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冬の小鳥

2010-11-10 18:08:24 | Weblog
岩波ホールへ見に行ってきました。
この作品の監督自身も彼女が9歳の時に、韓国の養護施設からフランス人の里親に引き取られた韓国人です。自分の体験にもとずいて描かれているだけに心にひしひしと迫ってくる物がありました。

時は1975年のソウル郊外の養護施設。
大好きな父親に新しい服や靴を買ってもらい、美味しい食事を共にし、焼酎までちょっと飲ませてもらって、向かった先がこの養護施設。シスターに中を案内してもらっているうちに、父親は彼女から去っていってしまいます。
主人公の少女9歳のジニは、愛する父親がいつか迎えに来てくれるはずと信じ、周りの全てを受け入れずにひたすら父を待ち続けます。
食事も食べず、仲間とも話さずただひたすら待つのです。
そうこうしているうちに、唯一心を許せる年上の友人スッキと仲良くなります。
ある日二人は傷ついてうずくまっている小鳥を見つけ、こっそり二人でご飯粒を与えたりして介抱しますが、亡くなってしまいます。
二人は土を掘って埋めてあげます。
このスッキは明るく自分の運命を前向きに捉えている少女で、いつか外国人の養女になることを願っているのでした。
一緒に行こうと誘うスッキに、ジニは必ず父親が迎えに来ると信じて待つと言うのです。
スッキはアメリカ人の夫婦の養女として去っていきます。
もと住んでいた住所に、自分の父親がいないと施設長から告げられ絶望したジニは、小鳥を埋めた土を掘り返して、自分がその中に横たわり死のうとしますが死にきれないのでした。
やっと養子縁組に心を開き、フランスで待つ夫婦のもとへ一人旅立ち、空港で待つ養父母と思われる夫婦と、ジニの顔が写し出されてこの映画は終わっています。
フランスへ向かう飛行機の座席に寄りかかって眠るジニ。その座席の生地が、父親に自転車の後に確りと寄りかかって乗せられ、施設に来た時の父親の背広の生地と重なって映し出されます。
このシーンでは思わず涙が溢れ出ました。
とても感動したいい映画でした。