オレンジ色の紫陽花

携帯から軽快に綴るおいらの日々。
…だったのだが、ツイッターのまとめブログに変更。極稀にこっち単独の記事もある、かも。

「タイガー&ドラゴン(上・下)」

2007年12月31日 18時06分03秒 | ほぼ、文庫本
タイガー&ドラゴン(上・下)/宮藤官九郎/角川文庫

今年の読み納めはこちらでございました。
正直言いますと、まだ落語ンところが終わってないンですが。
これ、ドラマでやってたのって2005年1月に2時間スペシャル、4月~6月に連ドラ放映ですってぇから、もうすぐ3年になりますんですね。あらま、驚いた。
どうやらおいらはこの2時間スペシャルは見覚えがないようですが(惜しいことした!)、連ドラは本放送をなんとなく見て(やはりそこはクドカンだし)、再放送はがっつり録画までしました。
いやあ、長瀬くんのヤクザっぷりがカッコ良こわい(読めねえ!し、言わねえ!)わ、岡田准一も塚本高史も北村一輝も二枚目大集合だわ(勢いありましたねこの頃から!)、蒼井憂ちゃんが可愛いわ(伊東美咲は言うに及ばず)、芸達者やら濃いぃ役者がうんざり出てるわ、そりゃもう大騒ぎで大喜び(おいらがね)のドラマでした。
その脚本が本書です。
クドカンの脚本文庫本は他に「池袋ウエスト・ゲート・パーク」を持ってますが、これがもう、面白いったら。
「池袋~」の方は放送とは違う部分もかなりメジャーなところであって、読んでてちょっとがっかり、なとこもありますが(おいら的にね)、本書は、ほぼこの通りにドラマ化されたみたいで、読んでてあのドラマが頭ン中で再現されました。
あとがきで西田敏行が書いてます、
「まるでアドリブがちりばめられてるようなセリフなのに、しっかりと物語になっている。セリフをしゃべる役者を心地よくさせる脚本です。」
「阿部サダヲのことをずっとすごくアドリブが利く役者だなと思ってたんですよ。ところが実際は一言一句アドリブなしなんですよね。」
これに尽きます。なんちゅうか、きっちり練り上げられた、丁寧に作り上げられた、職人の仕事、みたいなね。
ドラマを見るだけではその場の勢いでざばーっと流されてしまった事も、脚本読んで、ああ、そうか!と膝を打つ、ってことが何ヶ所かありました。まあ流されたまんまでも良かったのかもしれない、流される前提での芝居かもしれませんけれどもね。
伝説とまで言われた「木更津キャッツアイ」は見てないけど、前述の「池袋~」や、「ぼくの魔法使い」、「マンハッタン・ラブストーリー」も好きですよ。
なんてンでしょ、ベタなんだけど、ベタだからこそ面白いっていうかな、ベタな中にこそ目新しい事があるっていうかな、分かりませんが。ああ、そうだ、西田敏行が書いてます、あとがきで。
「彼の書く“今”は古いものを否定した今ではなく、古いものが積み重なっての“今”なんです。」
ベタってのはあれでしょ、言い尽くされてきた展開っつうか、分かり切ったオチっつうか、つまりは新しいことがひとっつもない、古い事でやしょう?上の抜粋の古いをベタに変換してみて下さい。
ま、そういうのがクドカンの書く本の魅力(の一つ)かなあ、と思います。今度、ちょっと夜遅い枠でクドカンのドラマやりますね。あれもだから楽しみなんですよ。
…どうやら2008年も脱・テレビっ子、とはいかないようで。



「椿 三十郎」

2007年12月26日 23時43分52秒 | 水曜日は映画の日
出演/織田裕二、豊川悦司、松山ケンイチ、中村玉緒、鈴木杏、西岡徳馬、風間杜夫 他

年末のせわしない中、時間をやりくりしてやはり水曜日の午前中に、見てきましたよ、三十郎!
昨年はそうだな、十二月の最初の頃に「武士の一分」を見たんでした。
あれと比べると、期待感は今一つってとこだな。いや織田裕二に罪はないが。ってなんの罪だか!いやだからないんだって!!(もうツッコミもボケも分かんない…)

