オレンジ色の紫陽花

携帯から軽快に綴るおいらの日々。
…だったのだが、ツイッターのまとめブログに変更。極稀にこっち単独の記事もある、かも。

「タイガー&ドラゴン(上・下)」

2007年12月31日 18時06分03秒 | ほぼ、文庫本
タイガー&ドラゴン(上・下)/宮藤官九郎/角川文庫

今年の読み納めはこちらでございました。
正直言いますと、まだ落語ンところが終わってないンですが。
これ、ドラマでやってたのって2005年1月に2時間スペシャル、4月~6月に連ドラ放映ですってぇから、もうすぐ3年になりますんですね。あらま、驚いた。
どうやらおいらはこの2時間スペシャルは見覚えがないようですが(惜しいことした!)、連ドラは本放送をなんとなく見て(やはりそこはクドカンだし)、再放送はがっつり録画までしました。
いやあ、長瀬くんのヤクザっぷりがカッコ良こわい(読めねえ!し、言わねえ!)わ、岡田准一も塚本高史も北村一輝も二枚目大集合だわ(勢いありましたねこの頃から!)、蒼井憂ちゃんが可愛いわ(伊東美咲は言うに及ばず)、芸達者やら濃いぃ役者がうんざり出てるわ、そりゃもう大騒ぎで大喜び(おいらがね)のドラマでした。
その脚本が本書です。
クドカンの脚本文庫本は他に「池袋ウエスト・ゲート・パーク」を持ってますが、これがもう、面白いったら。
「池袋~」の方は放送とは違う部分もかなりメジャーなところであって、読んでてちょっとがっかり、なとこもありますが(おいら的にね)、本書は、ほぼこの通りにドラマ化されたみたいで、読んでてあのドラマが頭ン中で再現されました。
あとがきで西田敏行が書いてます、
「まるでアドリブがちりばめられてるようなセリフなのに、しっかりと物語になっている。セリフをしゃべる役者を心地よくさせる脚本です。」
「阿部サダヲのことをずっとすごくアドリブが利く役者だなと思ってたんですよ。ところが実際は一言一句アドリブなしなんですよね。」
これに尽きます。なんちゅうか、きっちり練り上げられた、丁寧に作り上げられた、職人の仕事、みたいなね。
ドラマを見るだけではその場の勢いでざばーっと流されてしまった事も、脚本読んで、ああ、そうか!と膝を打つ、ってことが何ヶ所かありました。まあ流されたまんまでも良かったのかもしれない、流される前提での芝居かもしれませんけれどもね。
伝説とまで言われた「木更津キャッツアイ」は見てないけど、前述の「池袋~」や、「ぼくの魔法使い」、「マンハッタン・ラブストーリー」も好きですよ。
なんてンでしょ、ベタなんだけど、ベタだからこそ面白いっていうかな、ベタな中にこそ目新しい事があるっていうかな、分かりませんが。ああ、そうだ、西田敏行が書いてます、あとがきで。
「彼の書く“今”は古いものを否定した今ではなく、古いものが積み重なっての“今”なんです。」
ベタってのはあれでしょ、言い尽くされてきた展開っつうか、分かり切ったオチっつうか、つまりは新しいことがひとっつもない、古い事でやしょう?上の抜粋の古いをベタに変換してみて下さい。
ま、そういうのがクドカンの書く本の魅力(の一つ)かなあ、と思います。今度、ちょっと夜遅い枠でクドカンのドラマやりますね。あれもだから楽しみなんですよ。
…どうやら2008年も脱・テレビっ子、とはいかないようで。



「夢の守り人」

2007年12月25日 17時32分17秒 | ほぼ、文庫本
夢の守り人/上橋菜穂子/新潮文庫

うわ。一気に読んでしもた。
たまたま今日は、市場まで行く用事があったんだけど、そこへ行く線(鉄道)てのが本数少なくてさ~。乗ってるのは一駅だけど、待ち合わせも入れると時間はいつもの通勤よりかかった。
おかげで、往復する間に読んじゃった。

「守り人」シリーズの文庫化3冊目。
相変わらず、バルサは雄々しく(短槍遣いの女用心棒)、タンダは優しく、トロガイ師はくわせ者で、チャグムは似合わない皇太子で、シュガは賢く若くしたたかな博士だ。
バルサを慕う、なんでも屋のトーヤとサヤが夫婦になってたのにはちらっと驚いたけど、まあそうなるのが自然だよな、という流れだったからね。

