メチャの亡くなった翌日くらいから、トモちゃんが姿を見せなくなってずっと探していた。
2週間くらいして、埼玉の三郷にいるお客さんのところへ行ったとき、駐車場でお客さんと話していると、車の下から猫の鳴き声。
普通に、ああ、猫がいるんだ、と下を覗いてみたけど、どんな猫かはわからなかった。
お客さんに、「まあ、ないとは思うけど、お客さんのトラックに乗ってここまで来てたりするかもしれない。」
と半分冗談で話していた。
もし猫見かけたら教えてくださいと伝え帰った。
翌日、お客さんから「昨日鳴いてた猫だと思います」
と画像が送られてきた。

トモちゃんじゃんっ!!!
画像を拡大して確認したけど、ほぼ間違いない。
すぐ連絡して、仕事を中断して三郷に向かった。
夕方になってしまったけど、見かけたという昨日猫が鳴いていた駐車場を中心に付近を捜索。
一本横の路地を歩いていたらすぐ見つかった。
「トモちゃん!」
住宅街なので小さめの声で呼んでみる。
俺には気づいているけど、近づいてこない。
そばに行こうとすると逃げてしまう。
間違いなくトモちゃんだ。
しばらくその場で呼んでいると、返事をするようになった。
でも寄ってこない。
いなくなってから2週間だ。相当怖い思いをしていたんだろう。
トラックの荷台に閉じ込められて、鎌ヶ谷から三郷まで約1時間、一人で怖かったろう。
俺のことも忘れているのか。警戒が強い。
でも、フラフラもしていないし、元気はありそう。
多分、どこかで餌をもらっているんだろう。
その後、遠巻きに俺を見ながらどこかへ消えてしまった。
この日はあきらめ、翌日昼間行ってみた。
すぐ見つかった。
だいたい同じ場所をうろついているようだ。
ちゅーるを見せるとすぐ寄ってきて俺の手から食べた。
撫でても嫌がらない。
すぐに首元をつかんであらかじめ用意していたバスケットに入れようとした瞬間暴れて逃げられてしまった。
一生の不覚!
もっと慎重に確実にやるべきだった。
そのまま離れた場所へ逃げてしまって出てこない。
もう今日は警戒マックスで姿を見せないだろう。
でも、少しだけ抱き上げたトモちゃんは、体重もしっかりあって、元気そうだった。
やっぱりエサはもらえてる。そうでなきゃ、この炎天下、エサも食わずに2週間も生きられない。
少し安心した。
翌日の夜、再び三郷へ。
バスケットと、洗濯ネット、ちゅーるを手に付近を歩く。
こんなの不審者にしか見えないだろうなぁ、と気を使いながら静かに探す。
その時、家の外でタバコを吸っていた男性と眼が合い、話しかけられた。
「何か探してるんですか?」
挨拶をして、事情を説明すると、
「ああ!あの猫の飼い主さんですか!」
なんと、この人はトモちゃんがこの辺にきて数日後、フラフラしているのを見て、かわいそうだとエサや水をあげてくれたらしい。
家の中から奥さんも出てきて、話を聞いて喜んでくれた。
「よかった!飼い主さんいたんですね!」
千葉からトラックの荷台に乗ってきてしまったようだ、と説明した。
ここに来た頃、相当にフラフラでもう危ないくらいだったという。
もともと痩せていたので、それを見て、エサも食べずにガリガリだと思ったようだ。
その後、このうちで餌や水をもらって食べるようになり、元気になってきたと。
お礼を言い、いろんな話をして、今後もエサや水はあげるから心配しないで、と言われ、この日は帰った。
翌日夜、新しいエサとちゅーるを買って、その人のお宅に持って行った。
夜分なので玄関前において、あとで電話した。
その電話で、この日も昼間駐車場でごろごろしていた。と教えてくれた。
だいぶこの辺りに慣れてきているようだ。
さらに、もう一軒ご近所さんが、一緒にエサをあげてくれることになったとも聞いた。
とりあえずこれで餌や水の心配はなくなった。
ただし、他の家などで、野良猫だと苦情が出ても困るし、保健所などに連絡されても困る。
このご家族にもその辺を話して、なるべく早く保護しますと伝え、帰宅。
この2日間、夜はトモちゃんを見ていない。
昼間しか出てこないようだ。
次回、時間を作って昼間行ってみようと思う。
今度は失敗しないように、慎重に、用意周到に。
とにかく、元気でいてくれてよかった。
怖い思いさせたな。
必ず戻れるようにするからな。

このエリアにいる。
俺お客さん、最初の協力者さん、その人の隣人の協力者さん。
みんなに俺もトモちゃんも助けてもらってる。