昨日はウィンブルドン2005男子決勝だった。無敵のオールラウンダー・フェデラーと世界最速サーブ・ロディックの対戦。249キロのロディックのサーブも王者フェデラーの前では空しく、前評判どおりフェデラーの3連覇!となった。
マッケンローが解説席に居た。僕らの時代はボルグとマッケンローがヒーローだった。冷静沈着なベースラインプレーヤーのボルグ。マッケンローはコートで感情をむき出しにする暴れん坊だった。さて、話は'92年のこと。僕はウィンブルドンを観に行った。
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沢松奈生子がベスト8を賭けての試合を今まさにしているという。僕は西武百貨店を辞めて2ヶ月ほど欧州をバックパッカーとしてぶらついていた。ロンドンのB&Bでふと点けたTVから流れてきた沢松の横顔。こりゃエライこっちゃ、応援に行かねば!僕はこれでも高校時代までテニス小僧だったのだ。
ウインブルドン駅はロンドンの中心地より地下鉄で約20分の距離にある。駅を降り立ち、センターコートはどっちだろう?と首をめぐらす。人の流れにそって歩いていけば何とかなるだろう。強い陽射しが濃い影をつくる。この暑さのなか沢松は頑張っているんだ。僕が応援に行くまで待ってろよ、沢松。
歩き始めてしばらくすると沿道に長い行列が出来ている。何だろうと横目に見ながら先を急ぐ、が、その列はセンターコートまで続いていた。まさか?列の先頭はウィンブルドンの入場券売り場…。ここに並んでチケット買わないと入れないと言う。わかりましたよ。来た途を引き返す。途中で何人ものダフ屋に声をかけられる。「チケットある?売るよ」。聞けばスンゲー値段。日本人だからって皆な金持ちじゃねっての。
列の最後尾に並びなおす。ほとんど駅まで戻ってきたところ。これ、今日中にたどり着けるのか?でも皆な悠然と並んでる。ジリジリと照りつける太陽の中、じっと立つ。じっと…じぃ~っと…、おいおいもう3時間並んでるけど、ピクリとも動かねえよ?背に黒板を背負った男が列を行き来している。黒板には「センターコートまで○○分」みたいな事が書いてある。
彼を呼び止めた。「ねぇ、これホントにチケット買えるの?全然動かないんだけど?」と聞くと、そっけなく「分からん」と言う。もういい。沢松の試合も終わってるはずだ。俺、何しに来たんだろ…。「あ~あ、もう帰るよ」と言った僕を彼が呼び止めた。「じゃあコレあげる」。貰ったのはウィンブルドンの、あのマークの丸い形をしたシール。ふん、こんなシール貰ってもねぇ。
疲れはてロンドンに戻り夕食を摂る。夜、結局敗れた沢松の試合VTRを見ながら、あのシールを思い出して取り出した。よく見るとシールに何か書いてある。 “I’ve cued!(俺は並んだ!)”
シールを渡しながらニヤリと笑った彼の顔が浮かんだ…。
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ウィンブルドンは久しぶりに見ました。ちなみに実況アナウンサーをしていたのは僕の義弟でした。
マッケンローが解説席に居た。僕らの時代はボルグとマッケンローがヒーローだった。冷静沈着なベースラインプレーヤーのボルグ。マッケンローはコートで感情をむき出しにする暴れん坊だった。さて、話は'92年のこと。僕はウィンブルドンを観に行った。
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沢松奈生子がベスト8を賭けての試合を今まさにしているという。僕は西武百貨店を辞めて2ヶ月ほど欧州をバックパッカーとしてぶらついていた。ロンドンのB&Bでふと点けたTVから流れてきた沢松の横顔。こりゃエライこっちゃ、応援に行かねば!僕はこれでも高校時代までテニス小僧だったのだ。
ウインブルドン駅はロンドンの中心地より地下鉄で約20分の距離にある。駅を降り立ち、センターコートはどっちだろう?と首をめぐらす。人の流れにそって歩いていけば何とかなるだろう。強い陽射しが濃い影をつくる。この暑さのなか沢松は頑張っているんだ。僕が応援に行くまで待ってろよ、沢松。
歩き始めてしばらくすると沿道に長い行列が出来ている。何だろうと横目に見ながら先を急ぐ、が、その列はセンターコートまで続いていた。まさか?列の先頭はウィンブルドンの入場券売り場…。ここに並んでチケット買わないと入れないと言う。わかりましたよ。来た途を引き返す。途中で何人ものダフ屋に声をかけられる。「チケットある?売るよ」。聞けばスンゲー値段。日本人だからって皆な金持ちじゃねっての。
列の最後尾に並びなおす。ほとんど駅まで戻ってきたところ。これ、今日中にたどり着けるのか?でも皆な悠然と並んでる。ジリジリと照りつける太陽の中、じっと立つ。じっと…じぃ~っと…、おいおいもう3時間並んでるけど、ピクリとも動かねえよ?背に黒板を背負った男が列を行き来している。黒板には「センターコートまで○○分」みたいな事が書いてある。
彼を呼び止めた。「ねぇ、これホントにチケット買えるの?全然動かないんだけど?」と聞くと、そっけなく「分からん」と言う。もういい。沢松の試合も終わってるはずだ。俺、何しに来たんだろ…。「あ~あ、もう帰るよ」と言った僕を彼が呼び止めた。「じゃあコレあげる」。貰ったのはウィンブルドンの、あのマークの丸い形をしたシール。ふん、こんなシール貰ってもねぇ。
疲れはてロンドンに戻り夕食を摂る。夜、結局敗れた沢松の試合VTRを見ながら、あのシールを思い出して取り出した。よく見るとシールに何か書いてある。 “I’ve cued!(俺は並んだ!)”
シールを渡しながらニヤリと笑った彼の顔が浮かんだ…。
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ウィンブルドンは久しぶりに見ました。ちなみに実況アナウンサーをしていたのは僕の義弟でした。
今十四代目さんのBLOGを読み耽っております。
92年といえば、アガシが優勝した年です。
それでうちへ来ていただけたのでしょうか?(笑)
TB、有難うございました。
WB観戦するのは夢だけど...そんなに大変なのですね~
私はI’ve cued!のシールでも欲しいっ(アハハッ
いつかきっと...
アナウンサーをしていたのが義弟さんって、何気にすごいこと書いてらっしゃいますね・・・びっくりしました。
記事も読んでいてとても面白かったです。
また遊びに来させていただきますね。
それでは、失礼します。
ルールはわかんないけど~
娘が中学の時テニス部でした~
でも、軟式なんで~違うんですが~
今はバレーに夢中です。
足跡ありがとうございました~
欧州バックパックの旅は、それこそ「自分探し」という青春のテーマを王道で行ってきました(笑)。楽しい想い出です。