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日々のつれづれ(5代目)

旅行レポート以外の、細々としたこと。
割とまめに書くようにしています。
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【本】レベッカ・L.ジョージ文/ジャンナ・ボック絵/西田佳子訳 「マララの物語-わたしは学校で学びたい-」(西村書店)

2025-02-13 06:00:00 | 本・映画・展覧会

 いずれパキスタンへ行こう、そのためにパキスタン関連の本を読もうと思い検索したら本書がヒット。そう言えば話題になったけど読まなかったなと思い、借りてみた。絵本である(なので画像を添付した)。

 パキスタン北部スワート渓谷に暮らすマララは、学校を経営する父の影響もあり勉強好きで成績も良い。だがアフガニンスタンを追われ流入してきたタリバンにより女性の人権はどんどん侵害され、女子は学校へ行くことを禁じられてしまう。それに立ち向かったマララは、ついにタリバンに撃たれ瀕死の重傷を負わされる…。

 イギリスに逃れ命を得、その後も平和と教育の大切さを訴え続けたマララは、2014年に史上最年少の17歳でノーベル平和賞を受賞。その後も人権運動家として怯むことなく活動を続けている。

 もう、本当に勇気があったなと敬服する以外ない。本書を読めば大抵の人は、タリバン或いはイスラム原理主義をひどいものだと思うだろう。彼等には彼等なりの理屈があると、理解を示すことには抵抗感がある。それが本当にイスラムの教義に従ったものであるなら、イスラムは時代遅れと言わざるを得ないのではないか。どうなんでしょう?

 2025年2月5日 自宅にて読了

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【映画】雪の花 ―ともに在りて―

2025-02-12 20:00:00 | 本・映画・展覧会

 連日の映画鑑賞、今日は時代劇。松坂桃李ふんする越前福井の町医者が、疱瘡(天然痘)におかされる民の姿に心を痛め、天然痘予防を志し奮闘する物語。原作は吉村昭。(なので自分の好きそうなストーリーだと観る前に思った)

 天然痘の知識もなく、噂や思い込みでだけで恐れおののく人々。漢方を至上とし蘭方(オランダ医学)に拒絶反応を示す医者達。種痘法の実現に非協力的な町役人。さまざまな抵抗勢力に対し、志ある医師仲間や師と仰ぐ熟練医師(役所広司)の助けを得、何より自らの強い意思で種痘実施の道を切り拓いてゆく。

 本作のヤマ場はどこだろう。種苗を京都より福井へ運ぶ際の困難さか、役人への大見得か。或いはならず者との立ち回りか。どのシーンでも主人公の強い意思が見てとれた。

 2025年2月4日 川崎・チネチッタにて

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【映画】メイクアガール<LIVEサウンド×RGBレーザー>

2025-02-10 20:00:00 | 本・映画・展覧会

 アニメは実写映画以上に、監督の名前で客を呼べるジャンルではないかと思う。例えば宮崎駿、新海誠、細田守もまあそうかな?そして本作の安田現象も、どちらかと言えばカルト的人気を博しているように思える。

 天才的発明をする少年だが、人づきあいの機微とかは苦手。自らの研究を飛躍させるため、何と「人造人間」を生み出してしう。ロボットやサイボーグではなく、細胞分裂からなる生身の。少年の「彼女」となるべく生み出された人造人間「0号」は、同級生らの協力も得てどんどん知識を習得、その一方で生み出した少年が予測しなかった「感情」を持つように…。

 「0号」がクライマックスで生みの親である少年にナイフを突き立てる。えっ「ロボット三原則」はどこに!?と思ったがそもそも0号はロボットでなく、適用外なのだった。それにしても中々えぐい展開。この辺が、安田カントクが人気の理由なのか?そして本作のテーマは?これは観た人が考えること。

 声優とくに女性陣がなかなか豪華な顔ぶれ、声を聴いているのも楽しかった。そしてアニメーションはフルCGで綺麗かつシャープ、けっこう気に入った。

 2025年2月3日 川崎・チネチッタにて

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【映画】劇場アニメ『ベルサイユのばら』<LIVEサウンド×RGBレーザー>

2025-02-10 06:00:00 | 本・映画・展覧会

 「ベルばら」ですよ、ベルばら!とか言って実はこれまでちゃんと読んでなかったりするんだけど。でもね、改めて確認したら原作って僅か足掛け2年しか連載されてなかったんだね。それが宝塚の舞台化で大人気になって、作者の池田理代子先生はフランス政府からレジオンドヌール勲章を受章しちゃうまでに。そして個人的には、アニメ「ガールズ&パンツァー」でフランス軍を模した「BC自由学園」(注:BCはビシー政権に由来する)の人物から連想する部分もあって。

