スプラウト 会計のはなし、日々のはなし

名古屋市千種区の税理士法人スプラウトの税理士/社労士/CFP®が綴る日々の様々なこと。

勝負の日

2012-07-30 19:01:09 | Weblog
オリンピックが始まりましたね。

オリンピック選手にとっては
4年間頑張ってきた成果を
発揮する「勝負の日」になりますが

実は税理士受験生にとっての
「勝負の日」である
税理士の本試験が

今週の火曜日から木曜日までで
実施されます。


私が初めて税理士試験を
受けたのは
もうかれこれ20年も前の
平成4年。

当時大学3年生でした。

そのころの名古屋の試験会場は
鶴舞にある名古屋工業大学でした。

今となっては
信じられない話ですが
名古屋工業大学は
エアコンが付いていませんでした。

1年の中で
一番暑そうな時期にも
かかわらず、です。

さらに机は小学生が使うような
小さな机で
さらに椅子と机が一体化していて
すごく座り心地が悪い・・・。

と、名古屋はものすごく悪条件のため
金沢などエアコンが効いている会場まで
遠征して受けに行っている方もいましたが

私は遠征するお金もないので
名古屋会場でずっと受験していました。
(ちなみに今はエアコン完備のポートメッセなごやが会場です)

最初の受験の時のことや
合格通知をもらったときのことは
今でもよく覚えていますね。


その後、自分の受験は
平成7年で終了しましたが

税理士専門学校講師の仕事を
長い間やらせていただいているので
本試験が近づくにつれ
いまだに緊張してしまいます。

このブログは
私の受講生の方もたまに
読んでいるようなので
試験前に応援メッセージです。


1年間頑張ってきた
受講生の皆さん。

超難関の税理士試験に挑戦している
皆さんはいろいろなものを犠牲にして
可能な限りの時間を
受験勉強に費やしてきたと思います。

その努力だけでも称賛に値しますが
自分のためだけでなく
周囲の応援してくれる人たちのためにも
是非合格の栄冠を勝ち取ってください。

そして
この試験の合格のために
一番大事なことは「あきらめないこと」です。

当日、精一杯の力が発揮できるよう祈っています。



税理士 名古屋/名古屋の税理士法人スプラウト


税理士会研修と再会

2012-07-23 18:28:51 | Weblog
先週の水曜日は
名古屋税理士会主催の
平成24年度第一回全国統一研修でした。

今回のテーマは
「消費税実務の留意点」です。

平成23年に
消費税について大きな改正があったことで
今回の研修テーマになったものと思われます。

午前中のテーマは
「個人事業者の消費税と所得税」

所得税の取扱いと消費税の取扱いの違いを
法令、通達、判例を踏まえて解説するという内容でした。

お昼休憩をはさんで
午後のテーマは
「事業者免税店制度及び95%ルールの改正の詳解と実務対応」

最初に
平成23年度の法改正の全体像についての説明でしたが

平成23年度は震災の影響等により
当初発表されていた税制改正大綱(たたき台)が
次のように分割して成立したり、一部積み残りされたりと

かなりイレギュラーな形になっていますので
大変わかりにくくなっています。

1.税制整備法(6月改正)により成立したもの
2.税制構築法(12月改正)により成立したもの
3.平成24年度改正により成立したもの
4.社会保障・税一体改革へ引継ぎされたもの
5.積み残し又は見送りされたもの


消費税については
「1.税制整備法(6月改正)」により
改正法が成立しましたが
その中に大きな改正が2つありました。

まず一つ目が
「事業者免税点制度の見直し」です。

免税点についての歴史的な流れを見ると

消費税は制度ができた平成元年から平成16年までは
前々期(前々年)の課税売上高が
3000万円を超えているときに納税義務者になる、
というシステムでしたが、

平成17年からは3000万円の免税点のラインが
1000万円まで引き下げられました。


この消費税の免税点について
今回の改正により
もう一段階厳しくなりました。

前々期(前々年)の課税売上が1000万円以下でも
前期(前年)の上半期6ヶ月間の課税売上が1000万円超の場合は
当期(当年)から消費税の納税義務者になる、というものです。


