろになったかな
大丈夫かな、ちょっとのぞいてみて
熱いからね、気をつけて
ふうふう言って食べようよ
寒い寒い、こんな日には
熱い”湯どうふ”が食べたい

   詩手紙2009.1.12
   
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「義」と「利」について

2018-02-26 | 
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鈴木信夫の詩手紙の作品から


2008年から絵手紙作家の浅田美知子さんとの交流が始まりました。
詩手紙そのものや書き加えたコメントを選んで紹介してゆきます。
一部、詩集に載せたものもありますが、未発表のものが中心です。
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この詩手紙のはこんなコメントを書いています。
大河ドラマではないですが、いまは「利」より「義」をたいせつにすべきですよね。

2009年の大河ドラマは「天地人」で、直江兼続を描いたものでした。
このドラマを見て思ったことを詩にしたのがこの詩手紙です。
今、世界は「利」ばかりで「義」は「偽」になってしまったように思います。


      「義」と「利」について
                              2009年1月

いま、どこにでもあるもの
ここに、この世に
それが「利」というもの
自分のために動くこと
一国のために動くこと
嘘を隠して動くこと
生きるには仕方ないのかも知れない
だが、そこで考えを止めては
終わりになってしまう
いま、どこかに消えかけたもの
ここから、この世から
それが「義」というもの
誰かのために動くこと
正しいもののために動くこと
真心をもって動くこと
ただ生きるだけならいらないかも知れない
人として生きるならそうはいかない
世界を終わりにしないためにも

   詩手紙2009.1.13
   
 
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思いのシフト

2018-02-24 | 
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鈴木信夫の詩手紙を中心にした作品から

2008年から絵手紙作家の浅田美知子さんとの交流が始まりました。
詩手紙そのものや書き加えたコメントから選んで紹介してゆきます。
一部、詩集に載せたものもありますが、未発表のものが中心です。
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鈴木信夫の詩が読んだ方の心を打つのは本音がそこにあるからだと思います。
いつも言葉を選び、決して飾ることはせず、また、難しい言葉を使わず、易しい言葉で・・を心がけていたのです。

この詩手紙のコメントは、こう書かれています。
「字や絵を心にまで響かせるには、魂が入っているかが大事ですね。
 心のそこからのものかどうか・・・ですね。」


            思いのシフト
                                   2009年1月

言葉を大切にするために考えたいことがある
それは-
厳しいことを言うなら、優しく言うようにしたい
言いたいことがあるなら、人の言うことを聴いてからにしたい
こちらの思いをシフトさせると
あちらの思いもシフトするから
こちらの思いをシフトさせるだけでいい
すこしは何か生まれる気がするのだけど

人を大切にするために考えたいことがある
それは-
和解できないなら、まずは共生から始めたい
自分のことだけでなく、他にも眼を向けたい
ひとつ思いをシフトさせると
ひとつ思いがシフトするから
ひとつでも思いをシフトさせればいい
すこしだけ人が変われる気がするのだけど

思いをすこしシフトさせてみては、あなたも

   詩手紙2009.1.11
    


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幸運よ、やってこい

2018-02-22 | 
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鈴木信夫の詩手紙を中心にした作品から


2008年から絵手紙作家の浅田美知子さんとの交流が始まりました。
詩手紙そのものや書き加えたコメントから選んで紹介してゆきます。
一部、詩集に載せたものもありますが、未発表のものが中心です。
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この詩手紙は、浅田さんとの共著「絵手紙・詩手紙 風のように花のように」に載せています。

コメントにはこう書いています。
「世の中はエゴイズムだらけ。かなしい話。」

自分だけに幸運が来ればいいと思う人が多いですよね。
わたしにもあなたにもというのが鈴木信夫の想いなのです。


      幸運よ、やってこい
                              2009年1月


幸運よ、やってこい
あなたのところにやってこい
わたしのところにやってこい
コウウンヨ、ヤッテコイ
アナタノトコロニ、ヤッテコイ
ワタシノトコロニ、ヤッテコイ

幸運の女神よ、やってこい
あなたのところにやってこい
わたしのところにやってこい
コウウンノメガミヨ、ヤッテコイ
アナタノトコロニ、ヤッテコイ
ワタシノトコロニ、ヤッテコイ

幸運よ、やってこい
あなたのところにやってこい
わたしのところにやってこい
コウウンヨ、ヤッテコイ
アナタノトコロニ、ヤッテコイ
ワタシノトコロニ、ヤッテコイ

   詩手紙2009.1.10
   
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Take Off!