 そういう、史実も原作もロクに知らない人間が本作を観て楽しいか、感動したかと感動はさほどでもなかったが楽しかった。ミュージカルのように多数の挿入歌、いまどきのアニメーション技術を活かした、煌びやかな王宮内の描写。それとは対照的なのが、圧政に耐えかねた市民が立ち上がってバスチーユ牢獄を襲うシーン。こちらは古いアニメを見ているような描き方と感じた。

 声優陣もベテランから旬のヒトまで、登場人物の多い作品だけに多彩で顔ぶれは豪華。さすが「ベルばら」と思わされた。確かに、連載漫画で読めば時間をかけてフランス革命前後の歴史を理解できそうだ。ただし現実と創作部分が入り混じってしまいそうだが。原作は旧いが、その絵的テイストを残しつつも古臭さを感じさせない作品だった。

 2025年2月3日 川崎・チネチッタにて

 

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【映画】劇場版プロジェクトセカイ 壊れたセカイと歌えないミク<LIVEサウンド×RGBレーザー>

2025-01-31 06:00:00 | 本・映画・展覧会

 初音ミクさん(なぜかネット界隈では、ちゃんでなくさん付けなのだ)が歌えなくなり消失するというショックな事件と、ミクさんの歌声を取り戻そうとする幾つもの若者グループの奮闘を描く。

 ミクさんが最初にボーカロイドとしてデビュー(リリース)したのが2007年と言うから、30周年が近い。本作でも特徴的な声と、オリジナルに近いキャラクターデザインは観る者を落ち着かせ、すんなり物語に誘ってくれた。

 ストーリーは各バンド/グループの熱血モノと言えるが、観て楽しく感心するは各々グループのパフォーマンスシーン。エンドロールを見るとグループごとに制作チームが異なり、競い合っているかのよう。とは言え皆の目的は同じ、ミクさんに戻ってきて貰うことだ。なかなかアツいぜ。

 画と音がとても魅力的な作品だが、製作陣が訴えたかったのは物凄くまじめで、心折れて諦めてしまった人、諦めかけている人、くじけそうになっている人たちへのエール。そういう人が多い昨今な気は確かにするので、本作を見て勇気づけられたり、また歩き出したり立ち上がろうとする人がいれば良いのだけど。

 2025年1月24日 川崎・チネチッタにて

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【本】森川天喜著 「かながわ鉄道廃線紀行」(神奈川新聞社)

2025-01-30 06:00:00 | 本・映画・展覧会

 首都圏である神奈川県、であれば鉄道は伸びる一方かと思えばさにあらず。明治以来150年余りの間には、消えた鉄道もある。そんな県内の鉄道路線を新聞の連載記事として掲載されたものが、一冊の本にまとまった。

 さすがに近場だけあり、詳細まではともかく全く知らない鉄道など無い…と思っていたが、二宮~秦野の鉄道については聞いたことあったようななかったような。とは言え豊富な地図(現在の道路状況に当時の線路位置を加筆した物)が実に良い参考資料、本文の解説の理解も大いに捗る。写真はどこからか探して出せば終わりだが、この地図は貴重に思える。

 京浜地区の臨海貨物線(専用線)群と相模線西寒川支線、それに末期の横浜市電くらいは現役時代を知っているが、他は後追いで知った鉄道ばかり。それでも地元の鉄道紹介、鉄道とは切り離せない産業史の系統だった解説は、読んで飽きることなかった。

 2025年1月23日 自宅にて読了

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【映画】室町無頼

2025-01-29 06:00:00 | 本・映画・展覧会

 室町時代に生きた、歴史書に一度だけその名前が記されたという無頼者と、その決別した旧友との闘い、死ぬ寸前だった若者の成長ぶりを描く時代絵巻。主演は大泉洋、宿敵役に堤真一。

 勧善懲悪的な王道時代劇ではないが、飢えて死の淵にいる農民や侍が主人公のもと一致団結し、暴政と享楽に耽る貴族たちに立ち向かい一揆を起す過程はハラハラそして痛快。とは言えハッピーエンドな大団円でない所に、無常観が見えた。

