スプラウト 会計のはなし、日々のはなし

名古屋市千種区の税理士法人スプラウトの税理士/社労士/CFP®が綴る日々の様々なこと。

車は誰が買うべきか?

2008-12-24 16:53:05 | Weblog
「車が売れていない」
ということで
車についてのはなしなんですが・・・

社長が車を買う場合

「個人名義」で買うのと
「会社名義」で買うのと

どちらがいいんでしょうか?

例えば300万円(別途消費税15万円)
の車を買うとします。

個人で買う場合は、
まず社長に給料を出して
そのお金で買うことになります。

給料には
所得税・住民税がかかります。

仮に税負担率を20%とすると
手取を315万円にするためには
約400万円の給与の支出が必要となります。

会社名義で買う場合は
315万円の支出で済みます。

そしてこの315万円は
会社の資産となり
減価償却により費用になりますので
税金を減らす効果があります。

さらに消費税の15万円は
会社の納める消費税から差し引かれます。

つまり会社名義にすると
法人税等が
300万円×実効税率40%=120万円減少し
消費税が15万円減少するため

トータルで135万円の減税効果があります。

この減価償却や消費税の控除は
個人名義で買う場合は全く考慮されません。

比較してみると

個人名義 → 実質400万円の負担

会社名義 → 支出額315万円-税負担減少135万円=実質180万円の負担

と同じ車を買うのに
実質的な負担額は
大きく違ってきます。

この他に
会社名義にすることで
自動車保険、自動車税、車検代、修理代なども
全て会社の経費となります。

よく社長が車を買うなら
「中古のベンツがいい」と言われますが、
これは中古の方が早く減価償却できるからです。

例えば4年落ちの車であれば
2年で減価償却できるため
取得価額のほとんど全てが買った年に経費になります。

「ベンツがいい」というのは
リセールバリューが高いからです。

結論として
会社名義で買って
会社の経費で落とした方が得なのは事実です。

だからといって
安易に経費を増やしすぎると

 ・会社の財布にダメージを与える。
 ・利益が減少するので、銀行の評価が悪くなる。
 ・公私のあいまいな経費は税務調査で否認される。

ということになりますので注意しましょう。

「ト」はいらないと思う

2008-12-17 18:17:02 | Weblog
先日
スプラウトの忘年会
を行いました。

今年は
名古屋市の新栄にある
金剛山」という
韓国料理店で行いました。

忘年会担当がいくつか候補を決めて
「おいしくビールが飲めるところ」というテーマで
全員にアンケートをとったのですが
ダントツの結果でした。

お店に着くと
6時半くらいだったのに
結構たくさんお客さんがいました。

この店は
世の中の景気は
あまり関係なさそうです。

食べたのは

 ・サムギョプサル(豚バラ肉の焼肉)
  
  


 ・牛ホルモン鍋

  

 ・チャプチェ(春雨と野菜の炒めあえ)

 ・海鮮チヂミ

 ・レバー刺

 ・ユッケ
  

飲んだのは
 ・生ビール
 ・マッコリ

おもしろいことが2つありました。

ひとつ目が
お店の壁に貼ってあった
「全品テイクアウトできます。(鍋も含む)」
というポスター。

鍋のテイクアウトって珍しいですよね。

もうひとつがデザートを頼もうとメニューを見ると
「チョコレートソフトアイス」
「抹茶トソフトアイス」
「柚子ピールトソフトアイス」
と並んでいて
なんとなく違和感を感じました。

