特定秘密保護法に関連して、次のような報道がなされていました。
47Newsによる12月7日の報道です。同記事は見出しで「海外経験は漏えいリスク 秘密保護法で内調」と題して、「海外で学んだ経験や働いた経験があると、国家機密を漏らす恐れが高まる―。10日施行の特定秘密保護法の制定過程で、同法を所管する内閣情報調査室(内調)がこうした考えを関係省庁に示し、学歴や職歴の調査が必要と強調していたことが7日、共同通信の情報公開請求で開示された政府文書で分かった。文書は内調が2011年11月、内閣法制局との会合で示したメモ。海外の学校や国内の外国人学校で教育を受けた経験、外国企業での勤務経験も挙げ「外国への特別な感情を醸成させる契機となる」「外国から働き掛けを受け、感化されやすい。秘密を自発的に漏えいする恐れが存在する」としている」と報じています。
ソースです⇒http://www.47news.jp/CN/201412/CN2014120701001439.html
グローバル化に対応するために若手に海外経験を付けさせろと文部科学省は国内大学等にはっぱをかけています。しかし、海外経験を持つ人材は昨日からスパイ扱いされることになった訳です。全くすごい話ですね。これまでノーベル賞を受賞した日本人科学者で海外留学経験や海外勤務経験のあった受賞者は大勢います。このたびノーベル賞を受賞した中村修治氏はフロリダ大学に留学されていますが、やっぱりスパイの疑いをかけられるのでしょうか。グローバル化といいつつ政府の本音はこんなところなのでしょう。
旧ソ連の独裁者スターリンは、1930年代に大粛清を行い、数百万人とも推定されるソ連国民を死に追いやりました。彼の猜疑心の対象となったのは外国との接触のある(あった)者でした。外交関係者、貿易関係者、各国共産党の駐在員、ドイツと軍事交流を行った赤軍関係者、諜報関係者、ソ連に帰国した東清鉄道従業員(帝政ロシアが建設した旧満州の鉄路、1935年に日本に売却された)、こうした人々がしらみつぶしに血祭りに挙げられたのでした。西ヨーロッパで諜報活動を行っていたOGPU諜報員ヴァルター・クリヴィツキーは確実な死の待っているソ連への帰国命令を拒否し西側へ亡命しましたが、1941年にアメリカ国内で謎の死を遂げました(一応自殺したことになっている)。上の写真はこうした当時の事情が綴られたクリヴィツキーの著書です(『スターリン時代』みすず書房)。どうして現政権はこうもスターリン時代のソ連のような国に日本をしたいのでしょう。いや真剣に考えて投票しないといけませんね。