スプラウト 会計のはなし、日々のはなし

名古屋市千種区の税理士法人スプラウトの税理士/社労士/CFP®が綴る日々の様々なこと。

キャッシュフロー計算書

2009-11-28 17:27:36 | Weblog
財務3表というくくりがあります。

貸借対照表と

損益計算書と

キャッシュフロー計算書です。

企業経営は
最終的にキャッシュがなくなると
継続できなくなります。

キャッシュがある限りは
赤字が出ていても
つぶれることはありません。

キャッシュフロー計算書は
一定期間のキャッシュの増減を
あらわした表です。

キャッシュフロー計算書には

1.営業活動によるキャッシュフロー(営業CF)
  → 本業で稼いだキャッシュの増減

2.投資活動によるキャッシュフロー(投資CF)
  → 固定資産の取得や売却等によるキャッシュの増減

3.財務活動によるキャッシュフロー(財務CF)
  → 銀行からの借入やその返済等によるキャッシュの増減

の3つの区分があります。

この中で最も重要なのが
「営業CF」です。

この「営業CF」は
基本的にプラスであることが望ましく

ここが経常的にマイナスの会社は
手持ちのキャッシュを
どんどん食いつぶすことになります。

「投資CF」は
積極的に設備投資をしているとマイナスになり
逆にリストラなどをしているとプラスになります。

「財務CF」は
新規の借入額が返済額を上回っているとプラスになり
新規の借入が返済額よりも少ないとマイナスになります。

さらに
「営業CF」と「投資CF」の合計額を
「フリーCF」といいます。

この「フリーCF」は
本業で獲得したキャッシュである「営業CF」から
設備投資に使ったキャッシュである「投資CF」
を差し引きした後で残るキャッシュのことであり
会社が自由に使える資金を意味します。

この「フリーCF」はプラスであることが
望ましく

「フリーCF」がプラスの場合は
借入金の返済などの「財務CF」のマイナスに
充てることができる。

「フリーCF」がマイナスの場合は
逆に新規に借入などをする必要があるため
「財務CF」がプラスになっていきます。

いくつか例をあげてみます。

(例1)
 営業CF +
 投資CF -
 フリーCF  +
 → 営業活動で生み出したキャッシュの範囲内で
   投資を行っているという健全な状態

(例2)
 営業CF -
 投資CF +
 フリーCF  -
 → 営業活動でキャッシュを減らしていて
   設備を売却したキャッシュでも穴埋めできていない。
   本業不振のためリストラをしているとこのようなCFになる。

とにかく企業経営にとって
キャッシュは血液なので
キャッシュを切らすことのないよう
資金の動きは注意して見ていかなければなりません。






忘年会の費用

2009-11-20 18:08:22 | Weblog
日に日に寒くなり
もう11月も半ばを過ぎました。

今年も残りあとわずかですね。

12月に入ると
忘年会シーズン到来です。

この忘年会の費用は
通常会社が出すことが多いですが

税務上の取扱いは
どのようになるのでしょうか?

