
(昨日の続き)
38億年以前に、地球、月、金星、火星間で巨大隕石の激突と惑星表面岩石の飛散による、物質のやりとりがそんなに頻繁に生じていたとすれば、重大な疑問に突き当たります。著者のウォード氏の指摘によれば、当時は地球のみならず火星、金星にも生命が誕生していた可能性があり、生命体(微生物レベルではあるにしろ)もまた3惑星間でやりとりがあったのではないかというのです。
現在の金星は地球より太陽に近いことと、大気中の二酸化炭素の温室効果で表面温度が500℃近く、気圧も地球表面の100倍、硫酸の雲が漂う地獄のような世界です。地球型の生命はとても存在できない。火星は地球の100分の1の薄い大気と-100℃以下まで下がる寒さ、強い紫外線などでやはり生命には厳しい環境です。ところが38億年以前であれば、火星は今よりも暖かく、大気も濃く、表面には海があったことが確実視されています。その頃火星で独自の生命が誕生していた可能性がある。金星は今より温室効果が低く涼しくて、やはり海があった可能性があるそうで、金星でも生命が誕生していた可能性があるそうです。金星の場合は、その後、地熱の影響で表面が溶けて化石などの記録が消失した可能性が高いそうです。ですから金星生物の化石が、金星由来隕石に付着して遠い月面に残されている可能性があるのだそうです。
一方火星ではもっと興味深い事態が起きていた可能性があるそうです。NASAの火星研究者らは火星での生命の誕生と進化は地球よりも早かったのではないかと考えているそうです(詳細は本書『生命と非生命のあいだ』をお読み下さい)。そして地球では独自の生命が生まれなかった可能性があるというのです。現在の地球生命は火星で誕生した生命が隕石に乗って地球にやってきたのではないというわけです。私たちは火星人だったのかもしれません。
※写真は現在火星の北極で生命探査を行っているNASA火星着陸無人探査機フェニックスが撮影した8月26日の火星の夜明け NASAの以下のサイトから引用させていただきました。
http://www.nasa.gov/mission_pages/phoenix/main/index.html
38億年以前に、地球、月、金星、火星間で巨大隕石の激突と惑星表面岩石の飛散による、物質のやりとりがそんなに頻繁に生じていたとすれば、重大な疑問に突き当たります。著者のウォード氏の指摘によれば、当時は地球のみならず火星、金星にも生命が誕生していた可能性があり、生命体(微生物レベルではあるにしろ)もまた3惑星間でやりとりがあったのではないかというのです。
現在の金星は地球より太陽に近いことと、大気中の二酸化炭素の温室効果で表面温度が500℃近く、気圧も地球表面の100倍、硫酸の雲が漂う地獄のような世界です。地球型の生命はとても存在できない。火星は地球の100分の1の薄い大気と-100℃以下まで下がる寒さ、強い紫外線などでやはり生命には厳しい環境です。ところが38億年以前であれば、火星は今よりも暖かく、大気も濃く、表面には海があったことが確実視されています。その頃火星で独自の生命が誕生していた可能性がある。金星は今より温室効果が低く涼しくて、やはり海があった可能性があるそうで、金星でも生命が誕生していた可能性があるそうです。金星の場合は、その後、地熱の影響で表面が溶けて化石などの記録が消失した可能性が高いそうです。ですから金星生物の化石が、金星由来隕石に付着して遠い月面に残されている可能性があるのだそうです。
一方火星ではもっと興味深い事態が起きていた可能性があるそうです。NASAの火星研究者らは火星での生命の誕生と進化は地球よりも早かったのではないかと考えているそうです(詳細は本書『生命と非生命のあいだ』をお読み下さい)。そして地球では独自の生命が生まれなかった可能性があるというのです。現在の地球生命は火星で誕生した生命が隕石に乗って地球にやってきたのではないというわけです。私たちは火星人だったのかもしれません。
※写真は現在火星の北極で生命探査を行っているNASA火星着陸無人探査機フェニックスが撮影した8月26日の火星の夜明け NASAの以下のサイトから引用させていただきました。
http://www.nasa.gov/mission_pages/phoenix/main/index.html