スプラウト 会計のはなし、日々のはなし

名古屋市千種区の税理士法人スプラウトの税理士/社労士/CFP®が綴る日々の様々なこと。

事例広告

2011-09-27 18:36:37 | Weblog
デフレということもあり
黙っていては
なかなかモノが売れない
世の中です。

今は「口コミ」の時代と
言われていますが

従来のような
売り手の側が
一方的にアピールする
というタイプの広告の
仕方では

なかなかお客さまの購買意欲は
高まりません。

買う側としては
自分がそれを買ったときに
どのようなメリットがあるのかを
知りたいわけです。

自分よりも先に
買った経験者としての情報である
「口コミ」は

買ったことのメリットやデメリットが
(企業側の押し付けではなく)
本音で書いてあるものなので

多くの消費者が自分の購買の決定の
参考にしています。

人気サイトの
「価格コム」とか「食べログ」など
は口コミがたくさん載っていますね。


先日、本屋で

見せるだけで売れてしまう事例広告の方法

という本を見つけました。


この本には

自分のところの商品を
買ったお客様の声を

もっと商品のPRに使えるよう
広告としてきちんと作ることで

黙っていても
商品が売れるようになるという
ことが書いてありました。


本の中には
実際の広告も載っていましたが

よくある「お客様の声」とは違って
わざとらしさがまったく感じられません。

自然体でお客様自身が
感じているメリットなどが上手に
記事になっていました。


税理士のように
目に見えないものを
売っている場合には

契約することで
どういうメリットがあるのかは
なかなか伝わりにくい。
(利用してもらえばある程度わかるのですが)


この
「事例広告」の様な手法は
どのような商材でも
ある程度の効果が得られると
思いますが

特に
目に見えないものとか
イメージがしにくいもの
には力を発揮する手法だと思いました。


そういえば
私がよく見ている
「通販生活」も
よく考えたら
ずっとこの「事例広告」を使っていますね。

ただ商品を載せるのではなく
使っているユーザーの本音に近い言葉や
商品の裏側にあるこだわりなどを
きちんとアピールすることで

商品を見ただけでは
わからなかったその商品の本当の価値が
わかります。

買う側としては
何もメリットのないものには
あまりお金は使いたくないが

実はそのメリットやこだわりが
うまく伝えられていないだけ
というケースも多いと思います。


売れないからと言って
値下げをするのは
全く改善策になりませんし
その商品の価値を
自分で下げてしまっていることにもなります。


「事例広告」は
マーケティング的にも
理にかなった方法だと思うので
これからどんどん増えていくのでは
ないでしょうか。



WEBマーケティング

2011-09-21 09:34:21 | Weblog
随分長い間
冬眠中の自社サイトを
現在リニューアル中です。
(近々オープン予定)

せっかくの機会なので
WEBマーケティングについて
いろいろ
本を読んで勉強中です。

HPを新しくしても
まず第一に
サイトを見つけてもらわないと
話になりません。

そのためには
「SEO対策
(サーチエンジンオプティマイゼーション=検索エンジン最適化)」
が必要です。

これは
グーグル等の検索エンジンで
検索されたときに
できるだけ上位に
ランキングされるために
いろいろと手を尽くすことです。

一般的に
検索結果はやはり
1位になったものが
圧倒的に見られる件数が多くなり

順位が下がるにつれて
見られる可能性は
低くなります。

少なくとも
検索の1ページ目に登場しないと
見られる可能性は
ゼロに近くなるようです。

「SEO対策」には

・内部要素対策 と

・外部要素対策 が

あります。

内部要素対策とは

主に
サイト内のタイトルや文章などに
検索されそうなキーワードを
交えておいたり
強調したりすることなど。


それに対し
外部要素対策は
外部のHPから
リンクをたくさん貼ってもらうことなど。

特に
グーグルのページランクの高いサイト
からリンクされているといいようです。

このページランクは
0~10まであって
どのように付けているのか
よくわかりませんが

ヤフーはページランク8
私のブログはページランク1でした。

グーグルの判断では
私のブログは
重要度が著しく低いようです。


「SEO対策」は
一度やっても
検索エンジン自体が常に変わるため

基本的に
ずっと対策し続ける必要があり
結構大変です。


サイトの集客のためには
ほかに
グーグルのAdwords等の
「リスティング広告」があります。

これは
検索キーワードに
合わせて
検索結果の画面の上とか
横とかに出てくる広告で

お金さえ支払えば
「SEO対策」のような
努力をしなくても
サイト集客が可能となります。

この
「リスティング広告」は
ワンクリック当たりいくら
という契約になっており

さらに
ワンクリック当たりの単価は
検索キーワードによって異なり

同じ検索キーワードでも
目立つ位置に乗るかどうかで
変わってきます。

気をつけないと
後でとんでもない額の
請求がされそうですね。
(一応上限設定できるようですが)