普通は「福利厚生費」として
全額損金算入が認められます。

でも
場合によっては
これが「交際費」になったり
「給与」になったりすることもあります。

判断の一番大事なポイントは
「全員参加かどうか」です。

福利厚生費というのは
その会社の全ての従業員の労をねぎらう
趣旨で支出するものなので

例えば

1次会は通常ほとんど全員参加で行われますので
1次会の費用は「福利厚生費」として全額損金になりますが

2次会は通常一部の従業員だけで行いますので
2次会の費用は「交際費」となり、損金算入が一部制限されます。


金額もあまり高額だと
「福利厚生費」としては
認められないので
1人あたり3千円~5千円程度
が目安になります。

「給与」になるケースは
社長がプライベートの飲食代を
会社の経費にしている場合で

「役員に対する賞与」として
全額会社の損金に算入されないだけでなく

社長個人の給与所得の課税も追加で
行われるという
最悪のパターンになりますので注意しましょう。

スプラウトの忘年会は
・全員参加
・1次会のみ
・単価3~5千円以下
の予定の為、全額「福利厚生費」で大丈夫そうです。

ハゲタカ

2009-11-13 18:11:09 | Weblog
最近
毎週TSUTAYAに行って
DVDを借りていますが

今はまっているのが
前にNHKでやっていたドラマ
ハゲタカ」です。

このドラマの主人公は

元銀行員で
現在は
外資系のバイアウトファンド
「ホライズン・インベストメント・ワークス」
の日本法人のマネージャーを勤める

鷲津政彦(大森南朋)です。

バイアウトファンドとは

投資家から集めたお金を
事業会社に投資するとともに、経営に深く関与し
企業価値を高めた上で売却することで
多額の利益を得るファンドのことです。

危機的な状況にある会社が
ターゲットになることが多く

これが死肉を餌とする
ハゲタカを思わせるため

このような外資ファンドを
「ハゲタカファンド」
と揶揄したりもします。

主人公の鷲津は
銀行員だった頃に起きた
ある事件がきっかけとなり

銀行を退職し、アメリカに渡り
外資ファンド「ホライズン」の
日本法人代表として
帰ってきます。

そして
経営危機に陥っている企業を
次々に強引なやり方で買収していきます。

そんなドラマの中で
毎回独特の用語が出てきます。

「バルクセール」
 銀行などが
 多数の不良債権を一括パッケージにして売却すること。
 バルクセールでは
 債権の額面ではなく時価で取引するので
 額面の数分の1とか数十分の1で売却されます。

 税務上、貸倒損失を計上するための要件は厳しく
 なかなか損金にできませんが
 
 債権の売却損は損金になるため
 売却した方が
 税金を減らすことができます。


「ゴールデンパラシュート」
 ドラマの中では
 アタッシュケースに入ったお札の束を見せながら
 「ゴールデンパラシュートです。」と言っていました。

 ゴールデンパラシュートとは
 敵対的な買収により経営陣が解任される時に
 巨額の退職金が支払われるように前もって定めておくことで
 買収者の買収意欲を削ぐ目的でつかわれる手法です。


「ホワイトナイト」
 ドラマでは西野治(松田龍平)が
 ホライズンに狙われていた大空電機に対し
 「僕がホワイトナイトになりますよ。」と申し出ていました。

 ホワイトナイト(白馬の騎士)とは
 敵対的な買収を仕掛けられた企業の経営陣が
 友好的な第三者(企業)に
 自社株を買収してもらうように求める手法です。

このドラマは
主人公の鷲津政彦をやっている
大森南朋が素晴らしい。

全部でDVDは6巻あるのですが
まだ最後の1本を見ていません。

どんな結末になるんでしょうか?



合格発表

2009-11-06 17:56:19 | Weblog
本日(11/6)

8月に受けた社労士試験の
合格発表がありました。

官報に合格者の
受験番号が発表されるので

朝一番で
ネットで官報を見ました。

何と今年は自分の番号がありました。

思い返せば
平成18年 択一厚生年金2点足りず
平成19年 選択国民年金1点足りず
平成20年 選択労災保険1点足りず


過去3回非常に悔しい不合格が続いたのですが

4回目で何とか合格です。

これで泥沼の社労士試験から
脱出できます。

今年の試験の私の点数は
 ・選択式35点(各科目3点以上)
 ・択一式51点(各科目4点以上)

で、今年の合格基準は
 ・選択式25点
 (労働基準法、労災保険法、厚生年金保険法は2点以上、その他は3点以上)
 ・択一式44点(各科目4点以上)

とトータルの点数を見ると
余裕があるように見えますが

選択式で3点のものが2科目あるため
実際はギリギリの合格です。


それにしてもこの試験は恐ろしい。

特に選択式の足きり。

各科目5つの穴のうち
3つ以上取らないと
足きりで

他で何点とっても不合格に
なってしまうのですが

8科目のうち
何科目かは
毎年必ず難問が出ます。

全体の出来が悪い問題は
この足きりのラインが
下がったりすることもあるんですが
(これを「救済」といいます)

出来が悪くても
救済されないこともあれば

ほとんどの人が出来ていそうなのに
救済されることもあります。


いったい
どういう基準で決めているのか

この救済のさじ加減が
非常に不透明。

過去
私も不合格が続いたときに

「もう少し勉強した人から
順番に受かる試験にすればいいのに」

と試験制度を恨んだりしましたが

「文句のない点数がとれなかった自分が悪い」

と気持ちを切り替えました。

今年も
よくわからない合格基準だったため
(難問の労働に関する一般常識が救済されず
 簡単だった厚生年金がなぜか救済)

実力があるのに
不合格になってしまった人が
大量にいると思います。

でも
資格試験の合格の鉄則は

「受かるまで受けること」

不合格の悔しさは
合格しないと晴れません。

とにかく
あきらめず
粘り強く受け続けてよかったと思います。


今後、社労士として
登録するには

実務経験の代わりの通信教育などを
受ける必要があるため
もう少し時間が必要ですが

この試験を通じ勉強して得たものを
スプラウトのサービスとして
お客様に還元していきたいですね。