スプラウト 会計のはなし、日々のはなし

名古屋市千種区の税理士法人スプラウトの税理士/社労士/CFP®が綴る日々の様々なこと。

社長が仕事中にケガをしたら・・・

2012-01-30 19:09:29 | Weblog
先々週の土曜日は
社労士会の業務基礎研修2回目でした。

「健康保険」と「労災保険」が
テーマだったのですが

研修の中で
「法人の代表者と健康保険の保険給付について」
という話がありました。


まず基本的な話として
業務中の負傷・疾病については「労災保険」、
業務外の負傷・疾病については「健康保険」が
それぞれ適用されます。

ただ「労災保険」は
労働者の業務中の負傷・疾病について
保険給付を行うものなので

労働者ではない
会社の社長などには適用されません。


したがって
社長が業務中にケガをしても
労災保険の保険給付はされませんし

業務中のケガについては
健康保険を使うこともできません。

つまり保険が全くない状態に
なってしまうのです。

これでは
実際困るので

平成15年に

「被保険者が5人未満の法人の代表者であって
一般の従業員と著しく異ならない仕事をしている人に
ついては業務上のケガ等についても健康保険の対象とする」

という内容の通知が出されています。


これにより
被保険者5人未満(未満なので4人までです)
の会社の社長は
業務上のケガの場合でも
病院の窓口に健康保険証を出して
健康保険による治療を受けることが
できるわけです。

ただし
健康保険の保険給付のうち
「傷病手当金※」の
支給はされませんので
ご注意ください。


※傷病手当金とは
続けて4日以上仕事を休んで
給料が貰えないような場合に
その間の所得補償として
標準報酬(簡単に言うと給料です)の3分の2
のお金が支給される制度のことです。




では
被保険者が5人以上の会社の
社長が業務中にケガをしたら
どうしたらよいのでしょうか?

この場合は
労災保険に「特別加入」
するという形をとります。


前述したとおり
労災保険は「労働者」でないと
加入できないのが原則ですが

一定の条件を満たせば
社長でも労災保険に
「特別」に「加入」することが
認められます。


この一定の条件とは下記のとおりです。

1.規模の要件
  労働者数が常時300人以下
  (卸売業又はサービス業は100人以下、
  金融業・保険業・不動産業・小売業は50人以下)

2.手続きの要件
  労働保険の事務処理を「労働保険事務組合」に委託すること。


「労働保険事務組合」というのは
労働保険の事務処理を行うための
都道府県労働局長の認可を得た団体です。

商工会議所などがやっていたり
業界の団体がやっていたり
社労士が集まってやっている団体もあります。


「特別加入」のメリットとしては他に

1.労働保険の保険料が金額に関わらず3回に分割できる。

2.事務組合に労働保険の事務を代行してもらえる。

3.所得補償の保険給付がある(加入時に決めた給料の8割)



中小企業の社長は
プレイングマネージャーというか

現場の仕事をこなしながら
経営されている方がほとんどです。


業種にもよると思いますが
仕事中にケガをするリスクの高い方は
是非「特別加入」すべきです。
(保険料の割に保険給付が手厚いのでオススメです)


特別加入に興味がある方は
スプラウト社会保険労務士事務所まで
ご相談ください。




かばん屋の相続

2012-01-23 11:11:44 | Weblog
池井戸潤氏の
かばん屋の相続」を読みました。

WOWWOWのドラマで
空飛ぶタイヤ」や「下町ロケット
を見て、池井戸氏の名前を知り

先日本屋さんで
「かばん屋の相続」という
タイトルに惹かれて
買ってしまいました。

なぜタイトルに惹かれたかというと

タイトルを見た瞬間に
京都の一澤帆布における
兄弟間の相続をめぐる争い
を思い浮かべたからです。


一澤帆布の相続の争いとは・・・

前会長である父が亡くなった後
遺言により
家業を手伝っていた三男に
会社の株のほとんどを相続させる
ことになったが

その数カ月後
当時銀行に勤めていた長男が
自分が受け取った遺言書の存在を主張。

長男の遺言書によると
会社の株は長男がおおむね
相続する内容になっていた。

法律上は
新しい遺言の方が有効になるため
一度は長男の遺言書が
有効ということで一旦決着した。

ちなみに職人たち
は三男を支持して
「一澤信三郎帆布」という
別会社で営業します。


その後
三男の妻が
遺言書の無効を訴える
裁判を起こし、

地裁では敗訴しましたが
高裁、最高裁ともに
「長男の遺言書は無効」
との判決を下し、一応決着。


最初の遺言書は
顧問弁護士に預けられており
巻紙に毛筆で書かれ
実印が押してあったのに対し

長男が持っていた
第2の遺言書は
ボールペンで書かれ
認印が押してあるだけのものでした。

法律上は
遺言の形式は特に効力とは
関係ないのですが

重要な書類であるにも
関わらず
認印が使われていた点などが
不自然だと判断されたようです。



小説を読んでみると
やはり
その出来事をモチーフにした
物語でした。
(フィクションなので
 もちろん内容は事実と異なりますが)


この本は
短編集で
いくつか話がのっているのですが

著者の池井戸氏が
銀行出身ということもあり

どれも銀行や
銀行とかかわりのある中小企業が
舞台になった話です。

必ずしも
ハッピーエンドに解決しているわけでは
ないところが
またリアルなんですが・・・。


タイトルになっている
「かばん屋の相続」のほかに

「十年目のクリスマス」
・・・十年前に担当していたある中小企業
   が多額の負債をかかえ倒産した。
   十年後のクリスマスの日にその会社の社長が
   偶然高級店で買い物する姿を見かける。
   社長はどうやって復活したのか?
   
