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観客席で思ったこと ~200文字限定のスポーツコラム~
 



浦和レッズ 2対1 横浜FC
(2007/3/3 埼玉スタジアム2002)

昨季の2冠王者、浦和にとって、J1初参戦の横浜FCが守りに徹してくることは十分想定内だったはずだ。しかし、浦和は横浜FCの守備を切り崩せなかった。まるで、1週間前のゼロックス・スーパカップのリプレイを見ているかのようだった。

横浜FCは、久保をトップに残し、残りの9人が、キャプテン山口素弘の指揮に従って、冷静に浦和の攻撃の芽を摘む。埼玉スタジアムの大声援のなかで、横浜FCの選手たちは、もっと浮き足立ってしまうかと思っていたが、そんなことはなかった。最終ラインの小村、中盤の山口、奥といったベテランが、周囲に対してさかんにコーチングをしていたためだろう。

横浜FCにとって、浦和がトップのワシントンにボールを集めてくるのは、もちろん想定内だったはずだ。だから、小村と早川がきっちりとワシントンをマークをしていた。対して、浦和は、そのとおりの攻めを繰り返して、自ら袋小路に入り込んでしまった。浦和は、あまりにも無策だった。

もっとも想定外だったのは、もちろん、久保の同点ゴールだ。中盤の高い位置でボールをもらい、ドリブルで相手をかわしながら、ゴール方向に向いたと思ったら、強烈なシュートが放たれた。25~30メートルはあっただろうか。ゴールが決まった瞬間、6万人近い(公式入場者数の発表がなかった)観客が凍りつくように静かになった。センターサークル付近では、久保が雄たけびをあげていた。開幕戦にして、今シーズンのベストゴールを見たような思いがした。

試合は、後半40分に、永井が決勝点を決め、2対1で浦和が勝った。苦しい内容ながらも勝利をものにした浦和と、あと5分間、守りきることができずに勝点1を逃した横浜FC。

想定外の内容だったが、想定内の結果に終わった試合だった。

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