【2006-2007年7月】
メインスポンサーに3社が名乗り出る。その中で最もスポンサー料が高いアフリクマップ航空を選ぶのがセオリーだが、カルロスが選んだのは2番目に高い鉄道会社のラサスノリアスで、1億9000万円の条件提示を2億円のカウンターオファーを出し、これを承諾させる。カルロス氏はラサスノリアスを選んだ理由として以下のように述べている。
「契約期間が短く、次は高いスポンサー料を出してくれる企業とメインスポンサー契約が取れるからだ」
カルロス氏が言うことを事実にするには、2年後には少なくとも1部に在籍しており、それなりの成績を残さなければならない。その自信があるのだろうし、彼はもっと高いところを見据えているのかもしれない。
サブスポンサーとして4社と契約した。契約金合計3億2800万円の収入を得る。
年間広告費は1億、チケット料を2000円に設定。クラブ戦略部の見込みは、スタジアムの観客は半分埋まる程度とのことだから、スタジアム最大収容人数8000人であることを考えると1試合4000人前後だ。
だが、カルロス氏が言うには「チームが勝って優勝すれば自ずと観客は増えるから、それくらいで充分だ」とのこと。
世界クラブランクは最下位の441位ではなく、440位と発表される。
カルロス氏はプレシーズンマッチ6試合を組んだ。収入を得るためで、これはセオリーの一つだが、対戦相手を見ると。
第1戦 vs ポリ・エヒド(世界クラブランク292位)
第2戦 vs ロリアン(世界クラブランク240位台)
第3戦 vs ズウォレ
第4戦 vs ギャンガン
第5戦 vs フランクフルト
第6戦 vs アトレティコ・マドリード
1戦ごとに相手の世界クラブランクが高く、最終戦に関してはスペイン1部のチームである。大体は同じくらいのランククラブか何とか勝てそうな相手を選びがちだが、カルロス氏曰く。
「優勝するからには少しでも強い相手と戦う必要がある。その方がチームが強くなるからだ。勿論、全て勝つつもりでやりますよ」
しかし、スペイン3部を苦労して勝ち上がったメンバーには難しい相手ばかりだ。下手をすると選手が自信を無くす可能性も否めない。勿論、カルロス氏にも、それは分かっていることだろう。そんな周囲の反応を察知してか、秘書のレティシアが口を開く。
「カルロスさんは、冷静で強気な方ではありますが、無謀なことはしません。何か考えがあってのことですよ」
こうして、カラオラCFの戦いの前哨戦が始まる。