「猫の恩返し」
声の出演:池脇千鶴、袴田吉彦、丹波哲郎、渡辺哲 ほか
昨日(てか日付はすでに今日でしたが)、素晴らしい月を満喫した夜更けに、こないだ地上波で放映したのを録画だけして見ていなかったので、ビール片手に見ました。
なんて、なんてまあ、ファンタジーなんでしょう。
満月ってことも手伝って(さらにはビールでほろ酔いってことも手伝って)、ほんわかふんわり感を存分に楽しみました。いい絵本を読んだ感じかな。
確かにバロン伯爵は底抜けに恰好良く、ハルはそこはかとなくぼんやりさんで、猫達はどこまでも猫らしく。猫ってもほら、いろいろいるでしょ。隙がなくていつもきらりと目を光らせているヤツもいれば、お日様とミルクがあればいいのーん、と昼寝だけしているのとか、自分が良ければ他は何にも構わない奴とか。あえて共通項をあげるとするならば、犬よりも断然、マイペース。自分の行く道が王道。オレサマはオレサマだ。
何が面白かったって、声優陣ですよ。
声優っていうか、主なキャラクター、えーとエンドロールで名前のあがる役はすべて、タレントとか俳優とか女優とか、それぞれにテレビ(や映画)で活躍ばりばりの面子が勢揃い。上にあげた他にも、岡江久美子、山田孝之、濱田マリ、佐戸井けん太、佐藤仁美、前田亜季、斎藤洋介。なわけで、だんだんアニメのキャラクターがそれぞれの声の主に見えてくるんですよ。岡江久美子なんてもう、最初からそうだったもん(一瞬、竹下景子かと思ったけどな)。佐藤仁美に至っては、彼女を見て下絵を描いたんだと思うな、おいらは(違うだろうけど)。
あー、でもバロンの声は、最初、ロロノア・ゾロかと思いました。てか、最後まで思ってましたとも。ちょっとゾロにしてはダミ声感がなくて爽やかだなーとは思ったけど、違和感というほどではなく、寧ろそれは演技の範疇だと思ってましたとも。そうか。そうだよ、袴田くんだよ、思い出した、エンドロール見て。公開当時、池脇千鶴ちゃんと2ショットでテレビに出てたよ。
あと、王子様が山田孝之くん、ていうのもおお!て感じでした。
声の話でついでに言うと、この映画って、録音するのって話の順にするんだろうかねえ?何かっていうと、映画の出だしでハル(池脇)と友達(佐藤)の日常会話が、なんていうか、すっごいぎこちないの。本業は声優じゃありません!ていうギクシャク感が丸出し。発声法とかあるんだろうね。歯切れはよくないし空気だだ漏れで、セリフが聞き取りにくいったら。でもそれが、話が進んでいくにつれて、だんだんぴたっとハマってくるからすごい。耳が慣れたっていうのもあるかもしれないけど、声優、になっていってるってことなんだろう。
バロンの恰好良さは、ある意味反則技だ!と思ったんだけど、いいんだよ、それで。だってバロンは生きた猫ではないから。
猫ってやつはさ、ほんとはいい奴かもしれなくても、基本は自分が一番!でないとさ。そう、ムタさんみたいに。やー、もー、ムタさん素敵!(ムタ「ぅうるせぇ」)
ジブリのさ、「もののけ姫」みたいにがっぷり四つに組んでしっかり見て、何度でも見直したくなるような、重い作品もいいけど、これとか、「茄子アンダルシアの夏」みたいにちょっと短めですきっ、ぱしっ、と見られる作品もいいな。そう、長いだけが能じゃなし。冗長、という言葉もあるように。自戒の念をこめて。
なんにも考えずにほわーん、と見て、見た後に「ぅおもしろかったぁー!」と言える映画だと思いました。マル。