例えば設立したばかりの会社の場合

今までは設立後2期目までは消費税が免税で
3期目から課税されるという形だったのが

設立1期目の上半期で
売上が1000万円超の場合には

2期目から消費税の納税義務者に
なってしまうわけです。


ただし、設立第1期が7ヶ月以下の場合は
第1期の上半期の課税売上が1000万円超でも
2期目から課税されることはなく
従来通り3期目からの課税になります。


なお、事業者によっては
上半期の売上が必ず把握できるとは限らないため
売上に代えて上半期の給与額で判定することも
認められています。


この改正は
平成25年以後開始する事業年度から適用されます。



二つ目が
「95%ルールの見直し」です。

従来、
消費税の課税売上割合が95%以上の場合は

課税仕入れに係る消費税額を
全額仕入税額控除することができましたが、

改正により

課税売上が5億円を超える場合には
課税売上割合が95%以上でも
全額仕入税額控除することができなくなりました。


仕入税額控除には

(1)一括比例配分方式

(2)個別対応方式

と2つの方法があります。


(1)一括比例配分方式は

  「課税仕入×課税売上割合」で仕入税額控除する金額を
   計算する方法で


(2)個別対応方式は

   課税仕入を
   イ.課税売上に対応するもの
   ロ.非課税売上に対応するもの
   ハ.共通対応のもの
   に区分し
   「イ+ハ×課税売上割合」で計算した金額を
   仕入税額控除とする方法です。


