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桜と絵本と豆乳と

1984年の「まごころ秋田」

2021年08月24日 | 雑記帳
 コロナ感染拡大予防のため臨時休館になったとき、開館時にはなかなか出来ない閉架書庫等の整理が行われた。図書館として登録する必要のない資料も送られてくるので、スペース確保のため廃棄処分をせざるを得ないものが結構あるのだが、通常勤務では人手も時間も足りない。その意味では休館を有効活用できた。


 さて、廃棄するなかには古い雑誌等も多いが、中の一冊に目が留まった。「まごころ秋田」と題された『旅の手帖臨時増刊号』である。旅行好きであってもこの雑誌はあまり目にすることがなかった。題名からすると、たしか国鉄!のキャンペーンと連動していると思った。案の定「国鉄協力」の字が表紙に打たれている。



 1984年つまり昭和59年、自分が結婚した年だなあと、かなり日焼けしたページをめくってみた。「お国自慢インタビュー」という秋田出身者9名に訊くコーナーがあった。「桜田淳子」「伊勢ヶ浜親方(元大関清国)」「矢口高雄」「佐藤嘉尚」「友川かずき」「因幡晃」「大坂志郎」「むのたけじ」「柳葉敏郎」と並んでいる。


 すでに亡くなった方が半数で、現役感があるのは柳葉ぐらいか。彼が「欽ドン」に出ていた頃だ。県出身者の著名人を辿ると、意外と歴史や個性がわかる。秋田の持つ土着性は他県に比べて強いのかなと思う。取り上げられている名産物にも大きな変化がない。稲庭うどんのように人口に膾炙された品もあるのだが…。


 温泉、郷土食、伝統芸能、工芸等…これらもしぶとく生き残っているようだ。個人的な嗜好が強いので「美酒王国秋田」のページはゆっくりめくる。全部で56の酒蔵が紹介されている。ふと、今はどうかなと思い調べたら蔵元数34と出てきた。それが時代の変遷だろうと順に蔵元を見ていくと、えっと思うことに出合う。
 つづく


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