えー。
断っておきますが、クロサワ監督の、三船敏郎の、椿三十郎は見てません。
ただなんかの記事かな、なんかで、当時白黒映画だった(のかわざとそうしたのかしらんけど)にもかかわらず、黒沢明監督が、椿の花の「赤」を出したいがために、椿の花を真っ黒に塗った、という逸話を聞いたか読んだかしまして、それだけがものすごい印象に残ってます。
いや、だから映像は見てませんから、どういう風に映像化されたのかは知りません。
でもなんか、白黒の中に黒光りする椿があって、それがこう、真っ赤に見える、っていう…あー、語彙が貧困で困っちゃう、とにかく想像するとえらい演出だなあ、って思って、…あー、もー、だからさー、えらい演出って何さもう!

で、いや、だから見たのは今の織田裕二の椿三十郎だからね。

まずもって、最初、映画の始まりの映像。夜の木立ちが暫く映って、バックに緊迫感のあるBGMが流れてて、っていうのがちょっとこう、市川崑監督の映像っぽいなと思いました。ていうか、おいらの脳裏に浮かんだのは「四十七人の刺客」(主演:高倉健wきゃーw)の竹林の映像ですけれどもね。
ほんでもって、椿三十郎の話ですからして、彼を語らねばね。
いいですよ?
いいんですよ?
いい加減っぽいし、型破りくさいし、ああこりゃお城勤めなんか無理だよなと思える(だろう)し。
んー。
でもなー。
なんだろう、もちょっと迫力があってもいいんじゃないのか?とか思ったなー。
ここぞ、て時にさ。
ここぞ、て時がいつなんだろう、て話もありますが(どーん)。

見所はやはり、トヨエツとのシーンでしょう。
ただ、トヨエツがキレモノではあるんですが、今一つキレが足りない。
ネタバレになりますけれども言っちゃいますとね?(うわ言うんだ)(あんまり大したこと言いません)早い話、あんた程の人なら、椿三十郎が書いた筋書きくらい全部お見通しでもいいじゃん!みたいなね。
お見通しの上で乗っかってやった、くらいでもいいんじゃん!ていうね。
「いい子だ」
ていうセリフがキーだとおいらは思ってて、映画の始めの方で、織田裕二が若侍達に向かって言う。で、後半になって、トヨエツが織田裕二に向かって言う。これ言わすんだったらトヨエツはもっと織田裕二を食っててもいいだろう!と思いましたね。そうじゃないんだから言わせるなよぅ…。

んー、なに、つまり織田裕二に対してトヨエツが迫力ありすぎ?深みありすぎ?もうちょっとおバカさんになって!てところですよ、ほんとに。あーの表情であーの眉間のうすじわ(皺、にならないところがミソですよ。うっすら皺になってるところがもう、こっわーい、キレそーう、ひー!て感じですもん。)ですからね、反則です。
最後の最後、二人が対峙するシーンは、それでも陽の織田裕二に対して陰のトヨエツて感じに見えて、だから陽に軍配が上がっておいらとしちゃ納得、なんですが。いやあの立ち回りはカッコよかったな。
ああ、立ち回りといえば、織田裕二の立ち回り、カッコよかったです。たとえばそれこそ「武士の一分」のキムタクの立ち回りが剣道をやったことのある人の、王道な立ち回り(ってなんだ)だとすれば、織田裕二のは我流ですが何か?強く見えりゃ文句ないだろうどうだ!ていう結果オーライな立ち回り。またそれが織田裕二(もしくは青島刑事)のキャラクターによってオッケーになってるところがいいんですよ。
んーまあ、1000円で見たから文句言いません。存分にエンタテインメントな時代劇映画を楽しませていただきましたとも!