勢いだけでががが!と読んだから、詳しい感想は書けません。ほんとに、つくづくおいらは読書感想文が苦手なんだよな、むかしっから。
それでも、忘れないように書くなら、タンダの身に起こった一大事、それをめぐる周りの人達の奮闘ぶり、バルサのタンダへの想い。がおいらなりのキーワードかな。
あ~あ、やっちゃった、なタンダの優しさと無茶と、最後の最後にモノを言う意外な強さ。
たかだか13歳、さらには皇太子とは思えないチャグムの成長ぶり。と同時に13歳だからこそ、皇太子だからこその寂しさや切なさや辛さ。
食えないバアさん、てだけじゃない、トロガイ師の人であるが故の過去、それを封印せざるを得なかった師の生き様。
望んだわけではないのに、運命に翻弄されるままに過酷な道を生きてきたバルサの、唯一といってもいい、心を許せる相手タンダを想う心情。
「冗談じゃない。あいつを殺すくらいなら、あいつに、この首をくれてやるよ。」
この台詞のなんと重いことか。

ファンタジーをこれまであまり読まなかったのは、なんとなくウソ臭くてしょうがなかったから。ウソが嫌いなわけではないけど、そんなもったいつけんでもさ~、みたいなね。
でも、このシリーズを読み始めて、考えが変わった。
ファンタジーは、異世界を舞台にした大河小説である、と。そして、おいらはその手の話が嫌いではない、と。
勿論、ファンタジー全部がそうとは限らない。舞台をどこに移そうが、ウソ臭いものはウソ臭いだけだ。でも、少なくともこのシリーズは、間違いなく上々の大河小説だと思う。
人であるから、人であるために、人は様々に伸び、ぶつかり、傷付き、ひしゃげ、ねじ曲がり、雁字搦めになり、それでもなお、伸びることを止めない。他を巻き込み、己も巻き込まれ、それでもなお、静止することはない。
なんで自分はここに、或いはこうして、い(きてい)るんだろう?
その答えは、案外、本書のようなファンタジーに書かれているのかもしれない。

余談ながら、本書の解説は、かの養老孟司氏。これがまた、解説だけでいいから読んで!と言いたいほど絶品。てなこともあるので、これは買いだよ~!!
(おいらは新潮の書籍部か!)



「チーム・バチスタの栄光(上下)」

2007年12月24日 23時58分55秒 | ほぼ、文庫本
チーム・バチスタの栄光(上下)/海堂尊/宝島社文庫

前から書店に行くたびに、タイトルに惹かれて気になって仕方なかった作品。よっぽど図書館で借りようかと思いましたが、なにしろ読書に割く時間は通勤時間しかないもので、ハードカバーは重いしかさばるし、無理。てことで、文庫化を待つことにしていた作品。

で、ここから果てしなく書いてたんですが、ええ、携帯でコツコツとね!ですが、うっかり操作ミスしちまって、ざばーっと消えました。くっそー!
「し」をうつつもりがリセットのキーを触っていた(すぐ上のキーだし)ようで、怒涛の速さでカカっと2回…あえなく消え去りました。
また後日、PCからうちますよ…とほほ、涙もでやしねえ!畜生っ!

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で、後日(笑)。

ふらりと立ち寄った時に、いわゆる「平積み」になっている文庫本上下巻を発見、すぐさまセットで(1冊ずつてことね)お買い上げ、レジに向かいます。
すると、レジのお姉ちゃんが言います。
「この上巻、サイン本がありますから交換しますね。」
ええ、ええ、勿論交換してもらいましたとも!喜んで!いやあ、こんなこともあるのねー。

