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羽花山人日記

徒然なるままに

憲法

2021-05-03 17:58:02 | 日記

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憲法記念日である。

中学1年生の時,『あたらしい憲法のはなし』という,文部省編纂の小冊子が教科書として配られた。(ちなみにわたしは新制中学第2回の入学生である。) 戦争放棄,主権在民,基本的人権,三権分立,これらの言葉と意味するところを知って,目から鱗が落ちる思いがした。戦時中わたしの中にあった軍国主義の抜けた空隙を,この教材は民主主義で満たしてくれた。ある意味で,新憲法は少年期からのわたしの原点である。

憲法は,宗教における聖(正)典とは異なり,修正可能である。自分の生活にとって差し障りがあれば変えることを考えてもいい。憲法について考え,議論することは大いに結構なことである。しかし,その前提には憲法の意義や内容をよく理解することが必要である。世論調査によれば護憲,改憲それぞれに賛成する人の過半数,あるいは7割近くが日ごろ真面目に憲法のことは考えていないという。ムードに流されることは危険である。

現行憲法は,わたしにとって不都合なところはなく,変える必要はない。護憲・改憲の分水嶺が9条にあることは承知している。わたしは,憲法の前文にあるように,現行憲法は戦争放棄から出発していると思う。憲法制定当時の戦後世代にとって,2度と戦争はしたくないというのは,大多数に共通する思いではなかったろうか。9条は日本が暴走しないための歯止めである。日本が世界第8位の軍備費を持つまでに至った現在,それをどうするかの議論はこの歯止めの中で行わなければならない。

わたしにとって,憲法9条は次世代,次々世代への遺言である。

コメント (3)
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