1週間前の土曜日、隣の空き地でいつものようにゴルフの素振りをしていた。
いつものように、猫たちが近くで寝転んだり遊んだりしている。
もちろん、注意を払いながら素振りしていた。
ドライバーからアイアンに替えて、全力で振ったとき、とんでもないことが起きてしまった。
俺の後ろ側から、「カギッポ」が走ってきてしまい・・・・・
今でもその時の感触が手に残っている。
なんでうしろから、なんでこのタイミングで、なんでこの場所に・・・・
外傷はほとんど無かった。
意識もすでに無く、抱きかかえて仕事場につれて帰りずっと呼びかけていたけど数分で・・・・
「ゴメンな!ゴメンな!ホントにゴメンな!」
それしか出て来なかった。
夢であってほしい、俺が目をつぶって開いたら、「ああ、夢だったぁ、良かったぁ!」となって欲しい。
どれだけ願ったか。
俺の命で償えるなら、神様、代わりに俺を連れて行ってくれ!
仕事は待ってはくれず、まだ温かく、やわらかいカギッポを寝かせて、泣きながら仕事した。
夜には冷たくなっていた。
翌日、墓を掘って埋葬した。
しばらくはクラブを握ることができなかった。
このままゴルフやめてしまおうか。
楽しいことなんて全部やめてしまおうか。
数日経ってから、俺がゴルフやめたってカギッポは生き返らない。
カギッポがどう望んでいるかわからないけど、カギッポのこと忘れることなく、今までどおりに生きていこう。
今俺が死んだら、他の猫や犬が困る。
この子達が天命をまっとうしたら、俺も連れて行ってもらおう。
だからそれまで、俺は楽しいことをやっていくぞ。
そう思うことにした。
ブログも何とか書けるようになった。
ゴルフの練習もしてみた。もちろん、練習場で。
空き地ではもう練習しない。
クラブを持ったらあの時のことが甦ってしまったけど、強引に振り続けた。
ボールも打つことができた。
家族にも、誰にも話していなかったのでみんなといつもどおりに接してこれたことで気持ちの整理が少しづつできたようだ。
今でも、思い出すと悲しいしつらいけど、俺に殺されたカギッポのほうがもっとつらいに決まってる。
俺が殺した。
このことはこれからも絶対忘れてはいけないし、後悔し続けなきゃいけないと思ってる。
決して許されることではないんだ。
カギッポを埋葬するとき、願いをこめた。
「俺を恨んでくれ。憎んでくれ。そして幽霊でもいいから、夢の中でもいいから、出てきてくれ。そしたら、もう一度、ギュってしてあげるから。」
ゴメンね、カギッポ