Rubicon #1

2006年04月25日 | FUNK
前回Blue Eyed Soulって記事を書いて思い出したのだ!

    ======Rubiconって知ってるか?======

Rock系、FUNK系、そしてSlyファンの皆さん、Rubiconと言う78年にデビューしたベイエリア出身のバンドを知っているか?バキバキのスラップベースにHorns、なぜかギターはHard rockという白人FUNKバンドであった。SlyのオリジナルメンバーであったSaxのJerry Martiniが中心になり、元Cold BloodのMax Haskett(tp.&vo.)、バンド解散後80'sにブレークしたNight Rengerを結成したBradley Gillis(guitar)とJack Blades(bass)、Jerryと共にSlyの"High On You"に参加しているDennis Marcellino(sax)、Jim Pugh(keyb.)、Funkyな声を持つGreg Ecler(drs.)の7人で二枚のアルバムを発表した。


その1stアルバムであるが、FUNKに焦点を当てて紹介しよう。

A面1曲めは"And The Moon's Out Tonight"はいきなりチョッパーバキバキのHornバリバリのポップなFUNK。サビがThe BeatlesのDrive My CarとSlyのSomebody's Watching Youを足して2で割ったようなメロディーと演奏である。リードはGregであろう。BassのJackはNight Rengerに行ってからはVocalに徹し、全くチョッパーをやらなくなったのであるが、Larry Grahamマナーのアタックが強いプレイが本当にFUNKだったので非常に残念である。

A面4曲めのVanilla GorillaはBassが超バキバキ!Clavinetとの絡みがかっちょええ!超ヘビーFUNK。MaxとGregがリードを分けあう。声が似ているが高くてスムースな方がMax、ハスキーでGrawlを多用するのが多分Gregだ。GuitarはやはりかなりHard rockである。Bradley Gillis、彼はこの時点でまだ20歳だったらしい。後の8フィンガー奏法?で有名になる人だが、すでに地味ながらもここで片鱗を見せている。カッティングも結構上手い。

B面3曲め、"Cheatin' "はアップテンポのFUNK。J.B.並にシャウトしている野太い声のリードはGregであるが、同じ白人であるWild CherryのRobert Parissiに近い歌い方だ。とにかくこの曲はかっちょいい!BassラインはG.C.S.のEntrowに似ている。G.C.S.のアルバム、Star Walkに収録されている”Foxy Lady”のHornアレンジがこのCheatin'に酷似しているのだ。Maurice Spears HornsとなっているがHornアレンジにJerryの名前があるので、多分Rubiconのメンバーも参加しているのであろう(Maurice Spearsはtrombone player)。ちなみにStar Walkの前々作、Now Do U Wanta Danceにすでにデビュー前のRubicon Hornsが参加している。後半に出て来るテナーソロはもちろんJerryによるもの、Funkyなソロだ!
RubiconのHornsのサウンドはT.O.P.あたりと違いAlto saxがいるので、高音域が中心でちょうど同じ編成のSlyのFreshあたりのサウンドに近い。

そしてアルバムラストはメンバーのソロがある”That's The Way Things Are”。やはりBassソロがハイライトである。今ではこの程度のプレイは普通であるが当時としてはホントに凄かったのだ。VocalはMaxであろう。

彼らのサウンドはもちろんかっちょいいが、ヴォーカル専任がいないにも関わらず二人のリードがかなり良いのである。悲しいかなきっとSoulファンからはRockすぎると思われ、RockファンにはRockじゃないと思われたのではいなだろうか?商業的に成功できずにバンド活動に幕を下ろさざるを得なかったのであろう。

未だ二枚のアルバムは復刻されていない。今後も復刻されないのであろうか?悲しい...

彼らは'78年に催されたCalifornia Jam ?と言うイベントに参加していて、そのLIVEアルバムにはLP未収録曲が確か2曲収録されている。これは残念ながら所有していない。
次回は2ndについて語ります。