スプラウト 会計のはなし、日々のはなし

名古屋市千種区の税理士法人スプラウトの税理士/社労士/CFP®が綴る日々の様々なこと。

利益と回転

2009-10-02 17:37:05 | Weblog
「利益/総資本 =総資本利益率」

会社の経営は
集めたお金(総資本)を使って
利益をあげるのが目的です。

総資本利益率は
総資本を使って
どれだけの利益が上げられたか
という指標で
その会社の経営効率がわかります。

同じ100万円の利益をあげるのに
1億円使っている会社と
1千万円しか使っていない会社では
どちらの経営効率がいいでしょうか?

もちろん
少ない1千万円の元手で100万円の利益を上げている
方ですよね。

この総資本利益率は

利益/総資本  の分数式の

分母、分子に売上を入れ込んで

売上利益率(利益/売上)×総資本回転率(売上/総資本)

という算式に分解することもできます。

このように分解することで

「売上利益率」
「総資本回転率」

の2つが
経営効率のカギを握っていることがわかります。

「売上利益率」は
売上のうち何%が
利益として残るのかを表したもの。

「総資本回転率」は
投下したお金(総資本)が
何回売上として回収できたのかを表したもの。


例えば
A社とB社という2つの会社があります。

A社の売上利益率は4%、B社は2%です。

ここまでだと
A社の方が優れているように見えます。

でも総資本回転率は
A社が0.5回転、B社が1.5回転だとすると

総資本利益率はどうなるでしょうか?

A社 売上利益率4%×総資本回転率0.5回=総資本利益率2%
B社 売上利益率2%×総資本回転率1.5回=総資本利益率3%

売上利益率の低いB社のほうが
総資本利益率はよくなりました。

つまり

B社は売上利益率でA社より劣るが

投下したお金を
A社よりもたくさん回転させているので

結果として
A社よりもよい経営効率になりました。


B社のようなやり方をしているのが
薄利多売型の安売りスーパーやディスカウントショップです。

A社のような
売上利益率は高いが
回転率が低いのが百貨店とすると

薄利多売型の
安売りスーパーやディスカウントショップは

安くすることで
売上利益率は低下するが
その分たくさん売ることで
総資本回転率をよくする戦略をとっています。

経営効率は
「利益率」だけでなく
「お金の回転」も重要だということですね。



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