ダイアモンド氏の一つの答えは北アメリカ大陸から移動してきたイヌイットの人々との抗争に敗北したということと、もう一つはノルマン人の意識に求められるとしています。
彼らはヨーロッパから持ち込んだ牛や豚、羊や山羊などの牧畜を生業としました。牧畜はグリーンランドの脆弱な土壌にダメージを与え、深刻な侵食をもたらしました。さらに気候の寒冷化が追い打ちをかけ次第に食料不足に陥っていたものと思われます。全く不 . . . 本文を読む
グリーンランドへのノルマン人の最初の移住者は赤毛のエイリークという人物で、西暦985年に25隻の船を率いて移住を行ったとされています。そしてグリーンランド南西岸に最初の入植地を建設しました。その後入植者が増加し入植地も東西二ヶ所に分かれ、合計5千人程度の人口を擁していたそうです。彼らはヨーロッパに向けて生きた白熊やセイウチの牙、羊、アザラシ、干しタラなどの産物を輸出し、ヨーロッパからは、船舶の建 . . . 本文を読む
アイスランドは西暦870年頃、グリーンランドは984~5年にヴァイキングとも呼ばれたノルマン人(ノルウェーなど今日の北欧諸国の先祖)が移住しました。アイスランドはその後1100年以上にわたって独自の議会を作るなど歴史を紡いで来ましたが、グリーンランドは1400年代に入植地自体が消滅してしまいます。そして18世紀に再びノルウェー人が上陸するまで、この世界最大の島はヨーロッパでは忘れられてしまいまし . . . 本文を読む
本書では世界各地の過去と現在の様々な文明の比較によって、持続可能な文明とそうでない文明の比較を行っています。その中でも特に興味深かったのはグリーンランドとアイスランドの事例です。
メルカトル式の世界地図で北アメリカ大陸の北西を見ると大きな白い島が見つかります。それがグリーンランドです。世界で最大の島です。実際、一国の面積でも世界で13番目です(現在デンマーク領であるが、1979年に自治政府が発 . . . 本文を読む
図はオーストラリアの地図です。一見して分かるようにシドニーやメルボルンといった大都市は南東部に集中していて、西部や内陸部は閑散としています。北西部沿岸などは北端のダーウィンから南西端に近いパースまで数千キロにわたって大都市が全く存在しません。昔はこれが不思議でした。どうして誰も住まないのだろうと。これだけ広大な土地が余っているというのに・・・。
本書を読了してその理由が分かりました。大人口を支 . . . 本文を読む