そして
最近はSEO対策だけでなく
LPO(ランディングページ最適化)というのが
重要となっているようです。

LPOというのは
簡単に言うと
サイトを訪れた人が
購買等のアクションを
起こす比率を
高めるという対策です。

具体的には
検索キーワードで
訪れた客が
すぐに別のページやサイトに
行ってしまうことがないように
閲覧ページの内容を検索キーワードと
一致させたり、
ページの質を上げたりすることです。

商用のサイトの場合
サイトに来てもらうだけでなく
販売等の成果が上がらないと
意味がないですからね。

SEOもLPOも
サイトを公開した後で

「どんなキーワードで検索されているのか」

「どのページがよく見られているのか」

「どのページの滞在時間が長いか」

「どのページが離脱率(お客さんが帰ってしまうこと)が高いのか」

などについて
アクセス解析等を行い

検証し、修正し、実行し

というサイクルを繰り返していき
より効果の高いサイトにしていきます。

アクセス解析は
「グーグルアナリティックス」
というグーグルが無料で
提供しているものが
最近はよく使われているみたいですね。

WEBは今後
ますます重要度が増してくるので

ビジネスに携わるものとしては
必須の知識になっていくように思います。

財務と会計のちがい

2011-09-13 18:10:56 | Weblog
財務会計というのは
財務諸表等の関係情報を
企業外部の利害関係者に報告するための
会計のことを言います。

ではこれを
「財務」と「会計」
の2つに分けた場合に
それぞれの意味は?

と聞かれると
なかなか難しいですね。


財務と会計というのは
何が違うのでしょうか?

答えは・・・

会計(アカウンティング)は「利益」を扱うもので

財務(ファイナンス)は「お金」を扱うものです。

そして
時間軸の違いもあり

会計(アカウンティング)は過去の数字を表わすもので

財務(ファイナンス)は未来の数字を見ていくものです。


つまり
財務(ファイナンス)というのは

「お金に関する意思決定の
 根拠となる考え方を表したもの」

ということです。


私の中では
財務(ファイナンス)は
数学的でちょっと難しいという
先入観があり

具体的に
どういった場面で
どのように使うのかということが
イメージできないでいたのですが

先日
ざっくり分かるファイナンス」という
本を読んでみて

財務(ファイナンス)の考え方、使い方が
少し理解できました。


ファイナンスのうち
特にコーポレートファイナンス(企業財務)には

①投資に関する意思決定
 → お金を何に使うか?(設備に対する投資、新規事業に対する投資)

②調達に関する意思決定
 → お金をどうやって集めるのか?(銀行融資or増資)

③配分に関する意思決定
 → 株主にどれだけ配当するのか?