てな曰く付きで入手して、読みました。通勤時間を割いて。

何がどうって、特筆すべきは「白鳥」(しらとり、と読む。鳥の白鳥ではなく人名)のキャラクターの凄さ。もう「濃い」とか「キャラが立ってる」とかの次元じゃありません。本書の中でも、こいつ(うわこいつ呼ばわり!)が出てきてからというもの、関係者各位、漏れなく引っ掻き回され暴き立てられもみくちゃにされ、混乱が大きな渦を為してそれはもう読者のおいらをも巻き込みます。さらに、これだけしといてこの男、主人公ではありません。なんてことー!?いいの、そんなに目立っちゃっても!?
何しろ、全部!もう見事に全部が理詰めで話が進む。ロジカルモンスターだったっけな、主人公が白鳥を評してそう言いますが、ほんとに、論理の怪物。ここまで論理的に話をする人っているのかな。いるかもしれないな。おいらには絶対無理だけど!(いや誰も求めてないから)
ミステリーというカテゴリーに入ってますから(なんたって「このミステリーがすごい」に選ばれてますからね)、事件があって、犯人がいます。事件の真相を暴き、犯人を捜す。まあ平たく言えばそういう話です。
なんですが!
それだけの話(!)を、理詰めで展開するとこうも面白いのか、と思いました。あと事件てのが手術の最中の死、いわゆる「術中死」という特異な事件だから、もあるだろうけど。
半ば強引だと思える理論の展開も、白鳥というキャラクターならアリかも…と思える。彼だから許される、というよりも、誰も許してなくてもお構いなしに彼は進む。そして、何が凄いって、結局、事の真相は白鳥が理論立てた通りで、事件の「その後」のおまけですらも、彼の論理に基づいて展開するようになってて、ある意味こわい。
そんな、何もかも論理的に展開していってもいいの?人間てもっとイイ加減なもんじゃないの?そんな、論理的にすぱすぱすぱっと割り切れるようなもんなの?
…と思うけれども、これはきっと白鳥に言わせれば、そうならないようなら、それは論理的というにはあまりにもお粗末だ、てなもんなんでしょう。白鳥みたいなヤツ(!)、おいらの周りに一人欲しいけど、百歩譲って、友達の友達、くらいの距離ならいいな。(それって他人てことじゃあ…)

タイトルから分かるように、バチスタ手術が事件の舞台です。バチスタって?とか思う人にはつらいかも。医療用語がばんばん出てきますし、まあそれを知らなくても話は読めますが、映像として浮かばないとつらいかも。いやまあ、浮かばなくても話の本筋には関係なさそうな気もしますが…って、結局どっちなんだ!?
おいらの予備知識としては、えー、んー、…、
…あっ、おいら「医龍」も「医龍2」も見ましたよ!他にも医者ドラマは結構見てます。あと、小学生の頃から「ブラック・ジャック」は愛読してました!(爆笑)
ええ、そんなもんですよ。そんな程度で充分ですよ。なんか聞いたことあるな、程度で。
「医龍2」で思い出した。
本書の上巻、話でいえば起承転結の「承」くらいに入ったところでこんなくだりがあります。
「手術の場は、掛け算に似ている。他の人たちがどれほど大きい数字でも、ゼロが一人いれば全部ゼロだ。マイナスが一人いれば、数値が大きいほど悪い。かと思うと、マイナスが二人いると、今度は大きなプラスに変わることもある。」
これね、「医龍2」で阿部サダヲ演じる麻酔医の荒瀬が、同じようなこと言ってました。
バチスタ、ですでに重なってるだけに、偶然かなあ、どっちが先かなあ、などとふと思いました。いや別にいいんだけどさ。

いやー。
とにかく、読んだー!という充実感はあります。
映画化も決定してて、来年2月に公開だそうです。
文庫の帯を見る限り、おそらくこの強烈な「白鳥」は、阿部寛が演じるのではなかろうかと思われます。(左下に映ってる黒い人影が阿部ちゃんですね)
…なんてナイスな配役だ!
あとがきにもありましたもん、白鳥のキャラクターを評して
「阿部寛が演じた『トリック』の上田教授をさらに苛烈にしたようなキャラクター」
って!わはははは!まんまやん!ていうか、そこから作ったんちゃうん!?
阿部寛がどんなふうに理詰めで畳み掛けるのか、すっごい惹かれるー!!その為だけに映画見ようかな。筋立てがどんな風に変わろうとも(たかだか2時間とか2時間半とかで、この話を映像にするのは無理にも程があるってもんで)、それでどんなにチャチな話になろうとも(…そこはちょっとイヤかも)。

「新選組 藤堂平助」

2007年12月19日 23時10分39秒 | ほぼ、文庫本
新選組 藤堂平助/秋山香乃/文春文庫

走りに走って、二日で読みました。
一言で言うなら

平助ファンの皆様、お待たせしましたッ!