 今は、比べられにほど平和な世の中にあるんだなあと思えた。

 2025年1月22日 川崎・チネチッタにて

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【映画】劇映画 孤独のグルメ

2025-01-21 20:00:00 | 本・映画・展覧会

 年末年始興行では面白そうな作品はなかったため、月半ばにして今年初めての映画鑑賞。作品は漫画→TVドラマを経て劇場版となった、地味な人気作。実はTVドラマシリーズは観ていないのだが、ほぼ毎回単発のシリーズ物であり、いきなり劇場版を見ても楽しめるだろうと判断した。ちなみに本作は主演の松重豊みずから監督をしている。

 初っ端に搭乗するのはおお!?我らがJALじゃないですか。エコノミー機内食、最近LCCばかりであまり食べてないなぁ。そしてポスター写真にあるようにパリ。もちろんフランス料理が出てくる。んー、美味しそう!そしてそこから話は二転三転、何ヵ所もの土地と食が出てくる。もちろん人も。涎と笑いが止まることなく続く。予想通りTVシリーズのエピソードとは無縁なようで(何か伏線回収とかあったのかもしれないけど)単発で見ても大いに楽しめた。そうそう、劇中劇もあって、あっと驚くあの人がえッあの役!?で出る。見終わった瞬間、面白いと思いつつ思ったのだった。「腹が、減った...」

 2025年1月16日 川崎・チネチッタにて

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【本】大下英治著 「ハマの帝王-横浜をつくった男藤木幸夫-」(さくら舎)

2025-01-21 06:00:00 | 本・映画・展覧会

 超大作で、借用期限が来てしまいいったん返却し、後日借り直して読んだ。文章は分かりやすく、会話もリズムがあるので難しいわけではない。とにかく量が多いのだ。

 量が多いのは、タイトルの主人公・藤木幸夫しだけでなくその父である幸太郎氏、また長男である孝太氏についても記述もあるからで、中でも幸太郎氏については本書の1/3くらい割いているのではと思う。なぜそんなに父の記述が必要かと言えば、藤木企業が横浜に根を張る過程を事細かに記しているからだ。

 藤木家3代だけでなく、多くの人物が登場し覚えきれない。博徒もヤクザも、警察官も政治家もいる。そして港の労働者が無数にいる。そう見ると本書のタイトルには違和感を覚える。本書の内容の多くは藤木企業の絵巻物、幸夫氏の近年の立ち振る舞いに関しては全体の1/5程度か。

 本書を読んだ多くの人は、幸太郎氏、幸夫氏と色々な苦労や修羅場を経て今日の地位を築いたのだなと立身伝のように思うのだろうか。それとも所詮は博徒と大差ない港湾労働者、イマ風に装っても本性は「その筋」の人と見るのだろうか。著者が後半、横浜に起こるざまざまな出来事を幸夫氏がまとめ上げてきた「実績」を紹介すればするほど、ドンあるいはフィクサーとしてのうさん臭さが強調されてしまうように感じてしまったのだが。

 少し前に横浜で交通事業を立ち上げようとした知人がいたのだが「とにかく藤木企業に挨拶に行かないと何もできない」と言っていた。様々な調整力と、街を牛耳ることがイコールなのは良いことなのだろうか。

 2025年1月15日 自宅にて読了

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【本】伊集院 静著 「機関車先生」(講談社文庫)

2025-01-20 20:00:00 | 本・映画・展覧会

 昨年9月に山口県防府市を訪れた際に、本書の著者の出身地であることを知った。同時に、訪ねた野島が本作の舞台であることも知った。本書を読んだ記憶はあるものの最後の部分しか覚えていなかったため、改めて読み直してみた。 

 まだ離島が僻地で教育も十分に行き届かなかった頃、代用教員として止むを得ず採用した大柄な青年は口がきけなかった。口のきけない者が子供の教育などできるのか?誰もが思う当然の疑問を、力強い機関車のような容貌から子供たちに「機関車先生」とあだ名された青年は、その人柄で見事に子供たちを教えてゆく。その存在は子供達だけでなく、島の大人たちにも影響を与え、受け容れられていったが、正式な教員が決まり、代用教員である「機関車先生」は島の人々から大いに引き留められるのを固辞して去ってゆくのだった。

 本書は子供向けの作品だったか、大人向けの作品だったか。どちらにも読めるところが見事。易し過ぎず難し過ぎず、それでいてそれぞれに対する主張が見える。別れのシーンはもう少しドラマティックだった記憶があったが、あてにならないものだ。だがその呆気なさが、残された者たちの呆然とした余韻を表しているのではと思えるようになった。

 2025年1月14日 自宅にて読了

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