フランスに行ってみると、旅行者ではないアラブ系やアフリカ系の人が大勢いることに気付く。本書タイトルである「移民大国」と言うのも頷ける。
本書にはフランスの移民受入の考え方、やり方、受け入れ後の問題が書かれている。移民に対するハードルの極めて高い日本とは反対にフランスのそれは割と低いようで、結果として多くの移民がフランス(本国)国内に居住することになる。
だが、受け入れられた移民がその後に手厚いケアを受けられるかと言うと答えはノーなようで、受け入れはしたけど後は放置、みたいな現実が見えてくる。大抵の移民は地位が高く高給なポジションの職は得られないため、既存の住民との所得格差による摩擦などが起こってくるのは自明。別にフランスだけでなく、移民を受け入れた国ではどこでも起きる事象に思える。
移民によるトラブルは避けられないのか。やはり安易に移民を受け入れるべきではないのか。判っていても受け入れられなければならない社会的義務とは何だろうか。移民による社会の活性化やレベル向上は、本当に期待できるものなのか。或いは、トラブルを含め覚悟して受け入れなければ社会の衰退に歯止めがかからない、危機的状況なのだろうか。
本書を読み「日本人は移民を受け入れるよりは高齢化による衰退化を選ぶ」という説を思い出した。我々はこのままが良いけど、後の世代はそれで良いのかって話だよね。
2024年9月17日 LJ358便(下地島→仁川)機内にて読了
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