博多住吉通信(旧六本松通信)

 ブログ主が2022年12月から居住を始めた福岡市博多区住吉の生活や都市環境をお伝えします。

第十二条

2014年12月10日 | 海外

 今日12月10日、特定秘密保護法が施行されました。皆さんは同法の条文をお読みになったことはありますか?

同法の第十二条には、特定秘密を扱う公務員並びに政府調達の契約事業者は、所属機関の長が「適正評価」を行うと規定されています。ちょっと長いのですが同法の第十二条を以下に引用します。

第十二条
2 適性評価は、適性評価の対象となる者(以下「評価対象者」という。)について、次に掲げる事項についての調査を行い、その結果に基づき実施するものとする。
一 特定有害活動(公になっていない情報のうちその漏えいが我が国の安全保障に支障を与えるおそれがあるものを取得するための活動、核兵器、軍用の化学製剤若しくは細菌製剤若しくはこれらの散布のための装置若しくはこれらを運搬することができるロケット若しくは無人航空機又はこれらの開発、製造、使用若しくは貯蔵のために用いられるおそれが特に大きいと認められる物を輸出し、又は輸入するための活動その他の活動であって、外国の利益を図る目的で行われ、かつ、我が国及び国民の安全を著しく害し、又は害するおそれのあるものをいう。別表第三号において同じ。)及びテロリズム(政治上その他の主義主張に基づき、国家若しくは他人にこれを強要し、又は社会に不安若しくは恐怖を与える目的で人を殺傷し、又は重要な施設その他の物を破壊するための活動をいう。同表第四号において同じ。)との関係に関する事項(評価対象者の家族(配偶者(婚姻の届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にある者を含む。以下この号において同じ。)、父母、子及び兄弟姉妹並びにこれらの者以外の配偶者の父母及び子をいう。以下この号において同じ。)及び同居人(家族を除く。)の氏名、生年月日、国籍(過去に有していた国籍を含む。)及び住所を含む。)
二 犯罪及び懲戒の経歴に関する事項
三 情報の取扱いに係る非違の経歴に関する事項
四 薬物の濫用及び影響に関する事項
五 精神疾患に関する事項
六 飲酒についての節度に関する事項
七 信用状態その他の経済的な状況に関する事項

引用元:http://www.cas.go.jp/jp/tokuteihimitsu/pdf/bessi_kaisetsu.pdf

 一の「特定有害活動に携わったことがある、関係したことがある、家族・同居人で同様の疑いがあるもの」を「適正評価」の対象にするとあります。

 もちろん現状でも「日本国憲法とその下の体制」を破壊転覆を行う活動や団体に属した・関係した人物は国家公務員にはなれません。採用の際には非公式に身元調査もしてきたことでしょう。しかし、こうして法律の条文となって大々的に実施すると宣言されると、さすがに衝撃的です。二から七の項目もこれまた人権侵害そのものです。恐ろしいのは「特定有害活動」の定義を政府当局者が恣意的に決めることができるという点です。昨年11月に国会周辺での秘密保護法反対のデモに対して、当時の石破自民党幹事長が「テロ行為」と断じたことは記憶に新しい所です。石破氏ご本人に悪意が無くても、他の当局者が、それを「実行しようと思えばできる」という可能性が開かれてしまったのです。また、この法律は公務員と政府調達の契約業者に適用されるとなっていますが、家族や同居人も調査対象になるという時点で、どんどん拡大解釈がなされていく可能性があります。

 このように危険な法律が作られ、本日施行されたのですが、それを作って施行する政権が今週末に総選挙で信を問おうとしています。私たち国民は選挙にあたってこのことの是非を良く考える必要があるのではないでしょうか。少なくとも私はこのような法律を施行する政府を絶対に信任はしません。


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