このうち
どちらか有利になる方を選択すればいいのですが

(1)一括比例配分方式は2年間継続適用しなければならない

(2)個別対応方式はイ・ロ・ハの区分が結構面倒

という悩ましい特徴がそれぞれあります。

この「95%ルールの見直し」は
平成24年4月1日以後に開始する課税期間から適用されます。

どちらの改正も
税理士実務で非常に重要度の高い部分のため
しっかりと理解しておかなければならないですね。



今回の研修会では偶然
受験仲間で元同僚の先生と
十年くらい前の元受講生の方に
久しぶりの再会をしました。

同じ週の金曜日も
別の元受講生の方2人と
池下で会食しました。

前は講師と受講生という関係でしたが
今は同業者として
いろいろ情報交換できよかったです。

私の授業を受けた方が
税理士として今立派に仕事をしているのを見ると
講師冥利に尽きますね。



税理士 名古屋/名古屋の税理士法人スプラウト

マネーボール

2012-07-16 17:55:37 | Weblog
この間TSUTAYAで

ブラッドピット主演の
マネーボール」のDVDを
借りました。


これは2000年代初めに

年俸総額が金持ち球団ヤンキースの3分の1しかない
貧乏球団アスレチックスが

お金がない中
4年連続地区優勝を果たしたという
実話に基づいたストーリーです。


打者の場合、打率や打点、本塁打、盗塁数

投手の場合、防御率や勝利数、セーブ数

などが選手としての評価の対象となり
これらの数字が優れた選手は
どの球団も欲しがるため
どんどん年俸が高くなっていきます。

アスレチックスのような
お金のない球団は
自分のチームでいい選手を育てても
他のお金があるチームに引き抜かれ

他のチームから補強しようと思っても
いい選手はなかなか獲得できません。

通常はここで
「お金がないから仕方がない」
とあきらめてしまいそうですが

アスレチックスの
ビリービーンというGMは
ちょっと違いました。


彼は
セイバー・メトリクスという
統計学的な分析手法を使って

チームへの貢献度があるのに
年俸的には割安な選手を集めます。

このセイバー・メトリクスでは
チームのシーズンにおける予想得点数を次のような公式で考えます。
「予想得点数=(安打数+四球数)×塁打数÷(打数+四球数)」

上記の公式を基本として
得点数ができるだけ多くなるように考えた結果

ビリービーンGMは選手の
「出塁率」と「長打率」を重視しました。


「打率」は高いに越したことはないですが
「打率」が高い選手は通常高年俸なので
それよりも「出塁率」が高い選手を獲得します。

ポイントは「四球」

つまり選球眼のよさです。

チームの方針として
あまり早いカウントから打っていくのではなく
確実にヒットにできるボールがくるまでは
待つという慎重性も求めました。


そして得点するためには
塁に出たランナーを
ホームまで返さなければなりません。

ランナーを効率よくホームに返すために
必要なのが「長打」です。

「出塁率」と「長打率」の高い選手で
チーム構成することで
得点を取りやすくしようと考えたわけです。

ちなみに「長打率」というのは
「塁打数÷打数」で計算します。

アメリカでは現在
「出塁率」と「長打率」を
合わせたものを
「OPS(On-base plus slugging)」
という打者評価の公式指標としているようですね。


当時のアスレチックスは
・盗塁や犠牲バントはほとんどしない。
・守備は重視しない
という極端な手法をとっていたらしく

保守的な野球ファンからは
かなり批判されたようです。

ただ1勝をあげるための
投資効率で考えると
アスレチックスは大変優れていました。


「もしドラ」という
ドラッカーの経営学の考え方を
野球に当てはめて甲子園に行く、という本が
去年くらいにヒットしましたが

野球も会社経営も
限られた資源をいかに配分して
できるだけ多くの成果につなげられるか
という部分では共通するものがあります。

「マネーボール」は
お金がなくても
頭を使えば
成果をあげることができるという
よい事例ですね。



税理士 名古屋/名古屋の税理士法人スプラウト


千本ノック

2012-07-09 17:20:06 | Weblog
毎年7月10日は

税理士関係として
・1~6月の給与に係る源泉所得税の納期特例

社労士関係として
・健康保険・厚生年金の算定基礎届の提出
・労働保険料の年度更新

と締め切り仕事が集中しています。


そんな中

今年も労働基準監督署で
年度更新の受付業務の
お手伝いの仕事をしてきました。

ちなみに
年度更新というのは
労働保険(労災保険・雇用保険)の保険料を
年度(4月~3月)ごとに申告することをいいます。


当日は朝、家を早く出過ぎてしまい
9時開始なのに8時15分くらいに
到着してしまいました。

9時まで待って
「1日だけ臨時の公務員になる」ということで
署長室で辞令を受けます。

その後
年度更新の集合受付の会場である
会議室に移動して
受付業務スタートです。


最初の1件目をやるまでは
緊張していましたが

次々にお客様が来るため
あっという間に時間が過ぎていきました。


すでに申告書に記入済みで
確認するだけのケースもあれば

ゼロから申告書を作っていくケース
もあります。


今年から
口座振替制度が始まったので
口座振替の手続きをしている方には
納付書で二重に納付することのないように
注意してください、と事前に
労基署の方から指示があり
そこはよく確認するようにしました。

口座振替の手続きをしているかどうかは
申告書に小さく書いてあるので
よく見ないと見落としてしまいます。


労働保険の申告は
建設業(一括有期事業)の場合
作る書類が増えて、複雑になります。

建設業以外だと
「労働保険料の申告書」
を一通作って終わりなのですが

建設業の場合は
「労働保険料の申告書」が2~3通

それ以外に
「一括有期事業報告書」と
「一括有期事業総括表」も
作る必要があります。


去年の集合受付では
運よく一件も建設業が来ないまま
終わりましたが
今年は結構たくさん建設業の受付をしたので
大変でした。

午後からは少し途切れる時間もありましたが
基本的にはずっと受付していた感じで終了しました。

全部で何件受付したかは数えていませんが
約30~40件くらいはあったと思います。

年度更新の千本ノックを受けた感じで
大変勉強になりました。

何でもそうだと思いますが
力をつけるためには
量をこなすのが一番ですね。



税理士 名古屋/名古屋の税理士法人スプラウト

日経MJセミナー

2012-07-02 16:20:07 | Weblog
何回か前のスプラウトメルマガで紹介した
「安売りしないでお客をガッチリつかむ技術」
の著者である竹内謙礼氏の
無料セミナーが名古屋であることを
日経新聞で知り、申し込んでいたのですが