2018-02-20 | 
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鈴木信夫の詩手紙を中心にした作品から


2008年から絵手紙作家の浅田美知子さんとの交流が始まりました。
詩手紙そのものや書き加えたコメントから選んで紹介してゆきます。
一部、詩集に載せたものもありますが、未発表のものが中心です。
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この詩手紙は、年の初めに作ったものです。
さあ!頑張るぞ!
という気持ちがあふれています。
特にコメントはありませんが、何か元気が出てきそうな一編ですね。


    Take Off!
                        2009年1月

Take Off!
さあ、飛び立とう
Take Off!
希望の風にのって

いま、そんな想いをつよくして

Take Off!
どこまでも、どこまでも
Take Off!
高く高く、高く高く

いま、つばさを広げるとき

   詩手紙2009.1.7
   
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Yellow Yellow Shower

2018-02-18 | 
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鈴木信夫の詩手紙を中心にした作品から


2008年から絵手紙作家の浅田美知子さんとの交流が始まりました。
詩手紙そのものや書き加えたコメントから選んで紹介してゆきます。
一部、詩集に載せたものもありますが、未発表のものが中心です。
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昨年12月福岡へ行ったとき、福岡城址を見てきました。
イチョウの並木があってたくさんの葉が散ってふりそそいでいました。
道も一面イチョウの葉で、実に綺麗な景色でした。

この詩手紙のコメントは、こう書いています。
「いちょうのようにしっかり色づくことができるか?
 わたしにできるのか、不安です。」


      Yellow Yellow Shower
                              2009年1月

いちょうの葉が、ひとひら
いちょうの葉が、ふたひら
Yellow Yellow Shower-
ふりそそがれて、私は黄色い雨のなか
見上げると、大きな太い、いちょうの樹が
そこにいました、いてくれました
ありがたい、ありがとう
なんとなく手をあわせたくなるのです
ありがたい、ありがとう
今日は、出会う人すべてに手をあわせたい

いちょうの葉が、ひとひら
いちょうの葉が、ふたひら
Yellow Yellow Shower-
陽がさして、私は金色の雨のなか
見上げると、暖かくどっしりした、いちょうの樹が
そこから見ていました、見ていてくれました
ありがたい、ありがとう
なんとなく頭をさげたくなるのです
ありがたい、ありがとう
今日は、かかわりあう人すべてに頭をさげたい

   詩手紙2009.1.8
   
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こころのなかで手をあわせて

2018-02-16 | 
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鈴木信夫の詩手紙を中心にした作品から


2008年から絵手紙作家の浅田美知子さんとの交流が始まりました。
詩手紙そのものや書き加えたコメントから選んで紹介してゆきます。
一部、詩集に載せたものもありますが、未発表のものが中心です。
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「感謝する」「尊敬する」、大切なことだと思います。
人は生きていく中で常に人と接することになりますが、その際、口に出して言う必要はありませんが、この二つのことを忘れないことが大事ですね。

詩手紙にはこんなコメントです。
「松下幸之助は、人に接するときに「心の中で手をあわせて」いたそうです。そうありたいですね。」


      こころのなかで手をあわせて
                            2009年1月

嬉しいときにも、悲しいときにも
こころのなかで手をあわせて
楽しいときにも、苦しいときにも
こころのなかで手をあわせて
どんなときにも
こころのなかで手をあわせて
その気持ちを持っていようと思いませんか
そうなれたら、ほんものなのかもしれません
いつかそうなりたいですね

