難民申請した人の認定率が先進国中ダントツに低い国・ニッポン。もはやその冷徹さは言い尽くされた気がするが、本書を読んで牛久の東日本入国管理センターについて初めて知ったのが収穫。
認定申請の難しさ、認定されることの厳しさは分かったが、それでもなお日本を目指す人はなぜ他国を目指さないのか。先発した人々がいわば軟禁状態にあるという情報は伝わっていないのか。入国だけであれば他国より日本の方が容易なのだろうか。こんな待遇で扱われる国であっても、故国から家族を呼び寄せるのか。
一方で、クルド人が多い川口が無法地帯になっているなんて話も聞く。誇張されている部分はあるだろうが、多くの難民が来れば日本の風習に馴染まなかったりマナーを守らない人間が増えることは、どの人種が来ても同じだろう。
ところで難民認定問題の議論の中で、「難民には技術を持った人がおり、少子高齢化の日本人社会にあって貴重な労働力となる」と言うメリットが挙げられるが、この理屈は間違ってはいないか。難民は迫害を逃れ落ち着いて暮らせ、認定国は若い労働力や優れた頭脳を獲得できてWIN-WINだと言いたいのだろうけど、技能実習生問題に共通する「日本人がいないなら外国人でいいや」的な匂いを感じるのだ。
できれば法務省(出入国在留管理庁)側の、難民認定が進まない理由とその裏付け(作業進捗状況の具体的数値)=「言い訳」を聞いてみたい。
2024年8月26日 実家へ向かう電車にて読了
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