昨日夕方、姑から祖母の訃報を聞いた。
姑の実母、アッパ君の母方の祖母にあたる。
今日の夕方から、お通夜へ行った。
私は、祖母を嫁に来てから入院するまでの数年間しか知らない。
姑は、6人兄弟の2番目で、長女だ。
その長女が産んだ長男であるアッパ君を、とてもかわいがっていたという。
だから、嫁に来た当時は、「ソンブ(孫婦)」と呼び、大事にしてくれた。
数年後、祖母は入院し、他の親族が見舞いに来ることを頑なに拒んだ。
それでも会いたいと、家族で見舞いに行った去年の夏、祖母は私を見て、
「お姉ちゃん、そこ座り。」
と、言った。
もう、私のことを「ソンブ」と呼んでくれた祖母の面影は、なかった。
私だけではない。
もう、姑の顔しか分からなかったのだ。
あの日の帰り道も、アッパ君は落ち込んでいたっけ。
お坊さんのお経を聞きながら、アッパ君から聞いた昔話を思い出していた。
夏休みになったと同時に、祖母の家へ行ったこと。
毎日、近所の友達とプールで泳ぎ、帰り道にスーパーでアイスクリームを買ったこと。
家に戻ると、暗くなるまで野球。
祖母のおいしいごはん。
通夜が終わり、祖母の眠った棺が開けられた。
みんな、ご飯を食べる為移動し始めていた。
アッパ君は、最後まで動かなかった。
私と子ども達も、無言で座っていた。
「アッパ、お顔見てあげないと。」
アッパ君は、よろよろと立ち上がり、「みんなで行こう」と、息子の手を引いた。
私は、娘の手を引き、アッパ君に続いた。
「あかん、オレ、見られへん…」
そうつぶやいたが、祖母の顔を眺め、次の瞬間、堪えきれず嗚咽をあげた。
子ども達は、ビックリして、きょとんとしていた。
私は、このままいても良いのか、少し迷ったが、子ども達の手を引き、先にその場を離れた。
私と子ども達が初めて見た、アッパ君の涙だった。
移動して、いとこたちと酒を飲むアッパ君は、いつものアッパ君だった。
つもる話もあるだろうし、子ども達を寝かせる為、私は一足先に帰った。
帰り道、子ども達は素直に感想を述べた。
「アッパ、すごい泣いてたなぁ」
「あんたたちのハンメ(祖母)が、すごいかわいがってくれてるように、アッパも、あのおばぁちゃんにかわいがってもらってたんだよ。そのおばぁちゃんと、最後のお別れをしていたんだよ。」
「もう、誰も死なんとってほしい。」
息子が泣き出した。
娘は、「わたし、ちゃんとさようならって言ったよ」と、つぶやいた。
私も、子ども達も、今夜のアッパ君の涙を、決して忘れないだろう。
姑の実母、アッパ君の母方の祖母にあたる。
今日の夕方から、お通夜へ行った。
私は、祖母を嫁に来てから入院するまでの数年間しか知らない。
姑は、6人兄弟の2番目で、長女だ。
その長女が産んだ長男であるアッパ君を、とてもかわいがっていたという。
だから、嫁に来た当時は、「ソンブ(孫婦)」と呼び、大事にしてくれた。
数年後、祖母は入院し、他の親族が見舞いに来ることを頑なに拒んだ。
それでも会いたいと、家族で見舞いに行った去年の夏、祖母は私を見て、
「お姉ちゃん、そこ座り。」
と、言った。
もう、私のことを「ソンブ」と呼んでくれた祖母の面影は、なかった。
私だけではない。
もう、姑の顔しか分からなかったのだ。
あの日の帰り道も、アッパ君は落ち込んでいたっけ。
お坊さんのお経を聞きながら、アッパ君から聞いた昔話を思い出していた。
夏休みになったと同時に、祖母の家へ行ったこと。
毎日、近所の友達とプールで泳ぎ、帰り道にスーパーでアイスクリームを買ったこと。
家に戻ると、暗くなるまで野球。
祖母のおいしいごはん。
通夜が終わり、祖母の眠った棺が開けられた。
みんな、ご飯を食べる為移動し始めていた。
アッパ君は、最後まで動かなかった。
私と子ども達も、無言で座っていた。
「アッパ、お顔見てあげないと。」
アッパ君は、よろよろと立ち上がり、「みんなで行こう」と、息子の手を引いた。
私は、娘の手を引き、アッパ君に続いた。
「あかん、オレ、見られへん…」
そうつぶやいたが、祖母の顔を眺め、次の瞬間、堪えきれず嗚咽をあげた。
子ども達は、ビックリして、きょとんとしていた。
私は、このままいても良いのか、少し迷ったが、子ども達の手を引き、先にその場を離れた。
私と子ども達が初めて見た、アッパ君の涙だった。
移動して、いとこたちと酒を飲むアッパ君は、いつものアッパ君だった。
つもる話もあるだろうし、子ども達を寝かせる為、私は一足先に帰った。
帰り道、子ども達は素直に感想を述べた。
「アッパ、すごい泣いてたなぁ」
「あんたたちのハンメ(祖母)が、すごいかわいがってくれてるように、アッパも、あのおばぁちゃんにかわいがってもらってたんだよ。そのおばぁちゃんと、最後のお別れをしていたんだよ。」
「もう、誰も死なんとってほしい。」
息子が泣き出した。
娘は、「わたし、ちゃんとさようならって言ったよ」と、つぶやいた。
私も、子ども達も、今夜のアッパ君の涙を、決して忘れないだろう。
父の涙。それは子供にとってどんなふうに映るのでしょうか。 けろろさんのお子さんは偉いですね。
息子さんは心の優しい大人に育ってくれるでしょうね。娘さんも優しく、人を思いやれる大人に。
私も祖母を亡くした日の事を思い出し泣いちゃいました。
あれ以来子ども達は誰も触れないですが、確かに何かを学んだと思います。
私も、おばあちゃんにいっぱい「ありがとう」を言って、お別れしてきました。