THE ARCTIC - オーロラの地を旅する

北欧北極圏、アイスランド、グリーンランドの旅行情報

温暖化の次は寒冷化?

2013-11-15 | 北極圏ニュース
いよいよ各国のメディアが太陽活動の現状についての詳細を報道し始めたようだ。
9月、英テレグラフ紙と米デイリー・メール紙は、近いうちにも地球寒冷化が始まり、それは21世紀半ばまで続くと伝えた。すでに今夏、北極を覆う氷は、昨年より60パーセント増加したという。
過去200年間の中で太陽活動が最低の活動水準になっており、気候温暖化も抑えるほどのレベルである可能性が出てきている。

英国BBCは、2007年に「地球温暖化により、2013年の夏には北極の氷は消えているだろう」という内容の記事を出したが、それから6年後の今、氷面積は増加している。氷面積は減るどころか、氷床はヨーロッパの半分以上の大きさに達しており、それはカナダの島々からロシア北部の海岸にまで拡大している。

地球上では、大きな氷河期が4回あった。学者たちによると、現在の間氷期は、およそ1万2000年前に始まった。現在の気温は快適で、人類は今、非常に好適な状況にあるという。世界自然保護基金(WWF)ロシアのアレクセイ・ココリン気候問題担当は、現在の状況について、これは「中休み」であり、いずれ終わりを向かえ、新たな氷河期が始まるとの考えを表し、次のように語っている。
「氷河期は訪れるだろう。だがそれは、早くとも1万年から1万5000年後のことだ。今後10年間で地球が冷え込む可能性はあるが、地球温暖化を否定することにはならない。調査により、海水温は上昇していることが明らかとなっている。問題は、大気の平均的な温度ではなく、全気候システムの温度だ。大気の温度はそのうちの7パーセントにすぎない。気温だけで全てを決定してはならない。海洋は、地球温暖化が続いていることを明確に示している。」 

地球温暖化を背景に、短期間の寒冷化が起こることになる。ココリン氏は、北極を覆う氷の増加について、次のように語っている。
「昨年2012年の氷の量は記録的に少なかった。今年の氷の量がかなり多くなるのは明らかだ。北極の氷は毎年溶解するわけではない。氷の変化は数年間の周期を持っている。現在の氷の量は、2009年と同量だ。だが、1980年代よりは少ない。」

北極の氷の変化に関する周期は、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の報告書でも確認されている。しかし、氷が増えることによるメリットもある。氷上で調査を実施しているロシアの漂流ステーション「北極(セーヴェルヌイ・ポリュス)40」は2012年、やっとのことでステーションを設置できる氷を見つけた。そして8ヵ月後には氷が崩れ始めたため、予定よりも早く調査を終了した。だが2013年は、もっと頑丈な氷を見つけることができるかもしれない。これは非常に重要だ。なぜなら漂流ステーションでは、地球の気候変動に関する情報の収集や研究が行われているからだ。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