Side Effect (#158)

2007年01月17日 | soul,r&b

     ==== SIDE EFFECT ====

Side Effectと言うVocal Groupをご存知であろうか?ご存じなくともFUNK系リスナーであれば、彼らのヒット曲『Always There』はFantasy系のJazz FUNKコンピ等に入っていたり、UKのJazz-Funkバンド『Incognito』もカバーしているのできっと耳にした事があるだろう。

  ====幻の1stアルバム『Effective』====

私の知っている限りでは彼らは'75年~'81年の間に6枚のアルバムを発表している。'73年には『Effective』と言うアルバムを制作していた。ほとんど評判にもならず、売れなくて忘れ去られていたようだ。この幻の1stアルバムは2001年に復刻された。当時はセッションシンガーで有名なJim Gilstrapが在籍していた。彼はL.A.の70's~80'sのレコーディングにはかなりの数参加していた。ちなみにStevie Wonderの『You Are The Sunshine Of My Life』の冒頭のリードは彼である。
このアルバム、その後のSide Effectを知る私には少々物足りないが、紅一点Lomotaのリードは80'sの女性リード、Miki Howardに少々近くていい感じである。楽曲やサウンドもクォリティーが高く、Side Effectのコンセプトはまだ確立されていないが、別グループとして聞いてみるとかなりいい作品ではないか?Free Soulあたりがお好きな方はきっと気に入るのではないか?

上のジャケットは幻の1st『Effective』

Members : Lomita Johnson
Augie Johnson
Jim Gilstrap
Gregory Matta
Louis Patton



   ====1stアルバム『Side Effect』====

彼らの転機はJazz-Fusionバンドの雄、The CrusadersのTrombone奏者であった"Wayne Henderson"との出会いである。
Wayneが立ち上げた『At-Home Production』に所属して、Fantasyレコードと契約する。こうして1stアルバム『Side Effect』が制作、発売されたのである。私は1stは持っていなかったのでこのCD復刻は非常にありがたかった。
この時点でのメンバーはリーダーのAugie Johnson、Gregory Matta、Louis Patton、そして紅一点Sylvia Nabors(Sylvia St. James)であった。SylviaはGeorge Dukeの『Aura Will Prevail』に参加していた。ただ歴代のリードと比べると線が細くて物足りなく感じる。バックのメンバーは2ndからレギュラーになるL.A.Boppersではないが、サウンド的にはすでにSide Effectサウンドになっている。(バンドではないのだが...)
そして何とBassにBrothers JohnsonのLouis Johnsonが参加している。当時はBilly Preston、Quincy Jonesのバンドもやりながら結構レコーディングセッションに参加していたみたい。

Member :
    Sylvia St. James
Augie Johnson
Gregory Matta
Louis Patton


   ====2ndアルバム『What You Need』====

私はこのアルバムを最初に聞いたのであるが、6枚目だけは新譜で手に入れたから多分'80年だったと思う。とにかくそのサウンドのFunkyさにやられてしまった。なにしろGraham Central Stationに夢中だった頃である。Tower Of Power並に(以上?)分厚いHornsにタイトなリズムセクション、時にはJazzっぽく、Gospelっぽいコーラス、全員がリードを取れる、少々難を言えばバラードが今ひとつである事だ。

このアルバムの注目はヒット曲"Always There"のバックが彼らと同じ『At-Home Pro.』所属のバンド、『Pleasure』が務めている。"Honky Tonk Scat"はRobert PopwellのようなスラップにFunkyなコーラス、G.C.S.を彷彿させるドFUNKナンバーで、全面で弾きまくっているPianoはGenius、Bobby Lyleである。終盤で他の楽器がフェイドアウトしていく中フューチャーされ、Augieリードの"Finally Find Someone"に間髪入れずに繋がっているところがたまらなくカッチョイイ!



Helen Lowe :
Sylviaに代わってこの2nd~4thまでメインリードを務めた『Helen Lowe』の野太くパワフルな声がSide Effectの魅力のひとつとなっている。

Augie Johnson :
リーダーでありChorus、Hornのアレンジをこなすスーパーバイプレイヤー、コーラスの要でありスムースなテナーボイスの持ち主、Jazz寄りのテイストは彼の志向であろう。

Gregory Matta :
彼のファルセットは素晴らしい!実は時々Bassを担当するのが彼である。"Time Has No Ending"でのソロは圧巻だ。もっといい曲を歌わせてみたい。

Louis Patton :
ハスキーなテナーボイスの持ち主、高音のシャウトはめっちゃカッチョイイのだ!
リードとしては彼が一番好きである。

ってなわけでVocal GroupファンにもFUNKファンにもアピールする実力派グループである。2ndアルバムはG.C.S.好きなら100%気に入ってもらえるだろう。1stがLouis Johnsonだから一枚で二度おいしいCDである。

次回は3rd以降のLPも紹介しておこう。お楽しみに!



Side Effect & What You Need
Side Effect & What You Need