<パリ・オリンピック雑感 2024/8/5-2>
馬場馬術競技の決勝は18人が出場。6人馬ごとに場内整備があり、前日までの成績の低い順に演技をする。最後の上位6組の演技が始まると、場内の雰囲気が明らかに変わった。そして、前日まで5位だった、東京大会2位のイザベル・ヴェルト(ドイツ)が入場してくると、さらに場内のテンションが高まった。切れ味のよい、軽快な演技が続き、手拍子に合わせてエンディングへ。演技が終わると、場内はスタンディングオベーション。そして、89.614%の高得点に大歓声。続いて、英国のシャーロット・フライ。英国国歌「God Save The King」やビートルズの名曲をアレンジした音楽に合わせた軽やかな演技が素晴らしかった。音楽と演技の両方で観客の心をとらえ、場内を柔らかな雰囲気にしていた。しかし、得点は88.971%にとどまった。続いて、東京大会金メダルのイエシカ・フォン・ブレドフ=ヴァーンドル(ドイツ)は、前の2組に比べると、ダイナミックさが上回っていたようにみえた。得点は、唯一の90%台。最後は、前日まで1位だったデンマークのラウドルップ・ドゥフォウル。演技の序盤に、ぼくのような素人でもわかるような、その瞬間、場内でも「おおっ!」という驚きの声が上がったほどの不自然な動きがあり、88.093%で5位になってしまった。
結局、1位イエシカ・フォン・ブレドフ=ヴァーンドル、2位イザベル・ヴェルトは、東京大会と同じ。一番楽しく感じた英国のシャーロット・フライが3位となった。初めて生で観た「世界最高峰」の馬場馬術は、想像以上に素晴らしかった。フランス・ベルサイユまで来たかいがあった。