てとこでしょうか。
もうね、藤堂平助が果てしなく純粋な、透明な、一点の曇りもない、それこそただ只菅に純な若者として書かれています。
純であるがために試衛館に入り込み、彼等と共にあるがために上京し、浪士組から新選組へとその立場を明らかにし、新選組であるがために隊務を全うする。
また一方で、北辰一刀流千葉門下の流れを汲むがために、新選組主流の幕府第一思想とは徐々に離れていき、かつての恩師である伊東甲子太郎について新選組を離隊。
御陵衛士であるがために新選組と対決し、自らの志を曲げぬがために、かつての友が指し示す生き延びる道にきっぱりと背を向け、斬り死にする道を選ぶ。
なんとまあ、無様なまでに純粋なことよ!
平助ファンには堪らない一冊でございましょう。
それにさ、大きな声じゃ言えないけどさ(書いてるけどな!)、ここじゃあ平助と土方さんがラブラブでさ~!え~、平ちゃんだったら新八っつぁんでしょうよ!と思うおいらはまたしても寂しい思いをするのであった。きぃ!だって圧倒的に土方の旦那の方が平ちゃんと仲良し(!)だしさ。ちょこちょこ出て来る新八っつぁんときたら、んもうすっかり平ちゃんの保護者だよぅ(泣)。ちぇ!

ま、それはおいといて。

間違いなく、平助ファン号泣ものの一冊です。さらには、新選組モノに同人誌にありがちな空気(苦笑)を求めている方々にも、きっとご満足いただけるものと思われます。
…え?おいらですか?
もう読みません(きっぱり)。だって新八っつぁんの出番が少ないんだもん!
というのは半分本気ですが、もう半分は、え?これをこんなに著名な出版社が文庫本にしていいの?!て気持ちです。正直なところ、あらま、びっくり!
でも、平ちゃんの純粋さはそれとは別の話なので、謹んである人に差し上げたい。…このブログを読んで下さっているとは思えないのですが(もう随分前にサイトも閉じられているので)、おいらの知る限り一番の平助ファンであるところのticoさんに。



「ばいばい、アース」

2007年10月27日 23時30分43秒 | ほぼ、文庫本
ばいばい、アース/冲方丁/角川文庫

まずね、この作者名が読めませんって!!
知ってる人は知っているだろうけれども、知らない人のために。
うぶかたとう、と読むらしいですよ、ええ。
変換しても出てきませんから、手書きで認識させて探しましたって!

で、この表紙。
これじゃまるでアナタ、電撃文庫とかなんか、そういう本みたいでしょ。
いや、おいら読みませんけどもさ。
角川文庫ですよ。一般の文庫ですよ。(ま、角川だってところが、らしいと言えば言えなくもないけども。)
…なんでおいら買っちゃったのかなあ。
多分、ちょっと前に「三省堂京都店」のブログで紹介してあったからかな。
あれだ、サブリミナル効果ってやつで(ほんまかい)、売り場に行ったら
ついつい角川文庫のとこに行ってたんだよ多分。
しかもその売り場ってのが、まさに「三省堂京都店」だもの!
JR京都駅の地下1階にありますので、結構ちょこちょこ行ってますよ。
て、いやだから、いいのそんなことは。

とにかく買っちゃった。
買った以上は読まなくちゃ。とりあえず一回は。

てことで木曜日あたりから通勤時に読み始めました。
どうやら全4巻(なんだってー!?)らしいので、本の感想は免除、てことで。
一つだけ言うなら(言うんだ)、ベルの養父母と再会するシーンがきゅっときた。

ハイ・ファンタジーってなんだよ。
上橋菜穂子さんの「守り人」シリーズには「アジアン ハイ・ファンタジー」ってついてたしな。(書店の手書きPOP広告)
ファンタジーのハイクラスってことか?いや知らんけども。
なんかちょっとこう、「上質な」ファンタジーかな、と思ってたんだけど。
(いやまああの表紙でそういう期待をするのもどうかって話だよね)
んー、がっつり作り込まれたファンタジー、て感じがしました。いちいち設定が細かいし。
慣れないおいらは、多分、ものすごくすっとばして読んでると思う(だから感想もまともに書けない)。
でもな、こういう話ってな、それをそのまま、こう、あるがまま?に受け取るしかないじゃないかと。
たとえば動物を花ていうのは、どうなんだとかさ、式(演算式ね、式神でなく)だのスペルだのってなんだとかさ、
それを一々、英和辞書で英単語ひいて訳して読む、みたいな作業をしてたら
話の本筋が全然読めないので、分からないとこは分からないまま、とにかく進む!
なんとなーく想像できたらしめたもの、そのイキオイでとにかく読め、読め、読めー!!
で、ようよう1巻を読み終わりました。
途中ですから、感想は割愛します、さっきも書いたけどさ。
少女、剣、魔法、人と化した動物(でも人じゃないよ)、旅…。
ファンタジーの定石?定番?お約束?(えへらえへら)
どうやら毎月続編が出るらしいので、こうなりゃ揃えます(泣)し、苦笑いしつつ
没頭して読むんだろうなと思われます。
ゲームのような小説、も、ここまでがっつり作り込んで、それを逃さずがっつり書き込む力は凄い。
ここまで来たら、そりゃ一般の文庫本として出版もされようぞ、てなもんで。
…え?喧嘩売ってる?
何をおっしゃいますー!?褒めてるんですよ!

