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その「いだてん」見逃せない

2019年02月16日 | 雑記帳
 NHK大河ドラマだからだろうが、視聴率が一桁に落ちたことが新聞記事にもなる。来年の五輪を意識させつつ、宮藤官九郎脚本で話題を集めたいと願った制作サイドの思惑は今、いかに…。ずっと大河は見続けていて、確実に言えるのはよくも悪くも「異色ドラマ」ということだ。


 視聴率が悪い点の理由を「時代設定(近現代は駄目)」とする論が多い。主たる視聴者層を考えると、そうかもしれない。しかしこのドラマ、第一話を観た時点で、これは視聴率は上がらないだろうと既に予想できた。場面構成や展開にスピード感があり過ぎ、のんびり観ていられない。


 個人的に宮藤脚本は好きだし、演出も含めて意図はわかる。視聴率という数的データから離れ、高評価している人も少なくないようだ。それにしても、ゴチャゴチャ感が溢れている。豪華な役者陣のキャラは立っているが、細切れで伝わりにくい。その混在を楽しむ論もあろうが。


 宮藤は週刊誌連載に「このホームドラマ感が僕は大好きです。城がどうの兵がどうのと、男のしかめっ面ばかりが大河じゃない」と記している。確かに、ホームドラマとして観れば親愛の情溢れるシーンは巧い。ただ大河の持つイメージとの両立には筋を見やすくする工夫が必要だ。


 もちろん「貫く」ポリシーがあるかもしれない。大河ウォッチャー(笑)として見続けるつもりなので、その変化の有無に注目したい。「いだてん」とは「足が速い」こと。「足がはやい」が腐敗していく意味か、それとも売れ行きが上がっていく意味になるのか。ドラマ作りが見逃せない。