博多住吉通信(旧六本松通信)

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キリル文字の父たち

2014年08月22日 | 海外

 上の写真は過日ご紹介したお土産屋の近くにあるロシア正教の聖職者のキリル・キュリロスとキリル・メトディオスの兄弟です。西暦800年代の人々です。この兄弟は現在のスラブ圏(ロシア、ウクライナなど旧ソ連とブルガリア、セルビアなど旧ユーゴ圏、モンゴルなど)で使用されているアルファベット「キリル文字」をギリシャ文字を土台に発明した人々して知られています(実際には現在のキリル文字の先代の文字を作ったということが正確なようです)。キリル文字は多くの日本人にとって妙に変形したアルファベットに見えるでしょう。

 例えばソビエト連邦の略語として、CCCPという綴りを見かけることがあります。これはキリル文字なので、発音は「エス・エス・エス・エル」と発音します。キリル文字ではCはエス、Pはエルと発音します。たまたま文字の形が英語のアルファベット(ラテン文字)のシーとピーと同じなのです。フルにソビエト社会主義共和国連邦と綴るとСою́з Сове́тских Социалисти́ческих Респу́бликとなります。発音するとサユーズ(連邦)・ソヴェトスキー(評議会)・ソシャリスチスキ(社会主義)・レプブリク(共和国)という感じです。英語の表記ですと Union of Soviet Socialist Republicsとなります。ですから英語の略称はCCCPではなくUSSRと表記しなくてはいけません

 ちなみにСою́зは、日本ではよくソユーズと表記され、ロシアの3人乗り有人宇宙船の名前として有名です。厳密にはサユーズは同盟(対等な国家間の)と訳すべきという方もいます。1950年代の国民文庫などのマルクス主義文献でソ連をソ同盟と表記する例があるのはそのためです。


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