そうそう、何が楽しかったってね!!
松山ケンイチ演ずるところの若侍の伯父にあたる、藩の重役(城代家老かな、違ったかな、なんかとにかく偉い人なんだよ!)が今回の騒動のキーパーソンになりますが、その人が最後の最後まで顔が出てきません。話にはがっつり食い込んでるのにね。その人の奥方が中村玉緒で、奥方に言わせると「あの人は顔の長いタヌキですから」なんて人なんですが、その台詞と役柄から考えて、多分あの俳優だよな、きっとそうだよな、早く出てこないかな、ていう期待感をずーっと引っ張って、ようやく最後に出てくるんです。
その人が、
あ、言わないほうがいい、うん、映画で見てください。
やーっぱりーーーー!(げらげら)
て人でございましてね、いやこれで映画が締まったっつっても過言じゃない。
この人と、織田裕二VSトヨエツの最後の立ち回りと、織田裕二の対多人数の立ち回り、に敬意を表して、見てよかったと思いました。(1000円で、の話だけどな!!)

「夢の守り人」

2007年12月25日 17時32分17秒 | ほぼ、文庫本
夢の守り人/上橋菜穂子/新潮文庫

うわ。一気に読んでしもた。
たまたま今日は、市場まで行く用事があったんだけど、そこへ行く線(鉄道)てのが本数少なくてさ~。乗ってるのは一駅だけど、待ち合わせも入れると時間はいつもの通勤よりかかった。
おかげで、往復する間に読んじゃった。

「守り人」シリーズの文庫化3冊目。
相変わらず、バルサは雄々しく(短槍遣いの女用心棒)、タンダは優しく、トロガイ師はくわせ者で、チャグムは似合わない皇太子で、シュガは賢く若くしたたかな博士だ。
バルサを慕う、なんでも屋のトーヤとサヤが夫婦になってたのにはちらっと驚いたけど、まあそうなるのが自然だよな、という流れだったからね。

勢いだけでががが!と読んだから、詳しい感想は書けません。ほんとに、つくづくおいらは読書感想文が苦手なんだよな、むかしっから。
それでも、忘れないように書くなら、タンダの身に起こった一大事、それをめぐる周りの人達の奮闘ぶり、バルサのタンダへの想い。がおいらなりのキーワードかな。
あ~あ、やっちゃった、なタンダの優しさと無茶と、最後の最後にモノを言う意外な強さ。
たかだか13歳、さらには皇太子とは思えないチャグムの成長ぶり。と同時に13歳だからこそ、皇太子だからこその寂しさや切なさや辛さ。
食えないバアさん、てだけじゃない、トロガイ師の人であるが故の過去、それを封印せざるを得なかった師の生き様。
望んだわけではないのに、運命に翻弄されるままに過酷な道を生きてきたバルサの、唯一といってもいい、心を許せる相手タンダを想う心情。
「冗談じゃない。あいつを殺すくらいなら、あいつに、この首をくれてやるよ。」
この台詞のなんと重いことか。

ファンタジーをこれまであまり読まなかったのは、なんとなくウソ臭くてしょうがなかったから。ウソが嫌いなわけではないけど、そんなもったいつけんでもさ~、みたいなね。
でも、このシリーズを読み始めて、考えが変わった。
ファンタジーは、異世界を舞台にした大河小説である、と。そして、おいらはその手の話が嫌いではない、と。
勿論、ファンタジー全部がそうとは限らない。舞台をどこに移そうが、ウソ臭いものはウソ臭いだけだ。でも、少なくともこのシリーズは、間違いなく上々の大河小説だと思う。
人であるから、人であるために、人は様々に伸び、ぶつかり、傷付き、ひしゃげ、ねじ曲がり、雁字搦めになり、それでもなお、伸びることを止めない。他を巻き込み、己も巻き込まれ、それでもなお、静止することはない。
なんで自分はここに、或いはこうして、い(きてい)るんだろう?
その答えは、案外、本書のようなファンタジーに書かれているのかもしれない。

余談ながら、本書の解説は、かの養老孟司氏。これがまた、解説だけでいいから読んで!と言いたいほど絶品。てなこともあるので、これは買いだよ~!!
(おいらは新潮の書籍部か!)



