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観客席で思ったこと ~200文字限定のスポーツコラム~
 



WJBLプレーオフ・第5戦
富士通 57対59 JOMO
(2007/3/14 NHK BS1)

JOMOサンフラワーズが、59対57の2点差でプレーオフ第5戦を制し、2006-2007のWリーグの女王の座についた。勝因は、高さと若さと伝統か。

高さとは、もちろん、センターの山田(192cm、108kg)である。第3戦で、37分という長い時間プレーし続け、38得点をあげたことで、大きな自信をつけたように見えた。第4戦、第5戦でも、コートに立ったときには、落ち着き払ったプレーぶりで、自ら得点しながら、味方の好プレーをリードした。山田の存在がJOMOの精神的支柱になっていたことは明らかだ。

キャプテンの大神、新人の吉田、“火の玉ガール”立川の若さあふれるプレーは、さいごまで失速することがなかった。ときにミスも重ねたが、積極さゆえのものだった。試合前のベンチの様子がテレビに映ったとき、富士通の選手がみな青ざめた表情をしていたのに対して、JOMOの選手には明るさがあった。スタメン5人の平均年齢は、富士通の29歳に対して、JOMOが24.8歳だった。第5戦に出場した7人では、27.6歳と23.2歳だった。1週間で5試合を戦わなければならなかったプレーオフ。JOMOの若さが大きな武器になったことも明らかだった。

そして、“伝統”である。日本航空、富士通、トヨタの台頭によって、1990年代から続いてきた、JOMOとシャンソン化粧品の2強という構図が変わりつつあるようだが、結局、Wリーグの女王に輝くのは、JOMOかシャンソン化粧品なのである。正月の全日本選手権では、日本航空や富士通が優勝しているが、リーグの女王には、あと一歩届かない。これこそが、目に見えない、言葉で言い表せない“伝統”の力なのだろう。

富士通にとっては、第3戦で、一気に勝ちきることが出来なかったことが、最大の敗因だった。第3戦で外角からのシュート確率を落としてから、立ち直ることができなかった。アウトサイド・シュートを武器とするチームの宿命かもしれない。

そのうえ、この日の試合では、第4クォーターに矢野良子が安易なファウルを重ねて、ファウル・アウトしてしまった。第1クォーターで、ファウルを2つしてからは、よく我慢してプレーしているな、と思って見ていたが、第4クォーターで集中力が切れてしまったようだ。

JOMOの若さと高さと伝統に対抗するための富士通の最大の武器は、エース矢野良子の経験だった。そのエースがコートから去ってしまったチームが勝てなかったのは、当然の結果だった。

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