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見てみたい、日本の「進化」

2022年04月04日 | 読書
 著者の本は2冊目。昨年読んだ本もなかなか面白かった。その時も書いているが「ズームバック×オチアイ」という番組を何度か観たことがあって、この若き研究者の発想や物言いは新鮮に思えた。「複眼的な視点」よとは違った意味で、確実に新しい世代の波を受けた感じがした。今回は他の論者も入り、より激しい。


『日本進化論』(落合陽一  SB新書)



 「ポリテック」。「政治Politics」と「技術Technology」を掛け合わせた造語がキーワードである。第一章が「ポリテックで『失われた20年』は取り戻せるか」という題で小泉進次郎と対談している。どうしても世代論というか世代格差で分析しがちだが、テクノロジーは全て目の前にあり、我々が日々対している。


 先日も仕事上のある新しい試みについて職場で話をしていて、実現するための「困難」の一つに、図書管理システムの制限があることに気づいた。それでつい格好をつけ冗談交じりに、こんなことを言ってしまった。「そうやって、我々人間は、システムに殺されていくんだよな」。システムとはテクノロジーのことだ。


 しかし、対談中の落合の発言を読み、はっとさせられた「テクノロジーそれ自体は、人間の外側にあるものではなく、人間の身体とつながった相互作用の中にある、いわば生態系みたいなものだ」。ふだんから人間VSテクノロジーと短絡的に考えてしまいがちだが、それは使い手としての自分を貶めていることになる。


 高齢化社会、財源、スポーツ等、内容が複数あったが、教育にどうしても目がいく。論者の一人川上量生氏の「徴教師制」という提案が面白かった。裁判員制度のような仕組みを学校教育にも導入しようというのだ。ねらいは誰しもわかるだろう。そこまで抜本的に見直すのが「進化」なのかもしれない。見てみたい。


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