「チーム・バチスタの栄光(上下)」

2007年12月24日 23時58分55秒 | ほぼ、文庫本
チーム・バチスタの栄光(上下)/海堂尊/宝島社文庫

前から書店に行くたびに、タイトルに惹かれて気になって仕方なかった作品。よっぽど図書館で借りようかと思いましたが、なにしろ読書に割く時間は通勤時間しかないもので、ハードカバーは重いしかさばるし、無理。てことで、文庫化を待つことにしていた作品。

で、ここから果てしなく書いてたんですが、ええ、携帯でコツコツとね!ですが、うっかり操作ミスしちまって、ざばーっと消えました。くっそー!
「し」をうつつもりがリセットのキーを触っていた(すぐ上のキーだし)ようで、怒涛の速さでカカっと2回…あえなく消え去りました。
また後日、PCからうちますよ…とほほ、涙もでやしねえ!畜生っ!

-----------------------------------------------------------

で、後日(笑)。

ふらりと立ち寄った時に、いわゆる「平積み」になっている文庫本上下巻を発見、すぐさまセットで(1冊ずつてことね)お買い上げ、レジに向かいます。
すると、レジのお姉ちゃんが言います。
「この上巻、サイン本がありますから交換しますね。」
ええ、ええ、勿論交換してもらいましたとも!喜んで!いやあ、こんなこともあるのねー。

てな曰く付きで入手して、読みました。通勤時間を割いて。

何がどうって、特筆すべきは「白鳥」(しらとり、と読む。鳥の白鳥ではなく人名)のキャラクターの凄さ。もう「濃い」とか「キャラが立ってる」とかの次元じゃありません。本書の中でも、こいつ(うわこいつ呼ばわり!)が出てきてからというもの、関係者各位、漏れなく引っ掻き回され暴き立てられもみくちゃにされ、混乱が大きな渦を為してそれはもう読者のおいらをも巻き込みます。さらに、これだけしといてこの男、主人公ではありません。なんてことー!?いいの、そんなに目立っちゃっても!?
何しろ、全部!もう見事に全部が理詰めで話が進む。ロジカルモンスターだったっけな、主人公が白鳥を評してそう言いますが、ほんとに、論理の怪物。ここまで論理的に話をする人っているのかな。いるかもしれないな。おいらには絶対無理だけど!(いや誰も求めてないから)
ミステリーというカテゴリーに入ってますから(なんたって「このミステリーがすごい」に選ばれてますからね)、事件があって、犯人がいます。事件の真相を暴き、犯人を捜す。まあ平たく言えばそういう話です。
なんですが!
それだけの話(!)を、理詰めで展開するとこうも面白いのか、と思いました。あと事件てのが手術の最中の死、いわゆる「術中死」という特異な事件だから、もあるだろうけど。
半ば強引だと思える理論の展開も、白鳥というキャラクターならアリかも…と思える。彼だから許される、というよりも、誰も許してなくてもお構いなしに彼は進む。そして、何が凄いって、結局、事の真相は白鳥が理論立てた通りで、事件の「その後」のおまけですらも、彼の論理に基づいて展開するようになってて、ある意味こわい。
そんな、何もかも論理的に展開していってもいいの?人間てもっとイイ加減なもんじゃないの?そんな、論理的にすぱすぱすぱっと割り切れるようなもんなの?
…と思うけれども、これはきっと白鳥に言わせれば、そうならないようなら、それは論理的というにはあまりにもお粗末だ、てなもんなんでしょう。白鳥みたいなヤツ(!)、おいらの周りに一人欲しいけど、百歩譲って、友達の友達、くらいの距離ならいいな。(それって他人てことじゃあ…)

