見たぁいっっ!!

私が勤める職場は、3軒連なっている建物の真ん中にあり、両隣とはうっすーい壁1枚で繋がっています。

なので、向こう側の声が、ほぼ丸聞こえ状態

特に、向かって右側の某乳酸菌飲料販売店のパートさんたちのうるさいことと言ったら

とは言え、某乳酸菌飲料を配達するのがお仕事の方たちなので、事務所にいるのは朝と昼過ぎ。（私達は『働きバチ』と呼んでいます）

でも、向こうの声が聞こえる、と言うことは、当然こちらの声も筒抜け、というわけで…

だてに「はやしや」というあだ名を付けられている訳ではない私の笑い声は、それこそ向こう側でどう噂されているか分かったもんじゃぁありません





ところが、です。

その某乳酸菌飲料販売店の『働きバチ』の中でも、際立って聞こえるある人の声に、私達の視線、いや耳はくぎ付けなのであります



子どもなのか大人なのかよく分からない、甘ったる～い声。

よく言えば、「アニメ声」で、聞けば萌える方もいらっしゃいましょうが、黙々と作業しているこちらにしてみれば

イラッ

とします

「一体、どんな顔してんねんやろな」

「こんなぶりっこ（死語）な声出すヤツに限って、絶対ぶ（以下自粛）」



こちらの職場へ移転して以来4カ月あまりたちますが、「声は聞こえど姿は見えず」の日々が続いております



先日、何気なく外を見ると、仕事を終え、帰っていく働きバチが一匹…いや、一人。

を漕いで行くその後ろ姿に、私はギョッとしました

こぉんな帽子をかぶっていたんです





ずぇっっっっったい、あの人やっっっ!!!

私は、確信しました




またある日、あの甘ったる～い声で、ご機嫌だったのか延々口ずさんでいた歌は




おぉっっ


やろうってのか


こちとら高校時代はコーラス部でこの歌だってしょっちゅう歌っとったっちゅーねん


次の日から当然この人の名は「ハイジ」に決定


毎日、一度でいいからお顔を「見たぁいっっ!!」とうずうずしている私達なのであります




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