博多住吉通信(旧六本松通信)

 ブログ主が2022年12月から居住を始めた福岡市博多区住吉の生活や都市環境をお伝えします。

リン鉱石を食べる

2008年07月16日 | 時事
 私たちが食べているものは石油だけではありません。代替が利かないという意味では石油以上に、枯渇が心配されている「リン鉱石」もそうです。リンは植物の成長に必要な3要素(他に、窒素、カリがある)の一角を占め、化学肥料として大量に使用されています。5月12日にリン鉱石の世界的産地である中国四川省で発生した大地震が原因で、リン鉱石とそれを原料としたリン酸肥料の価格が2倍以上に上がっているそうです。
 おまけに地震による被害に加えて、農業生産の拡大のためにリン酸肥料の安定供給に迫られた中国政府は、先月からリン鉱石とリン酸肥料に100~135%もの関税をかけはじめました。中国は1国でリン鉱石の世界生産量の4分の1近くを占めています。日本はリン資源の多くを中国からの輸入に頼っているのです。アメリカも以前はリン鉱石を輸出していましたが、主要産地のフロリダの産出が減少し、鉱石の形では輸出しなくなっているそうです。
資料出所:http://business.nikkeibp.co.jp/article/manage/20080606/160875/

 有毒餃子や農薬汚染野菜などで、中国産食品が日本では敬遠される傾向が出てきましたが、実は日本の「食」は中国無しでは、国内で生産することも危ういのです。この事実は余り知られていないように私には感じられるのですがいかがでしょうか。
 食糧自給という政策は、中東からの石油の安定供給と中国からのリン資源供給が無ければ絵に描いた餅になってしまうのです。こういうことを書くと、また有機農業を持ち出す人が出てくるでしょうが、先日も書きましたように、それは高コストなものになって野菜も米も今の価格の数倍に上がるでしょう(それではすまないかもしれません)。

 しかし、私が不思議な感じにおそわれるのは、日本の農業が今のような状態になったのは、割と最近のことだということです。(続く)

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