Blue Eyed Soul #1

2006年04月23日 | Blue eyed soul
Blue Eyed Soulと言う言葉がある。そう言ったジャンルがあるわけではなく、白人が黒人のように歌うスタイルを言うのである。古くは白人が顔に靴墨などを塗り、黒人歌手になりすましてパフォーマンスをするスタイルがあった。日本のシャネルズ(ラッツ&スター)がそれを模倣して成功した。50~60年代ではゴーストのテーマ(Unchained Melody)で有名なライチャスブラザースやエルビス プレスリー、The Animals、(Eric Burdon)、Spencer Davis Group(Stevie Winwood)等がそのように呼ばれていた。

今回は60's後半以降の話である。

60's後半にGroovin'やGood Lovin'のヒットで知られるYoung Rascalsというグループがあった。Felix CavaliereというVocal&Keyb.が中心となっていたグループで、彼の少々しわがれた声がとても魅力的である。70'sに入ってThe Rascalsと改名して二枚のアルバムを残したあと解散するが、最後のアルバムではBuzzy FeitonやRobert Popwell、David Sanborn等が全面的に参加していて、かなりSoul、Funk色が強くなっている好アルバムだ。ただFelixのソロアルバムのような物だが…

もう一つ、60's後半から80年ぐらいまで活動していたSons Of Champlinというバンドがあった。その後Chicagoに参加するVocal、Keyb.& Guitarを担当するBill Champlinが中心となっていた。Felixよりは野太い声でなかなかSoulfulだ。メンバーにHorn Sectionがいたり、5~7人ぐらいで編成されていた。私は昔アルバムを三枚程持っていたが、全部売ってしまった。れらは未だ復刻されていないので誠に残念である。Soul/Rock/Funk/Gospel等がブレンドされた好グループであった。

Daryl Hall&John Oates、彼らはPhilladelphia出身で、Blue Eyed Soulと呼ばれる中では一番成功したグループであろう。すでに故人となった元The TemptationsのDavid RuffinとEddie Kendricsをゲストに迎えたLIVEアルバムで往年の名曲Get Ready、My Girlをメドレーで演奏されたのは非常に印象深い。DarylはMarvin Gayeも大好きだったようだ。Soul的見地から考えると正直技術不足だが、作曲センスや時代を読む能力が高いのであろう。

もう一人Bobby Caldwellがいた。彼のWhat You Won't Do For Loveは黒人アーティストが良くカバーしている曲。Hidekichiも好んで歌っている。この曲はPopチャートよりもSoulチャートの方が上位にランクされたらしい。彼のセンスは結構好きだな。

UKのアーティストにもBlue Eyed Soulと呼ばれた人がいる。結構最近亡くなったRobert Palmerもそう呼ばれたが、私は
彼には全然Soulを感じなかったな。まるで力んで歌う事がSoulと勘違いしているようにしか思えない。Paul Youngも80年代にヒットを飛ばしBlue Eyed Soulとも呼ばれたが、彼も全然問題外だな。

RockバンドのVocalにも非常に高い技術とセンスを持っていた人がいる。No.1はFree~Bad Compony~solo、最近再結成されたQueenのツアーに同行したPaul Rodgersだ。彼の歌はSoulだね。時にクール過ぎるきらいもあるが、Blue note、Minor Pentatonicの使い方は黒人そのもの、Grawlの使い方なんかも今聞いてもばっちりだ。Free、Bad Compony在籍時代は20代であった事を考えると彼の歌がいかに天才的であったことが良くわかるであろう。

スーパースターであるRod StewartはSam Cookeが大好きであったようだ。70's前半に活動していたFaces時代にはTwistin' The Night AwayやYou Send Meなんかをカバーしていた。彼の歌い回しからSamの影響は手に取るようにわかる。最近はJazzスタンダードを中心に歌っているらしい。あまり興味が無いが...

Sam Cookeマナーと言えば、JouneyのSteve PerryはかなりSam Cooke的に歌っている。Rodなんかは目じゃない!Journey加入直後のアルバムで"Lights"と言う曲を歌っているが、まるでSam Cookeである。JourneyってサウンドはまるでPop Rockであるが、実はバンドメンバーはメチャテクだし、歌はかなりSoulなのである。

日本人であるHidekichiにとってBlue Eyed Soulという響きに共感を得たのは、HidekichiがSoulを歌って来たからである。黒人でない我々がSoulを歌うと言う事では近いものを感じる。ただ、彼ら(青目)のように歌いたいとは思わないが...