オレンジ色の紫陽花

携帯から軽快に綴るおいらの日々。
…だったのだが、ツイッターのまとめブログに変更。極稀にこっち単独の記事もある、かも。

「椿 三十郎」

2007年12月26日 23時43分52秒 | 水曜日は映画の日
出演/織田裕二、豊川悦司、松山ケンイチ、中村玉緒、鈴木杏、西岡徳馬、風間杜夫 他

年末のせわしない中、時間をやりくりしてやはり水曜日の午前中に、見てきましたよ、三十郎!
昨年はそうだな、十二月の最初の頃に「武士の一分」を見たんでした。
あれと比べると、期待感は今一つってとこだな。いや織田裕二に罪はないが。ってなんの罪だか!いやだからないんだって!!(もうツッコミもボケも分かんない…)

えー。
断っておきますが、クロサワ監督の、三船敏郎の、椿三十郎は見てません。
ただなんかの記事かな、なんかで、当時白黒映画だった(のかわざとそうしたのかしらんけど)にもかかわらず、黒沢明監督が、椿の花の「赤」を出したいがために、椿の花を真っ黒に塗った、という逸話を聞いたか読んだかしまして、それだけがものすごい印象に残ってます。
いや、だから映像は見てませんから、どういう風に映像化されたのかは知りません。
でもなんか、白黒の中に黒光りする椿があって、それがこう、真っ赤に見える、っていう…あー、語彙が貧困で困っちゃう、とにかく想像するとえらい演出だなあ、って思って、…あー、もー、だからさー、えらい演出って何さもう!

で、いや、だから見たのは今の織田裕二の椿三十郎だからね。

まずもって、最初、映画の始まりの映像。夜の木立ちが暫く映って、バックに緊迫感のあるBGMが流れてて、っていうのがちょっとこう、市川崑監督の映像っぽいなと思いました。ていうか、おいらの脳裏に浮かんだのは「四十七人の刺客」(主演:高倉健wきゃーw)の竹林の映像ですけれどもね。
ほんでもって、椿三十郎の話ですからして、彼を語らねばね。
いいですよ?
いいんですよ?
いい加減っぽいし、型破りくさいし、ああこりゃお城勤めなんか無理だよなと思える(だろう)し。
んー。
でもなー。
なんだろう、もちょっと迫力があってもいいんじゃないのか?とか思ったなー。
ここぞ、て時にさ。
ここぞ、て時がいつなんだろう、て話もありますが(どーん)。

見所はやはり、トヨエツとのシーンでしょう。
ただ、トヨエツがキレモノではあるんですが、今一つキレが足りない。
ネタバレになりますけれども言っちゃいますとね?(うわ言うんだ)(あんまり大したこと言いません)早い話、あんた程の人なら、椿三十郎が書いた筋書きくらい全部お見通しでもいいじゃん!みたいなね。
お見通しの上で乗っかってやった、くらいでもいいんじゃん!ていうね。
「いい子だ」
ていうセリフがキーだとおいらは思ってて、映画の始めの方で、織田裕二が若侍達に向かって言う。で、後半になって、トヨエツが織田裕二に向かって言う。これ言わすんだったらトヨエツはもっと織田裕二を食っててもいいだろう!と思いましたね。そうじゃないんだから言わせるなよぅ…。

んー、なに、つまり織田裕二に対してトヨエツが迫力ありすぎ?深みありすぎ?もうちょっとおバカさんになって!てところですよ、ほんとに。あーの表情であーの眉間のうすじわ(皺、にならないところがミソですよ。うっすら皺になってるところがもう、こっわーい、キレそーう、ひー!て感じですもん。)ですからね、反則です。
最後の最後、二人が対峙するシーンは、それでも陽の織田裕二に対して陰のトヨエツて感じに見えて、だから陽に軍配が上がっておいらとしちゃ納得、なんですが。いやあの立ち回りはカッコよかったな。
ああ、立ち回りといえば、織田裕二の立ち回り、カッコよかったです。たとえばそれこそ「武士の一分」のキムタクの立ち回りが剣道をやったことのある人の、王道な立ち回り(ってなんだ)だとすれば、織田裕二のは我流ですが何か?強く見えりゃ文句ないだろうどうだ!ていう結果オーライな立ち回り。またそれが織田裕二(もしくは青島刑事)のキャラクターによってオッケーになってるところがいいんですよ。
んーまあ、1000円で見たから文句言いません。存分にエンタテインメントな時代劇映画を楽しませていただきましたとも!

そうそう、何が楽しかったってね!!
松山ケンイチ演ずるところの若侍の伯父にあたる、藩の重役(城代家老かな、違ったかな、なんかとにかく偉い人なんだよ!)が今回の騒動のキーパーソンになりますが、その人が最後の最後まで顔が出てきません。話にはがっつり食い込んでるのにね。その人の奥方が中村玉緒で、奥方に言わせると「あの人は顔の長いタヌキですから」なんて人なんですが、その台詞と役柄から考えて、多分あの俳優だよな、きっとそうだよな、早く出てこないかな、ていう期待感をずーっと引っ張って、ようやく最後に出てくるんです。
その人が、
あ、言わないほうがいい、うん、映画で見てください。
やーっぱりーーーー!(げらげら)
て人でございましてね、いやこれで映画が締まったっつっても過言じゃない。
この人と、織田裕二VSトヨエツの最後の立ち回りと、織田裕二の対多人数の立ち回り、に敬意を表して、見てよかったと思いました。(1000円で、の話だけどな!!)

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