博多住吉通信(旧六本松通信)

 ブログ主が2022年12月から居住を始めた福岡市博多区住吉の生活や都市環境をお伝えします。

学校と社会

2013年06月18日 | 読書・映画

写真は米国の哲学者、教育学者のジョン・デューイ(1856年~1952年)が1899年に著した代表的著作『学校と社会』です。

 私が小学校5年~6年の時に家庭科の授業がありました。母校の小学校の家庭科室の調理台で、ホウレンソウのソテー、目玉焼き、フレンチドレッシングなどを作ったことを覚えています。裁縫の授業もありました。私は手先が不器用でまつり縫いがどうもきれいに縫い目が作れないことにいらいらした記憶が今でも残っています。中学に進級すると今度は技術科の授業がありました。黄銅鉱を旋盤で削ってドライバーの握る部分を作る実習が面白くて、つい黄銅鉱を削りすぎて先端を差し込む筒の部分が細くなりすぎた経験があります。

 当時は何故に自分がこんなことをするのか、さっぱり理解できなかったことを今でもよく覚えています。『学校と社会』を読んで、改めて40年以上前の授業の意味を良く噛みしめることができました。同書の本文33頁(第1章)に次のような文章があるので引用します。「男の子たちにボタンを縫いつけたり、着物を繕ったりする準備を与えるという見地から見るなら、我々は狭い効率的な考え方に立つことになり、それでは学校におけるこの種の作業に高い地位を与えるわけにはいかなくなるだろう。しかしながら、もし我々がこれを他のひとつの側面から見るならば、この種の作業は子どもが歴史における人類の進歩の跡をたどる出発点となり、同時にまた子どもはそこから、使用される材料および必要とされる機械的原理に対する洞察をも得るに至ることを見いだす」と書かれていました。「人類の進歩を個人として跡付ける」何とも痺れるような含蓄のある文章ではありませんか。

下の写真は原著の表紙です。 


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