発声の基礎#2~力みについて

2006年05月20日 | Soul/R&Bを歌うための理論
       =====リラックス~Breath=====

前回リラックスする事が最優先であると書いた。一番リラックス出来るのは息を吐く時である。声を出している時は声帯を使って緊張を与えていると言う事、お腹にも力が入って緊張状態である。その緊張を解くのがブレス、つまりお腹の力をぬくと声帯の緊張も解けるのである。どうしても息を吸う事に頭が行てしまいがちだが、実は息を吐く方が重要なのである。と言うのは息を吸う事自体我々人間の生命維持のために本能で吸ってしまう。緊張するとなぜか吐く事を忘れてしまいがちだ。力をぬかないと息が吸えない(次の準備)のだよ。これが自然に出来るようになれば精神的にも肉体的にもリラックスして良い発声、いい歌を歌うための第一歩になるでしょう。

        =====力みの原因=====

ボイストレーナーを長年やっていると声を聞くだけで力んでいるかどうか判断出来る。逆に声を聞かなくても見るだけである程度判ってしまうのだ。
男性に多いのが高音域、レの音あたりから喉を閉めてしまう人が多い。ひどい場合は顎や首に力が入り首が細くなってしまう。音程が上がる度にさらに細くなっていく。★これは首を前に出すとそうなりやすい。☆首の角度は身体とまっすぐにして発声しよう。そしてこういう人は★息が強すぎたり、★舌にかなり力が入っている場合が多い。発声する時、首に筋が入る、喉仏の下が縦に窪む。このような場合は明らかに力んでいます。また腹筋に値からを入れ過ぎると身体全体が緊張して喉にも確実に力みが入るでしょう。

     ===== ”ポジション” を変えない=====

まず前回説明した腹式呼吸の確認から始めよう。そして鏡を見ながら舌を出してみてドミソミドと音程を変えてみよう。楽な音程から始めて半音ずつ上げて行って下さい。もし音程を変える時舌が動くのは余計な動きですよ。あと顎の位置を変えずに音程を変えるようにならなければなりません。舌を動かしたり顎の位置を変えて音程を変える、これを我々の専門用語では”ポジション”を変えないと言う言い方をします。ポジションを変える方法で発声、その癖で歌ったとしたらとてもバランスが悪く、音程もかなり不安定になってしまいます。ましてやMixed Voiceを得ることなど不可能になります。

実際に歌の中では発音する時に顎や舌を動かすことになります。しかし音程を変える時点では動かさないで出来るようにしましょう。

★次回は発音と舌について考えてみよう。