チョコレートはいいんですが、
なぜかソフトアイスの前に
「ト」がついていました。

もしかしたらそういう名前のものかもしれないので
念のため
「抹茶トソフトアイスください。」
と注文しましたが

お店の人がもってきてくれたときは
「お待たせしました。抹茶ソフトアイスです。」
でした。

やはり「ト」はいらないようです。

多分
「チョコレートソフトアイス」を書いたあと
コピーペーストして他のものを書いた時に
消し忘れたのではと推測されますが・・・。




社長の給料は多くて当たり前

2008-12-10 17:27:28 | Weblog
職業柄
いろいろな会社の
社長の給料を目にします。

びっくりするくらい
たくさんもらっている社長もいます。


「社長ばかり給料が高くてズルイ」
と従業員の方は感じるかもしれませんが

社長はたくさん給与をとるべきなんです。


なぜかというと

まず第1に
「社長は会社の重要な資金源だから」です。

中小企業の場合、
会社と社長は一体です。

会社のお金が足りないときにお金を出すのは社長です。

会社にお金がなくても
社長個人のお金がたくさんあれば
会社の資金繰りは安定します。

2つ目としては
「社長は会社の借金の保証人になっているから」です。

会社で融資を受ける場合

通常、
社長が連帯保証人になります。

会社が借金を返せなくなったら
社長が肩代わりします。

会社の借金は
少なくても数百万円、
多いと数億円にのぼります。

社長はこんなリスクを背負っているわけです。

3つ目は
「税金対策のため」

中小企業の場合
利益が大きくなると
法人税等の負担が大きくなるため

利益がたくさん出そうな場合
社長の給与を増額して
会社の利益を圧縮します。

だから必然的に
社長の給料は増えてしまうわけです。

でも
社長はもらった給料を
すべて使ってはいけません。

形式的に
社長の給料となっているだけで

実質的には
一部会社のお金も混ざっているからです。

だから
派手につかってしまうのではなく

生活に必要な金額以外は
キチンと貯金しておくことが
会社のためになります。




生活経済学

2008-12-03 17:22:06 | Weblog
ちょうど1年前くらい前に
ブログに書いた

スタバではグランデを買え

の著者が

クルマは家電量販店で買え

という新作を出していたので
また買ってしまいました。

「スタバ」と同様に
今回の本も
世の中にある様々な商品やサービスの
「価格」を題材として
生活の知恵としての経済学(生活経済学というそうです。)
の入門書となっています。

私は経済学部出身ではないですし
経済の基礎理論などはあまりわかりませんが

経済学的な見方や考え方ができると
世の中の仕組みがわかったり
合理的な選択をするための指針になったりしますので

経済学については
いつかしっかりと勉強したいなあと思っています。

内容を少し紹介します。

「高級レストランの格安ランチが十分においしいのはなぜか?」

「スポーツクラブが平日の昼間にシニア割引を設定しているのはなぜか?」

 いずれも
「追加コスト」で考えるのがポイントで、

例えばレストランの場合
ランチの営業を新しくはじめると

材料代やアルバイトの人件費は
「追加コスト」として発生しますが

家賃や水道光熱費の基本料金などは
ランチの営業に関係なく発生する「固定コスト」なので

ランチの価格は
ディナータイムの料金に比べ格段に安く設定しても、
「追加コスト」を上回る金額であれば、きちんと採算がとれる。

しかもランチタイムはディナータイムに比べると
客の滞在時間が短く客席の回転率も高くなります。

「追加コスト」についても
営業時間が3時間くらいですので
アルバイトの人件費もそれほどかかりませんし、
材料代については
ディナーの材料のあまりを有効に活用できるので
ある程度低く抑えられます。

もうひとつの
スポーツクラブの場合は、
何人きても「追加コスト」はほとんど発生しないため、
営業時間中の稼働率をあげるのが大事です。

平日の昼間をガラガラの状態にしておくくらいであれば、
昼間に時間のあるシニアを安い価格設定で呼び込んだ方が、
経営効率はいいわけです。



あと
「性能の高い製品の方が性能の劣る製品よりも安く買える。」
こともよくあり

研究開発費や設備投資のような
「固定コスト」がたくさんかかる製品については

「規模の経済性」が働くので

たくさん売れるものは
1個あたりの「固定コスト」が少なくなる分
売れれば売れるほど値段を安くすることができるが

あまり売れないものは
1個あたりの「固定コスト」が高い分
値段を高くしないと採算がとれない。

電化製品は
「売れていない製品」よりも「売れている製品」
を買った方がいいですね。