タイトルから分かるように、バチスタ手術が事件の舞台です。バチスタって?とか思う人にはつらいかも。医療用語がばんばん出てきますし、まあそれを知らなくても話は読めますが、映像として浮かばないとつらいかも。いやまあ、浮かばなくても話の本筋には関係なさそうな気もしますが…って、結局どっちなんだ!?
おいらの予備知識としては、えー、んー、…、
…あっ、おいら「医龍」も「医龍2」も見ましたよ!他にも医者ドラマは結構見てます。あと、小学生の頃から「ブラック・ジャック」は愛読してました!(爆笑)
ええ、そんなもんですよ。そんな程度で充分ですよ。なんか聞いたことあるな、程度で。
「医龍2」で思い出した。
本書の上巻、話でいえば起承転結の「承」くらいに入ったところでこんなくだりがあります。
「手術の場は、掛け算に似ている。他の人たちがどれほど大きい数字でも、ゼロが一人いれば全部ゼロだ。マイナスが一人いれば、数値が大きいほど悪い。かと思うと、マイナスが二人いると、今度は大きなプラスに変わることもある。」
これね、「医龍2」で阿部サダヲ演じる麻酔医の荒瀬が、同じようなこと言ってました。
バチスタ、ですでに重なってるだけに、偶然かなあ、どっちが先かなあ、などとふと思いました。いや別にいいんだけどさ。

いやー。
とにかく、読んだー!という充実感はあります。
映画化も決定してて、来年2月に公開だそうです。
文庫の帯を見る限り、おそらくこの強烈な「白鳥」は、阿部寛が演じるのではなかろうかと思われます。(左下に映ってる黒い人影が阿部ちゃんですね)
…なんてナイスな配役だ!
あとがきにもありましたもん、白鳥のキャラクターを評して
「阿部寛が演じた『トリック』の上田教授をさらに苛烈にしたようなキャラクター」
って!わはははは!まんまやん!ていうか、そこから作ったんちゃうん!?
阿部寛がどんなふうに理詰めで畳み掛けるのか、すっごい惹かれるー!!その為だけに映画見ようかな。筋立てがどんな風に変わろうとも(たかだか2時間とか2時間半とかで、この話を映像にするのは無理にも程があるってもんで)、それでどんなにチャチな話になろうとも(…そこはちょっとイヤかも)。

「新選組 藤堂平助」

2007年12月19日 23時10分39秒 | ほぼ、文庫本
新選組 藤堂平助/秋山香乃/文春文庫

走りに走って、二日で読みました。
一言で言うなら

平助ファンの皆様、お待たせしましたッ!

てとこでしょうか。
もうね、藤堂平助が果てしなく純粋な、透明な、一点の曇りもない、それこそただ只菅に純な若者として書かれています。
純であるがために試衛館に入り込み、彼等と共にあるがために上京し、浪士組から新選組へとその立場を明らかにし、新選組であるがために隊務を全うする。
また一方で、北辰一刀流千葉門下の流れを汲むがために、新選組主流の幕府第一思想とは徐々に離れていき、かつての恩師である伊東甲子太郎について新選組を離隊。
御陵衛士であるがために新選組と対決し、自らの志を曲げぬがために、かつての友が指し示す生き延びる道にきっぱりと背を向け、斬り死にする道を選ぶ。
なんとまあ、無様なまでに純粋なことよ!
平助ファンには堪らない一冊でございましょう。
それにさ、大きな声じゃ言えないけどさ(書いてるけどな!)、ここじゃあ平助と土方さんがラブラブでさ~!え~、平ちゃんだったら新八っつぁんでしょうよ!と思うおいらはまたしても寂しい思いをするのであった。きぃ!だって圧倒的に土方の旦那の方が平ちゃんと仲良し(!)だしさ。ちょこちょこ出て来る新八っつぁんときたら、んもうすっかり平ちゃんの保護者だよぅ(泣)。ちぇ!

ま、それはおいといて。

間違いなく、平助ファン号泣ものの一冊です。さらには、新選組モノに同人誌にありがちな空気(苦笑)を求めている方々にも、きっとご満足いただけるものと思われます。
…え?おいらですか?
もう読みません(きっぱり)。だって新八っつぁんの出番が少ないんだもん!
というのは半分本気ですが、もう半分は、え?これをこんなに著名な出版社が文庫本にしていいの?!て気持ちです。正直なところ、あらま、びっくり!
でも、平ちゃんの純粋さはそれとは別の話なので、謹んである人に差し上げたい。…このブログを読んで下さっているとは思えないのですが(もう随分前にサイトも閉じられているので)、おいらの知る限り一番の平助ファンであるところのticoさんに。



風光る(3巻)

2007年12月17日 22時01分05秒 | 漫画だって本だし。
風光る(3巻)/渡辺多恵子/小学館文庫

…言わんこっちゃない。池田屋騒動まできましたよ。もうアレよ、やめられないよ?あわわ。

本来こういうのは、ここに書くことなく、さら~っと読んどけばいいのに、何故、画像つきで書いたか?このくっそ忙しい中!?(初回はほら、ね、数のうちだしさ。てちっとも理由になってませんてば!)