好きな人でも、嫌いな人でも
こころのなかで手をあわせて
いま幸せな人でも、いま不幸せな人でも
こころのなかで手をあわせて
どんな人に出会っても
こころのなかで手をあわせて
その気持ちを持っていようと思いませんか
そうなれたら、ほんものなのかもしれません
いつかそうなりたいですね

   詩手紙2009.1.3
   
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We’re Your Friends-宇宙の思い-

2018-02-14 | 
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鈴木信夫の詩手紙を中心にした作品から


2008年から絵手紙作家の浅田美知子さんとの交流が始まりました。
詩手紙そのものや書き加えたコメントから選んで紹介してゆきます。
一部、詩集に載せたものもありますが、未発表のものが中心です。
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宇宙は不思議なものです。
少し前ですが(1月31日)スーパーブルーブラッドムーンと呼ばれる「皆既月食」を見ることが出来ました。
月が普段よりも大きく見えるスーパームーン、ひと月に満月が2回起こるブルームーン、そして皆既月食で赤みを帯びて見えるブラッドムーンの3つが同時に起こるという珍しい月食だったようで地球上の相当広範囲で見ることが出来たようです。
新聞やネットでも紹介されていますが、写真を載せます。

      
      スーパーブルーブラッドムーン2018.1.31


      We’re Your Friends-宇宙の思い-
                                      2009年2月

“見せかけの友情でもあるだけまし”
それって どこか曲がっていると思いませんか
そんな綺麗事で許されるほど この場所は美しくない
そう あんなにためらわずに 今を生きてたのに
そう あんなにためらわずに 今を大切にしてたのに
ぼくたちはこの場所を いつのまにこんなにしてしまったの

We’re Your Friends なくしたくない一つだけは
We’re Your Friends なくしちゃいけないこれだけは
ぼくたちが宇宙の思い つかめるように

“愛なんてものはもらうものだから”
それって 何か違っていると思いませんか
そんな綺麗事で許されるほど この場所は美しくない
そう あんなにためらわずに 人を愛してたのに
そう あんなにためらわずに 人を大切にしてたのに
ぼくたちはこの場所を すっかりこわしてしまったの

We’re Your Friends なくしたくない一つだけは
We’re Your Friends なくしちゃいけないこれだけは
ぼくたちの思い 宇宙につながるように

We’re Your Friends なくしたくない一つだけは
We’re Your Friends なくしちゃいけないこれだけは
ぼくたちが見つめる この場所だけは この心だけは

We’re Your Friends…  We’re Your Friends…
ずっとだよ… ずっとだよ…
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見えない坂道

2018-02-12 | 
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鈴木信夫の詩手紙を中心にした作品から


2008年から絵手紙作家の浅田美知子さんとの交流が始まりました。
詩手紙そのものや書き加えたコメントから選んで紹介してゆきます。
一部、詩集に載せたものもありますが、未発表のものが中心です。
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こんなクイズの問題があります。
長崎は坂道が多いことで有名ですが、そこで問題です。
「長崎には上り坂と下り坂のどちらが多いでしょう?」

電車の駅から我が家まで歩くと20分くらいかかります。
少し上り下りがある道なので年をとったせいかかなり息が切れます。
運動不足も原因の一つかもしれません。

詩手紙のコメントにはこう書いてあります。
「今年は、よい変化(チェンジ)が起きてほしいです。」
自分でチェンジしなければと思いますが、なかなかできません。


         見えない坂道
                                  2009年1月

冬の光景のなかを歩いている夢
なぜかそこは長崎でした
長崎を歩いていると坂道が多いのに気づきます
僕の行くさきにもきっと坂道があるけど
それでも歩いていきます
なにがあろうと歩いていくでしょう
雨でも風でも、そして雪でもいい
なにがあろうと歩いていくでしょう

