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「食足世平」を貫いた人

2016年06月14日 | 雑記帳
 横浜に出かけるので20年ぶりにラーメン博物館にでも寄ってみようかなと思っていた。検索していると「カップヌードルミュージアム」が付近にあることがわかり、俄然興味が湧いてきた。実は朝のNHK連ドラ「てるてる家族」の再放送を見ていて、そこに登場した安藤百福の存在がとても面白く、印象に残ったからだ。


 チキンラーメンに始まり、カップヌードルそして宇宙食ラーメンまで、その成功物語について少しは知っていたが、トータルで見てみたかった。またその建物全体プロデュースを、あの佐藤可士和がしている点も気になった。日曜日午前、家族連れなどで賑わうその場所へ。エントランスからなかなかオシャレだった。



 最初の展示である「インスタントラーメンヒストリーキューブ」で、数々のラーメンの展示は壮観だった。それは1958年から始まり、まさに我々の世代が歩んできた道と重なる。個人的にチキンラーメンの馴染みは今一つだが「出前一丁」「どん兵衛」「ラ王」そして有名ラーメン店とのコラボなど日清恐るべしである。


 創業者である安藤百福の歩みで強調されているのは、創造的思考の大切さ、そしてあきらめないこと。数々の偉人の成功と重なる点が多い。特徴的な四字熟語?が提示されていた。「食足世平」…「食足りてこそ、世の中が平和になる。」これが百福の志であり、それを麺に求め一生を貫いた原動力だろう。徹底していた。


 見どころはまだまだあったが、さすが佐藤可士和と思わされたデザインを最後に見つけた。見終わり建物の外へ出て足元を見た。タイルが敷き詰められたおしゃれなアプローチなのだが、その中に百福の言葉らしきピースが埋め込まれている。たくさん撮ってきたが一番お気に入りなのはこれ。現役世代を勇気づける。