「お金がなくても平気なフランス人 お金があっても不安な日本人」

2007年10月26日 23時06分57秒 | ほぼ、文庫本
お金がなくても平気なフランス人 お金があっても不安な日本人
 /吉村葉子/講談社文庫


タイトル、長っ!
この手のエッセイ本は、基本的に読まない方だと思いますが
たまに、魔が差して(!)手に取ってしまいます。
読んでて、まあ、確かにそうだなあ、と思うところも多く
かといって、おいらは日本人やなくてフランス人の感覚に近いんやん!
などと思うことはありませんが
んー、たとえば日本ではなくてフランスに住んでたら
もっと気が楽(何に対してだか)だったのか、と思わなくもなくて、
いや、でも、結局は、変わらない(変えるつもりもきっとない)現状が横たわるだけで。

これが書かれたのが今から少し前なので、内容的には
いやー、今は結構、こういうことしてる人、多いよ?
みたいなこともあります。それだけ日本人の生活も変化してきたんでしょう。
それを吉ととるか凶ととるかは置いといても、変化することは必要だろうと。
ちゅーかさ、変化するべくしてしてきたわけだろうしさ。
何も不便になるように変わるわけはなくて。

とか書きながら、んー、どうなんだろうな、
やっぱり日本には日本の風土っちゅーもんがあって、やね、
そこに無理矢理おフランスな事を持ってきても、そら無理!
なんやけども、利用したいところはすればええやん?みたいなね。
…結局どやねん!(爆)
ま、日常生活にちょっとした風を入れることは、できる、かもしれない。
ちなみに、ここに書かれている料理の話(ざっくり言えば、週末に買い物に行って、週末の半日か一日かけてそれを完成一歩手前まで調理して、冷凍庫に保存しておけば、日々の献立に困りません、みたいな話)と同じような話を、少なくとも20年以上前に読みました。
「聡明な女は料理がうまい」桐島洋子/文春文庫 にて。
こと、料理や台所まわりに関しては、こっちの本の方がおいらは断然好みだなあ。

「グラスホッパー」

2007年10月25日 00時50分57秒 | ほぼ、文庫本
グラスホッパー/伊坂幸太郎/角川文庫

数回に渡る挫折の後に、ようやく本日読了。
自分としちゃ「拍手!」なイキオイだ。ほんとに。
諦めずによく読んだ、オレ!!
とはいえ、今回もまた、挫折する危険性は高かった。
でも、今日の夜、なんか、ほんとに「とり憑かれた」ように読んだよ。
昨日、今日の通勤の片道分で、いつも挫折するあたりで止まって
ああ、またか…という気がしないでもなかった。
どこか、というと、「鈴木」が「押し屋」を尾行して彼の家に入り、
家庭教師の営業(兼家庭教師)だとか苦しい嘘を並べ、その家の子供と
サッカーをすることになって、二人でイキイキとサッカーをするあたり。
…て、これを読んだからって、誰かの読書欲を湧かせることはないだろうな。
なんでこのあたりで挫折するかって、とにかく読んでてしんどい。
伊坂幸太郎の、少なくともおいらが読んだ作品には必ずあった
微笑ましいところが、ない。見当たらない。それどころか、陰鬱な、
嫌悪感すら漂うような、なんかもうとにかく、暗い。重い。救いがない。
蝉は頭悪そうでうるさいし、その上司である…あ、名前が出てこない、宮西だったっけな、は
口ばっかりで一人じゃなんにも出来ない癖に偉そう度合いは一人前(より上)だし、
鈴木は鈴木で根性座ってなさそうで、ふらふらなよなよしていて、
後ろから頭はたいてやろうかと何回思ったか分からないくらい頼りないし、
その上司かな、でもある、二十代の女、は口調がまず偉そうでキツくて
生理的に真っ先に遠ざかりたいタイプだし、
数少ない救いは、鯨。大柄だし、やってることは蝉と変わらないけれども
手の下し方が直接的でない、という点でちょっと暗さがマシに…感じられるし(もちろん錯覚です)
槿(と書いてあさがおと読ませるらしいが、これ、朝顔って変換しても出なかった。
当然、むくげと書いたらとっとと変換した。)は一番後から出てくるだけに
正体不明度が割高、なんだけど、分からないてことは怖さもあんまり分からないわけで。
とかなんとか、色々書いてみましたが、とにかく本書は後半に入らないとダメです。
ちょうど本の厚さの半分くらいのところで、いつも挫折する。
今日、そこを初めて越えてみてようやく分かった。その先にこそ、
伊坂幸太郎の本らしさ、があるんだな、ということが。
槿の謎解きが一番面白かったな。ていうか、それがあるから最後まで読めたんだな。