夢から覚めて僕は…
今日も見えない坂道を越えていくのです

夏の光景のなかを歩いている夢
なぜかそこは尾道でした
尾道を歩いていると坂道が多いのに気づきます
僕の行くさきにはもっと坂道があるけど
それでも歩いていきます
なにがあろうと歩いていくでしょう
雨でも風でも、そして日ざしでも
なにがあろうと歩いていくでしょう

   詩手紙2009.1.6
   

夢から覚めて僕は…
今日も見えない坂道を越えていくのです
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あなたは神様からのたいせつな贈りもの

2018-02-10 | 
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鈴木信夫の詩手紙を中心にした作品から


2008年から絵手紙作家の浅田美知子さんとの交流が始まりました。
詩手紙そのものや書き加えたコメントから選んで紹介してゆきます。
一部、詩集に載せたものもありますが、未発表のものが中心です。
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先週、鈴木信夫が大変お世話になった先生が亡くなられました。
川崎市立王禅寺中学校の初代校長先生だった及川利男先生です。
当時、歩くことが充分できなかった信夫を受け入れてくれ、クラス編成や教室の配置など配慮をしていただきました。
卒業後もことあるごとに「元気か?」と自宅を訪ねてくださいました。
教育者として素晴らしい方でした。その功績で3年前に叙勲を受けられました。
信夫にとって大恩人のお一人です。

今日ご紹介する詩は詩手紙にはなっていません。
ご紹介した及川校長先生は信夫のことを「神さまからの贈り物」と考えておられたのでしょうか・・・。


     あなたは神様からのたいせつな贈りもの
                                      2008年12月

ここにいるあなたも、そこにいるあなたも
神様からのたいせつな贈りもの
よく「僕はだめな人間だ」って言う人がいるよね
でもね、それはちがうんだ
ひとりは愛を持って、生まれてきて
ひとりは勇気を持って、生まれてきて
それぞれがそれぞれのなにかを持って、生まれてきた
だから、ひとりひとりがたいせつな贈りもの

あなたは神様からのたいせつな贈りもの

ここにいるあなたも、そこにいるあなたも
神様からのたいせつな贈りもの
だから、この世には、だめな人間なんていない
ほんとうは、いないんだよ
それを胸の中にいつも持っていて
それを想いの中にいつも持っていて
それぞれがそれぞれの中の光を見てほしい
ひとりひとりがたいせつな贈りものだから
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涙ながしたいのに

2018-02-08 | 
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鈴木信夫の詩手紙を中心にした作品から


2008年から絵手紙作家の浅田美知子さんとの交流が始まりました。
詩手紙そのものや書き加えたコメントから選んで紹介してゆきます。
一部、詩集に載せたものもありますが、未発表のものが中心です。
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前回も書きましたが、我が家から富士山が見えます。
この年2009年のお正月もいい天気だったようです。
そこでこんなコメントになりました。
「富士山がほんとうにキレイでした。気分までスッキリしてきます。」


涙ながしたいのに
2009年1月

涙ながしたいのに泣けないなんてね
情けないとは一つも思わない、そう思ってはみても
口惜しいね、心は繰り返すばかり
それなのに涙ながれない
それなのに泣くこともできない

涙ながしたいのに泣けないなんてね
いつもいつも人の幸せを願っているつもりなのに
どこかにそれを願わない心がいるから
だから涙なんかながれない
だから泣くことなんかできない

わたしは、いつからそんな者に成り下がったのか

わたしは、いまのわたしを変えてみたいから
わたしより哀しい、あなたに出会ったとき、涙をながそう
わたしより淋しい、あなたに出会ったとき、涙をながそう
わたしより可哀想な、あなたに出会ったとき、涙をながそう

そして、あなたの幸せを心から祈ろう

   
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風のみち、水のみち

2018-02-06 | 
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鈴木信夫の詩手紙を中心にした作品から


2008年から絵手紙作家の浅田美知子さんとの交流が始まりました。
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一部、詩集に載せたものもありますが、未発表のものが中心です。
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今年のお正月はいい天気が続きました。
冬の澄み切った空は気持ちのいいものです。
我が家の窓からは雪を抱いた富士山が望めます。気持ちがシャンとする気がするのが不思議です。

