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桜と絵本と豆乳と

百通りの悩みの解決

2013年10月28日 | 読書
 今までうまく月を撮ることはできなかったが,退勤時にたまたまいいポイントがあったのでシャッターをきってみた。安価なデジカメでも結構いい出来のように思った。十三夜翌日で,それなりのいい形をしている。「花鳥風月」とはよく言ったもので,被写体として挑戦したい題材にもなっている。近づいてみたい。



 『古典落語100席』(PHP研究所)を読んでいる。落語のダイジェスト集である。ちょっと落語の知識も増やしたいと思った。監修した立川志の輔が前書きに「今アナタが悩んでいることがあれば,この百の落語の中に必ず同じパターンがある」と書いている。そうかもしれない。悩みは百通りなのかもしれない。


 吉田修一の『元職員』(講談社)を読んだ。実に著者らしい作品。公金横領に喘ぐ公社職員がバンコクへ旅する。落語にある百通りの悩みの中に分類される事だが,江戸時代との大きな違いは身体性だ。煌めく虚飾の世界と,血と汗まみれの地べたの現実。現代に生きる人は何に悩み苦しみ,何に安心し癒されるか。


 「嘘って,つくほうが嘘か本当か決めるもんじゃなくて,つかれたほうが決めるんですよ,きっと。」…青年が語るこの言葉は鋭い真実だ。他人の話のどこまでを信じるか,私たちの会話も常にその選択の連続で成り立っていることを思えば,その結着をどこでつけるか,何を使うか。悩み解決とはその見極めである。

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