の3つの役割があります。


その意思決定を
きちんと行うことで

「企業価値の最大化を図る」

のが経営者の役割です。


会社経営において
利益はモチロン大事ですが

会社の存続のカギを握るのは
間違いなく「お金(キャッシュ)」です。

特に利益は
考え方によって
金額が結構変動する
かなり曖昧なものですが

キャッシュは現実です。



設備投資や
新規事業を始める場合

どちらにしても
ある程度のリスクはつきものです。


ファイナンスでは
その投資により

「リスクに見合ったリターンが得られるかどうか?」

を考えます。

例えば
国債に投資をすると
かなり低いリスクで
低いリターンを得ることができます。

その設備投資(新規事業)で
仮に国債と同じリターンしか
得られないのであれば
その投資はすべきではありません。

国債よりもリスクがある分
高いリターンが期待できないと
投資する意味がないわけです。


そして
ファイナンスでは
お金の価値を考える際に時間軸も考慮します。

つまり
今の100万円と
10年後の100万円は
その価値が違ってきます。

なぜなら
今100万円あれば
それを元手に
10年間運用して
100万円よりも増やすことができるからです。

なので利率が2%と仮定すると
10年後の100万円は
現在価値としては約82万円になります。


あと
この本を読んで
企業にとっての
資金調達先である
株主と銀行の考え方の違いが理解できました。

株主は
リスクをある程度覚悟しているため
リスクを冒してでも
企業にどんどん成長することを
望んでいますが

債権者(銀行)は
あらかじめ契約で
もらえる利息が決まっているため

企業が
ハイリスクでハイリターンな投資を
することを嫌います。


つまり
株主と債権者(銀行)は同じように
企業に投資をする立場でも

株主は企業の成長性を重視し
債権者(銀行)は企業の安定性を重視する

わけです。


ファイナンスと言うのは
お金の集め方、お金の使い方
を合理的に考えるための道具なので

ファイナンスを
道具として使いこなせると
お金に関して合理的な判断が
できるようになりますね。


損益よりもキャッシュフロー

2011-09-06 17:45:17 | Weblog
会社の状態を数字で表した
表を財務諸表といいます。

財務諸表には
・貸借対照表
・損益計算書
・キャッシュフロー計算書
などがあります。

どれも
会社経営には
欠かせないものですが

中小企業にとって
特に重視すべきなのが
キャッシュフロー計算書です。

会社経営にあたり
やはりお金は重要であり
お金がないと
事業は存続できません。


貸借対照表や損益計算書を見ても
お金の流れが
イマイチつかめませんので

それを補うため
キャッシュフロー計算書が
日本でも重視されるようになりました。

実は
キャッシュフロー計算書は
西暦2000年に
日本に導入されてから
まだ十数年しかたっていません。


上場企業などでは
外部報告用として
キャッシュフロー計算書の作成が
義務付けられていますが

会社法では
キャッシュフロー計算書の作成を
強制していないため
中小企業では
作っていないところも多いと思います。


損益計算書を見て
「黒字」になっていても
手元にお金がないというケースはよくあります。

お金がないので
「黒字」といわれても
多くの経営者にとっては
実感がわかないわけですが

このような場合
キャッシュフロー計算書を見れば
なぜお金がないのかが
理解できます。


キャッシュフロー計算書
には

①営業キャッシュフロー

②投資キャッシュフロー

③財務キャッシュフロー

の3区分があり
どのような理由で
お金が増減したかが
わかるようになっています。


①営業キャッシュフローは

簡単に言うと
本来の商売でどれだけ
お金が増えたか(減ったか)を
表します。

ここは基本的に
プラスである必要があり

何期もマイナスが続くようだと
本業でキャッシュを生み出せてない
ということなので
事業の継続が徐々に厳しくなっていきます。


②投資キャッシュフローは

設備投資などに
いくらお金をつかったかを
表します。

ここは将来の売上のために
設備投資が活発に行われていると
通常マイナスになりますが

リストラなどで
設備を売却した場合は
プラスになることもあります。


③財務キャッシュフローは

借入や増資などで
いくらお金を調達したか(返済したか)
を表します。

通常、返済だけをしている場合は
ここがマイナスとなりますが

新規で借入したりすると
プラスになります。


一番望ましい状態としては

①営業CF プラス
②投資CF マイナス
③財務CF マイナス

で①営業CF>②投資CF+③財務CF
になっていることです。

これは
①本業で稼いだお金で
②設備投資もまかない
③借入の返済もし
それでも
お金が増えている状態です。


逆に最悪なのは
①営業CF マイナス
②投資CF プラス
③財務CF プラス
の場合で

これは
①本業でお金を減らしている分
②設備の売却と
③新規の借入金でまかなっている状態です。

この状態が続くようだと
事業の存続が危うくなりますので

まずは
本業でのキャッシュフローがプラスに
転じるように

早めに手を打たなければ
なりません。


キャッシュフロー計算書には
当期1年間で
どれだけお金が
増えたのか(減ったのか)
が一目でわかるので

経営者の実感と
かなり近いものがあると思います。


結局、商売は
キャッシュを増やすことが
目的ですので

キャッシュフロー計算書を指針として
経営するのが
一番わかりやすいですね。