最後まで読んで、ようやく「一縷の望み」というものが見え、
たような気がするけど、
もう、多分、二度と読まない。
しんどかったー!

「ぼんくら」

2007年10月23日 23時22分58秒 | ほぼ、文庫本
ぼんくら/宮部みゆき/講談社

前半の半分(全体の四分の一)くらいは短編。宮部みゆき時代劇ワールド全開、の
ちゃかちゃかっと読ませる逸品揃い。
で、残り四分の三を使って「長い影」という長編になっていく。
てことで、前の短編はこの長編への伏線、ネタフリ。
時代物で、下町物で、捕物で、登場人物それぞれにキャラがあって、好き
なんだけど、ちょっと勝手が違う。
宮部みゆきの絶品時代劇、だと思って読むと、いやいやどうして、
たっぷり謎解きや人間監察や、なんやかんやがてんこもりの推理物。
いつもの短編のつもりで読んで、どんどん、すっとばしてしまう。
だってほら、宮部みゆきの時代劇短編モノって、
テンポよくカンカーン(擬音が変だな)、と読めるのがいいでしょ。
というわけで、前に読んだ時もそうだけど、同じ失敗をまた繰り返し、
何回か戻って読んでましたよ、とほほ。
でもやはり、読み応え度は抜群。
話の展開上、諸手を上げて万々歳、みたいな終わり方ではないけれど
それぞれにまあ、どうにかこうにか、落ち着くところに落ち着いて
腑に落ちないところもありつつ、それでもなんとか
前を向いて生きていくんだな、みたいな光がうっすら差している
みたいな終わり。その切なさがまた、いいよな。

構成上、ドラマにはしにくいだろうけど
もし、するなら、主人公の井筒平四郎(定町回り・臨時回り)は
かの「いねむり紋蔵」を好演した、舘ひろしでお願いしたく。是非。

「実践!恋愛倶楽部」

2007年10月02日 01時03分42秒 | ほぼ、文庫本
実践!恋愛倶楽部/一条ゆかり/集英社文庫

表紙イラストと著者名でお分かりでしょうか。
漫画家の一条ゆかりの本です。
一条ゆかり、知ってるよね?
そう、今期、何をどうまかり間違ったのか、かの「有閑倶楽部」が実写ドラマ化しちゃうっていう、由々しき事態になっちゃってあわわ!とおいらが思ってる、少女漫画界の美空ひばりといっても過言ではない人。
中身ですか?
恋愛指南書です(ちゅどーん)(まんまやん!)(そう、そのまんま!)。
んでもまあ、単に恋のかけひきのしかた、とか、上手な誘い方、誘われ方とか、そんな安直な方法が書いてあるわけはなくて、もっとなんだろな、生き方指南にも通じる。
んー、おいらは現時点で、ミーハー丸出しでひゃーひゃー騒ぐような人はいるけど、恋愛にはまったく食指が動きません。
が、ま、本書を読むと、元気になるな、うん。

「もひとつ ま・く・ら」

2007年10月01日 12時13分31秒 | ほぼ、文庫本
もひとつ ま・く・ら/柳家小三治/講談社文庫

前作(「ま・く・ら」)が面白かったので、これはタイトル買いではなくて、読もうという腹積もりで買いましたとも。
なにしろ「マクラ」なもんですから、内容については割愛します。
興味のある方はどうぞ、買うなり図書館で借りるなりして読まれればよろしいかと。
あとがきにもあったけど、本書を読むときの注意点が一つ。師匠曰く
「どうぞ、あたしの話す速さでもって読んでください」
と。
んーもー、こういうところからして心憎い、ハートを鷲掴み、とはまた違う、なんてのかな、ハートの裾の折り返しをまつり縫い、みたいな…うわ、下手なたとえだなオイ。でもそう、おおっぴらにがしがしっ、ではなくて、見えないようなところをチョイ、ていう。
前作とともに、何度か通勤のお供になっている本です。