この、表紙!
分かる人には分かる、かの斎藤一その人ですよ!この目元涼やかなあっさり美男子が!
いや~あ、所変われば品変わるってね。
斎藤一その人を、今日ある地位(笑)にのしあげたのは「るろうに剣心」という少年漫画ですが(これは断言していいよね)(爆笑)、その中の斎藤一とこの斎藤一が同一人物だっちゅうんですよ!そういえば大河ドラマではオダギリジョーでしたな。
いやはや、人物像に奥行きがあるっていうか、バラエティーに富んだキャラクターっていうか。あの世で新選組の方々が集う場で、間違いなく笑いを誘って…いやいや、座を盛り上げていることでしょうな。

おいらはどの斎藤さんも味があって好きなんですが、今はこの、あっさり斎藤さんがお気に入り。んも~ぅ、いつも絶妙のタイミングで絶品のボケをかまして下さいます。だけじゃなくて、きっちり押さえるとこは押さえてるしね。なかなか遣り手です。遣えます。持っていきます、がっつり!(でもそれをざば~!とぶちまけます)(超笑)

ああ、ちっとも感想が書けないや。(書くんかい!)

惜しむらくは、おいらの大好きな(聞いてないから)永倉新八が脇役に甘んじていること。下手すりゃ左之助と平助と3個一です(号泣)。
でもその悲しさを補ってなお余りある、斎藤一のキャラクターにコロっといっちまってます。(でもおいらは永倉新八激惚れです)(いや、だから聞いてないし)

ああ、くそ。
ほんとに悔しいったらありゃしません。
それでも、読んで笑ってるんですよ、おいら。
…恐るべし、斎藤一!(…なんか違う…)



永井玄蕃守

2007年12月14日 00時00分37秒 | 言霊
ごめんなさいでいいじゃねぇか。

「新撰組!! 土方歳三最期の一日」より



ちら、としか見てない(でもきっちり録画してるよ!)から詳細は曖昧ですけれども…
舞台は箱館・五稜郭。おそらくは土方さんの最期になるであろう日の前日か前々日。夜陰にまぎれて単独で敵情視察にでかけた土方さんと、幕軍のお偉方(ほんまかい)との打ち合わせ(と称した宴会)帰りの永井さんが出会い、あーだこーだ情報交換をしている中で、のこと。
土方さんはすっかり死に行く者、に成りきっていて、あとはどうやって死ぬか、より武士らしく、より潔く、より誇り高く…みたいな境地になってしまっている。
それを見た永井さんが言うのには、もうそのくらいでいいじゃないか、と。お前(=土方)がここまでやってきたのをあの人(=近藤勇)はちゃんと見ているよ、と。これからは、しっかり生き延びて、官軍と称した西郷や大久保達がどんな世の中を作っていくのかを見届けてやろうじゃないか、と。
それを受けて土方は半ば絶叫します。

そんなんで、あっち(=あの世)であの人にどうやって謝ればいいんだ、と。

で、冒頭の台詞。

「ごめんなさい、でいいじゃねぇか。」

その後に、あの人(=近藤)なら分かってくれるさ、とかなんとか続いてましたが、もうね、もうこの、まさにこの一言で、おいら危うく涙を噴出させるところでしたよ、ほんとにもう。やばやば。参った。やるな、三谷(幸喜)!
来週、後編があります。もちろんがっつり録画予約済み。

でも、きっとこのドラマの中で、一番の泣き台詞はこれだと思うな。
…て、見てから言えよ!て話やね。…いつになるか分かりませんが(泣)。