その後郵便で受講票が届いたので
先週の木曜日にセミナーに行ってきました。

主催はこの本の出版元でもある
日本経済新聞社の日経MJです。

ということもあり
このセミナーの参考資料として
セミナー参加者には1週間分
「日経MJ(日経流通新聞)」が
自宅に配達されることになっていました。


セミナーの内容は
「安売りしないでお客をガッチリつかむ技術」の
内容を要約したものということでしたが

やっぱり本を読むのと、
生で話を聞くのとでは
伝わり方が全然違いました。


「客がこない」「売れない」という悩みを
抱えている経営者は多いと思います。

ではどうしたらよいのでしょうか?

経営資源の乏しい
中小企業にとっては
大企業のように資本力を生かして
安売りしたり
大規模な広告を打つのは難しいため

「高くても買ってもらえるようにする」

しかありません。

高くても買ってもらえるようにするには
お客さんに御社の商品やサービス
又は御社自身を「大好き」になってもらえばいいのです。

では「大好き」にさせるには
どうすればよいのでしょうか?

そのためには
次の3つがポイントになります。

1.「ストーリー」が必要
  商品やサービスの背景にストーリーがあると
  お客さんは価値を感じてくれます。
  
  
2.「人」を好きにさせる
  お客さんはものやサービスを買っているようで
  実は「人」で買っています。
  「知っている人」から買うときは
  お客さんは買うことに抵抗がありません。
  
3.「時間」をかける
  人は接触頻度が多かったり、
  接触時間が長くなるほど好きになっていきます。


お客様はモノを買うことに対して
常に「失敗したくない」という気持ちを
持っています。

なのでお客様が初めてのモノを買うときは
「失敗してもいい」という覚悟が必要で

その覚悟の背中を押してくれるのが
「このくらいだったら失敗してもいいか」と
思える値段です。

よって新規のお客様を獲得するには
「低価格」というのも必要な手段になります。

ただし最近では
この「低価格」の部分だけを利用されてしまい
その後リピートしてくれないお客さまも多いため

売る側にとっては
その後リピートしてもらう仕掛けづくりも
重要となります。

あと高く売れる売り場は
「楽しそう」という絶対法則があるそうです。

例えば東京ディズニーランドに行ったときや
お祭りのときなど楽しい気持ちのときは
金額はあまり気にせずにモノを買ったり
飲食したりしていますね。

九州にあるハローデイというスーパーは
楽しそうな陳列をすることで
安売りしないでも
どんどんお客様が来る売り場づくりが上手で
業績絶好調のようです。

竹内氏の本とセミナーにより
お金を使わなくても
ほんの少しの努力とコツで
安売り合戦から脱却できるという
ことがわかりました。



最後に
セミナーのときに配布された
日経MJに2012年上半期
ヒット商品番付が載っていたので
上位だけ紹介します。

横綱 東京スカイツリー
大関 アクア(トヨタのハイブリッドカー)
大関 ピーチ・アビエーション(全日空系の格安航空会社)
関脇 ギャラクシーノート(ドコモのスマートフォン)
関脇 LINE(スマホ用の無料通話アプリ)
小結 メッツコーラ(トクホ初のコーラ)
小結 オランジーナ(仏生まれの柑橘系炭酸飲料)
前頭 アサヒドライゼロ(ノンアルコールビール)
前頭 テルマエ・ロマエ(古代ローマ人が日本にタイムスリップする映画)



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