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博多住吉通信(旧六本松通信)

 ブログ主が2022年12月から居住を始めた福岡市博多区住吉の生活や都市環境をお伝えします。

あるような ないような

2013年02月10日 | 読書・映画

 写真は、この正月に実家から発掘してきた、川島武宜著『日本人の法意識』(岩波新書1978年 初版1967年)です。30年以上前の学生時代に購入してそのまま積読状態になっていました。案の定なんでこんな面白い本を30年以上も積読状態にしていたのか後悔しています。60年代にベストセラーになり「川島法学」の名を、「丸山政治学」、「大塚史学」、「宇野経済学」と並べた記念碑的著作ですから、皆さんも一度は読まれたことがあるのではないでしょうか。

 日本では明治22年の旧帝国憲法制定後、10年の間に民法、刑法などの近代法体系が、仏独などの欧米先進国のそれを参考に整備されていきました。これは一大国家事業でしたが、整備を急いだ動機は欧米諸国との間の不平等条約の改正にあり(きちんと法体系が整備されていない国は文明国とみなされないので条約改正も進まないという事情がありました)、当時の日本人の社会意識とは必ずしも整合するものではありませんでした。いや、もしかすると21世紀の今日でも整合し切れていないかもしれないのです。本書を読んで私はそう感じました。

 著者は「伝統的な日本の法意識においては、権利・義務は、あるような・ないようなものとして意識されており、それが明確化され確定的なものとされることは好まれない」(本文p139)と記述しています。

 こういう日本文化は21世紀の今日でも普遍的であるような気がします。それは良いことなのでしょうか、悪いことなのでしょうか。グローバル化の進む国際社会ではこういうメンタリティは種々の競争に克つ上で不利なような気もします。とはいえ些細なことでも訴訟になるような社会も窮屈なような気もします。皆さんはどう思われますか。


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