詩手紙のコメントはこうです。
「新年の空気のように澄みきれたら・・・」


    風のみち、水のみち
                            2008.12月

風に、とおりみちがあり
水に、とおりみちがあり
風が、みちをつくり
水が、みちをつくり

人の息づかいを生みだしてゆき
人の生きざまを生みだしてゆく

風に、とおりみちがあるように
水に、とおりみちがあるように
風が、みちをつくるように
水が、みちをつくるように

人は生きていくうちに
それぞれの心に、とおりみちができてゆく
みえないみちができてゆく
いろんなみちができてゆく

   詩手紙2009.1.2
   

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魚河岸(うおがし)

2018-02-04 | 
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鈴木信夫の詩手紙を中心にした作品から


2008年から絵手紙作家の浅田美知子さんとの交流が始まりました。
詩手紙そのものや書き加えたコメントから選んで紹介してゆきます。
一部、詩集に載せたものもありますが、未発表のものが中心です。
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昨年、築地の市場の移転問題で大揺れに揺れました。
やっと今年の秋に移転が始まるようですが、新しい豊洲の市場は築地と比べ何か風情がないような気がします。
そこで働く方たちは機能的になった方がいいのでしょうが、門外漢は無責任な意見を述べがちです。
働く人たちのことを第一に考えるべきなのでしょう。

詩手紙のコメントにはこんな言葉がありました。
「人らしさをたいせつに。思いやりをたいせつに。その思いでいきたい。」


      魚河岸(うおがし)
                            2008年12月


魚河岸は、げんきなところで
いろんなひとがはたらいている
いろんなさかながはこばれて
かつおに、いかに、たこに、きす
あなご、いせえび、しゃこ、かれい
さばに、はまぐり、あじに、たい
すごいにぎわいだね

魚河岸は、おもしろいところで
まぐろがたくさん、はこばれて
きょうもせりにかけられる
すごくたくさんならんでる
かねがならされたら、はじまるよ
いせいのいいこえがきこえてくる
まるでうたでもうたうように

ひとのいきづかいがきこえ
ひとのつながりがみえて
なんかいいかんじがするよね

   詩手紙2008.12.31
   
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ゲームセット

2018-02-02 | 
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鈴木信夫の詩手紙を中心にした作品から


2008年から絵手紙作家の浅田美知子さんとの交流が始まりました。
詩手紙そのものや書き加えたコメントから選んで紹介してゆきます。
一部、詩集に載せたものもありますが、未発表のものが中心です。
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鈴木信夫は2011年、あの東日本大震災の年、停電や電力制限などのストレスもあり、5月2日逝去しました。
それまで懸命に打ち、走ってきましたが、力尽きました。
この時が彼のゲームセットだったのでしょう。
いつゲームセットになってもいいように、常にベストを尽くしていました。
この詩にそれが表れています。


            ゲームセット
                                    2008年12月

「こんなに点差があるんじゃ、逆転はできないかも知れない」
僕の胸のなかにある、その気持ちにひっぱられてしまう
だけど、ゲームセットまでは、
ゲームセットまでは、あきらめないでいけたら
それで燃えつきて構わない
あとは、どうやってそこまでいくのか
あとは、どこまでやりきれるのか
まあいい
まず懸命に投げ、走り、打つ
それだけ考えることにすればいい

悔しいだけで止まっていてはいけないのかも知れない
僕の胸のなかにある、その気持ちに火をつけてしまおうか
だけど、ゲームセットまでは、
ゲームセットまでは、いきたいと思っているから
そこまではやめるわけにはいかない
あとは、どうやってそこまでいくのか
あとは、どこまでやりきれるのか
まあいい
まず懸命に投げ、走り、打つ
それだけ考えることにすればいい

ゲームセットは、いつやって来るのだろうか

   詩手紙2009.1.1
   
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作品を引用するとき

作品を引用する際は、必ず作者名を記載下さい。 また、書籍に収められているものは、出版社名も併せて記載下さい。