7月27日(日)
のちとっても
今朝は普通に起きて、犬の様子を確認する。
昨日よりもだいぶ弱っているけど、俺の顔を見ると尻尾を弱々しくではあるけど振ってくれる。
畜生ッ!
こんなに苦しい状態なのに、飼い主に対する気持ちを表現しようとしてる。
それに対して、今は何もしてやれないのが悔しい。
おそらく、もう、病院に連れて行って投薬をしても変わらないところまできてる。
それでも、午後には連れて行ってやるから。
それまで多分、もたないだろう・・・・
朝のうちに、実家に行ってバスタオルなどをもってきた。
昨日の夜はエサも食べなかったので、たぶん便もでないだろう。
今のうちに、体のダニを少しでも取っておいてやる。
この状態で病院に行ったら、ダニをばらまいてしまうから。
寝ている場所に日が当たらないことを確認して、1時間ほどバスケの試合のビデオ撮影に出かける。
病院は、帰ってから、夕方の診療時間まで待たなくてはならない。
試合から帰ってきたときは、まだ意識もあった。
でも、かなり悪い状態。
視線もうつろだ。
口に少し水を含ませてやる。
もう自分で起きることもできない。
朝に続いて、ダニを取ってやっていると、急に起き上がろうとする。
「寝てていいんだよ」と言っても、必死に立ち上がろうとする。
たぶん、最後の時だな。
と思った。
その直後に倒れこんで、息をひきとった。
これまで他の犬も、死の直前になるとこんな風に立ち上がろうとすることが多かった。
まだ死にたくない、と思ってか、最後に俺に何か伝えたいのか、
理由はわからないけど、だから死ぬことがわかってしまう。
まるで俺が帰ってくるまで、待っていたかのように死んでいった。
苦しかったろうなぁ。
もう、苦しいことはないよ。
そうつぶやきながら、最後の処置をしてあげた。
本当なら一晩そのままの状態で置くんだけど、夏でもあるし、ダニも多いので
今生きているほかの犬たちのためにも今回は早めに埋葬することにした。
こういう時にも冷静な自分が、なんだか腹立たしい。
1時間ほどかけて穴を掘った。
今回も他の犬が見える場所だ。
埋葬が終わってからしばらくしたら、激しい雷雨になった。
予報どおりなんだけど、なんだか、俺が怒られているような気分になった。
何で早く病院に連れて行かなかったのか、
何で見捨てるようなことをしたのか、と。
こうなることはわかっていてした事だけど、ごめん、としか言いようがない。
俺んとこに来て、幸せだったのかよ?
お前の治療のために用意した金を、他の犬たちのために使わせてもらうよ。
非常に、きつい。
気が抜けたのか、墓堀で疲れたのか、
なんだか眠い。