「セールストーク」
・・・追加融資が断られ倒産がほぼ確実と
   思われたある中小企業に、起死回生の
   5千万円の入金があった。
   融資が受けられるはずのないこの会社が
   どうやって5千万円も調達したのか?

など、謎の多い展開で
読んでいて夢中になってしまいますし

銀行の側の論理が少し分かるのも
税理士として参考になるところです。

ちなみに
池井戸氏の本は
シャイロックの子供たち
も面白かったです。


税理士 名古屋/税理士法人スプラウト


労働法の専門家

2012-01-16 11:34:25 | Weblog
先週の土曜日に
社労士会の業務基礎専門コース研修を
受講してきました。

今回は
全部で3回あるうちの1回目で

名古屋駅のウィンクあいちが
会場でした。


午前9時半スタートで
午後5時ごろまでの
長時間の研修で

こんなに長い研修は
一昨年
登録の前に受けた
事務指定講習以来です。


午前中は
愛知県社労士会の会長である
鬼頭先生から
社労士の倫理に関する話と

続けて
私が属する名古屋東支部の
支部長である高木先生から
社労士事務所の開業に関する話を
していただきました。

高木先生の話は
ご自身が社労士の資格を取った後
開業した経験談を
カッコつけることなく
本音でお話していただき
同じ開業社労士として
大変参考になりました。



午後からは
社労士の宮田先生から
「労働基準法と就業規則の実務」という
テーマで労働法に関する
法律や判例等の考え方の講義でした。

宮田先生の講義は
実務家にしては
大変アカデミックだったというか

労働法を相当勉強されているなー、
いう印象を持ちました。


税理士や社労士などの
職業専門家は
実務家であるとともに
法律家でなければならないということを
再認識しました。


特に労働保険や社会保険の手続きだけを
行っているのであれば
それほど深い知識は必要ないのかもしれませんが

顧客が期待しているのは
労務の専門家としての部分も大きいため

相談のあった事案について
法律や通達を当てはめて
過去の判例を参考にして
回答をするのが

労働関係の法律家として
あるべき姿だとあらためて思いました。

そして事案に
法律等を当てはめるには
法律の趣旨をしっかりと
理解する必要があります。

社労士試験の受験勉強の際に
ある程度勉強したつもりでも
まだまだ非常に奥が深い。

どんな仕事でも
そうだと思いますが
一生勉強です。


労働法というのは
多くの方にとって
非常に身近な法律ですが

経営者も労働者も
その内容をしっかりと
理解しているわけではないので

悪気はなく
知らないまま労働条件を決めてしまい

あとあとトラブルになることが
多いわけです。


私は職業柄
いろいろな社長から話を
聞く機会が多いですが

ほとんどの経営者は
労働者を大事にしたいと
考えています。


ただ
中小企業の場合
その気持ちが
空回りしている場合もあるというか

例えば
満たさなければならない
はずのルールを外しているわりに

逆に
そこまで手厚く待遇しなくても
問題ないところにこだわっていたり・・・


法律上は
定められたルールを
満たさない部分があると

その他のところをいくら
手厚くしていても
まずいわけです。



労務関係の専門家である
社労士としては

経営者も労働者も
お互いに
気持ちよく仕事ができるような
環境作りのお手伝いを
するのが一番大事な仕事ですね。



労務に関するご相談は
名古屋のスプラウト社会保険労務士事務所へどうぞ






2012年スタート

2012-01-12 15:00:46 | Weblog
明けましておめでとうございます。

いろいろと忙しく
今年初めてのブログの更新が
今頃になってしまいました。

私は
去年の年末に久しぶりに
休みを満喫しました。

一昨年の年末に
東京に行って観光したのが
とても楽しかったので
再び東京を観光してきました。

今回は

・浅草で浅草寺参拝→東京スカイツリーを見ながら水上バスで隅田川下り

・六本木で東京ミッドタウン→六本木ヒルズ

・お台場でデックス東京ビーチ→フジテレビ→大江戸温泉物語

・国会議事堂→皇居

・月島でもんじゃ焼き→銀座を散歩

など盛りだくさんでした。


毎回東京に行くと
「店員さんの接客態度の素晴らしさ」
「交通機関のきめ細かさ」
に感心します。

どこに行っても
ストレスを感じませんでした。

お店にしても交通機関にしても
普段からたくさんの人を相手に
しているので
どんどん洗練されていくという
ことでしょうか。


あと
今回は買ったばかりの
スマートフォンが大活躍しました。

電車で目的地に行くときは
「ジョルダンの乗換案内」で調べ

徒歩で目的地に行くときは
「グーグルマップ」のGPSで
自分の場所を確認しながら

と方向音痴の私でも
特に迷うことなく目的地に
到着でき

私個人にカーナビが
付いたような感じで
大変便利でした。