厚い友情の絆
年開けて、2018年1月。先月開発した究極グッズであるロゴ飛行機が早速売れて、月間55億円の黒字を計上したのだ。
「本当に凄い事ですの。それにしても、こんなに早く飛行機が売れるなんて。これも、ロビンソンさんの経営手腕の賜物ですわ」
女経理部長のジャンヌは興奮している。
「いや、私の力ではない。日本の友人が他の国の友人たちに掛け合ってくれて、皆で50億円を集めて飛行機を買ってくれたんだ。私のクラブを世界一にしたい一心、それだけのためにね」
「まあ、そうですの。美しい友情ですわ。どちらの国の方ですの」
ジャンヌが独特の口調で訊ねる。
「日本の他に、アメリカ、ロシア、中国、ドイツ、スペインだ」
「凄いですわ。世界各国に友人の方がいらっしゃるなんて。これも、ロビンソンさんの人望の厚さですわね」
ジャンヌの独特の口調や態度は変わらずだ。
「ああ、私たちは厚い友情の絆で結ばれている。改めて、そう思ったよ。友たちには感謝している」
ロビンソンの目には、うっすらと涙が浮かんでいた。
「失礼します。お話のところ申し訳ありませんが、オーナー、少しよろしいですか」
後ろから声を掛けたのは、スカウトのロバート・マッコールだった。エドガーやケルガンなど一流の選手を連れてきた優秀なスカウトである。
「おお、ロバート。何かな?」
「ここでは、何ですから。違う場所で」
「分かった。オーナー室に行こうか」
ロビンソンとロバートは、きょとんとしているジャンヌを残して、オーナー室へと向かった。
プレミアディビジョン第19節
グレートブリテン 4-1 ミドルスブラ
(得点) 8分 エドガー(グレートブリテン)PK
16分 アンディ・ジョンソン(グレートブリテン)
36分 チャールズ(グレートブリテン)
67分 エドガー(グレートブリテン)
90分 ニール・ステッド(ミドルスブラ)
リーグ前半が終了し、グレートブリテンは2位以下を大きく引き離して、リーグ4連覇を確実なものにしようとしていた。