一週遅れの放送で、「運命の人」というTBS系の連続ドラマ初回を見た。
http://www.tbs.co.jp/unmeinohito/
山崎豊子原作ということで、時期は少しずれるがかつての「華麗なる一族」が思い出される作りだった。実在の事件がもとになっていて、キャストも豪華のようだが、スタートとしてあまり芳しい視聴率ではなかったようだ。
そんな下世話?なことはともかく、本木雅弘扮する主人公の新聞記者がずいぶんと勇ましい。個人の性格を超えて、時代がそういう要素を求めていた部分もあるだろうと思う。
スクープをとり、飲み屋で後輩連中に弁舌を揮うその弓成記者が、こんなこと(正確なセリフではないが)を言う。
新聞記者は言われたことだけを書く「ブン屋」ではなく、そこから真実を訊き出す「トイ屋」でなければならない。
トイは「問い」に違いない。
なかなか洒落たことをいう。
現実のストーリーとはちょっと別の展開になるとしても、明快な主張である。
言うまでもなく、描かれているこの時代の政治(佐藤栄作首相時)に絡んで、最近になって多くの秘密事項が隠されていたことが明らかになっている。
その時代を生きた人々が愚かだったとはけして思わないが、「重要な情報を公開することがけして有益ではない」といった旧態然とした観念や、「勢力抗争の中における駆引きの取引材料」としての扱いの横行が、それらを見逃していたことは想像に難くない。
そんななかで、本質的な「問い」を持っている人の存在は貴重だったし、まだマスコミの中にもそういう信念を持った人はいたのではなかったかと予想される。
敗戦を経験し、国が行う情報操作の怖さを身をもって体験してきた人たちの中には、自分の中に生ずるごく小さな問いも疎かにせず、ねばり強く権力に対峙してきた方も多いと思う。
そういう経緯を経てきたには違いないが、今の日本のマスコミの報道状況は…
と嘆く展開は、あまり普通で、あまりに安易に過ぎるか。
テレビや新聞に期待することはほとんどないという方もいらっしゃる。
しかし、今現実にこれだけの情報提供の頻度があり、目に触れているとすれば、無視することはできないだろう。
肝心なことは、対象となっている我々が「問い屋」になるということだ。多くの「問い屋」を育てることだ。
いや「屋」というのは,表現上は難しいかなあ…そんなことを考えていたら,教師というのも「問い屋」と称されてもいい職業であること,だからこそ,そのセリフが心に留まったのだろうことに気づいた。
http://www.tbs.co.jp/unmeinohito/
山崎豊子原作ということで、時期は少しずれるがかつての「華麗なる一族」が思い出される作りだった。実在の事件がもとになっていて、キャストも豪華のようだが、スタートとしてあまり芳しい視聴率ではなかったようだ。
そんな下世話?なことはともかく、本木雅弘扮する主人公の新聞記者がずいぶんと勇ましい。個人の性格を超えて、時代がそういう要素を求めていた部分もあるだろうと思う。
スクープをとり、飲み屋で後輩連中に弁舌を揮うその弓成記者が、こんなこと(正確なセリフではないが)を言う。
新聞記者は言われたことだけを書く「ブン屋」ではなく、そこから真実を訊き出す「トイ屋」でなければならない。
トイは「問い」に違いない。
なかなか洒落たことをいう。
現実のストーリーとはちょっと別の展開になるとしても、明快な主張である。
言うまでもなく、描かれているこの時代の政治(佐藤栄作首相時)に絡んで、最近になって多くの秘密事項が隠されていたことが明らかになっている。
その時代を生きた人々が愚かだったとはけして思わないが、「重要な情報を公開することがけして有益ではない」といった旧態然とした観念や、「勢力抗争の中における駆引きの取引材料」としての扱いの横行が、それらを見逃していたことは想像に難くない。
そんななかで、本質的な「問い」を持っている人の存在は貴重だったし、まだマスコミの中にもそういう信念を持った人はいたのではなかったかと予想される。
敗戦を経験し、国が行う情報操作の怖さを身をもって体験してきた人たちの中には、自分の中に生ずるごく小さな問いも疎かにせず、ねばり強く権力に対峙してきた方も多いと思う。
そういう経緯を経てきたには違いないが、今の日本のマスコミの報道状況は…
と嘆く展開は、あまり普通で、あまりに安易に過ぎるか。
テレビや新聞に期待することはほとんどないという方もいらっしゃる。
しかし、今現実にこれだけの情報提供の頻度があり、目に触れているとすれば、無視することはできないだろう。
肝心なことは、対象となっている我々が「問い屋」になるということだ。多くの「問い屋」を育てることだ。
いや「屋」というのは,表現上は難しいかなあ…そんなことを考えていたら,教師というのも「問い屋」と称されてもいい職業であること,だからこそ,そのセリフが心に留まったのだろうことに気づいた。