昨日の天気予報とは裏腹に、どんよりと曇った肌寒い一日でした。
いい日和ではありませんが、こんな日は車も少なくかえってのんびりとドライブが出来るものです。
そこで今日は歴史と自然を一度に楽しもうと言う事で、県中央部を流れる緑川水系をドライブする事にしました。
熊本(松橋)と宮崎の延岡を結ぶ国道218号線を緑川に沿って上流へ遡ると、途中に国道と並行して立派な石橋が現れます。
江戸時代後期の1800年代初頭に建設された“霊台橋”です。
江戸時代、熊本県の旧砥用町~旧中央村一帯には、当時日本で最も高度な技術をもった“肥後の石工”と呼ばれた人たちがいました。
彼らはオランダから伝えられたアーチ構造を使ってこの緑川水系にたくさんの石橋を残しています。鹿児島市の甲突川にかかる石橋も彼らの作品と言われています。
橋の上です。向こうに見える鉄骨の橋がかけられるまでこの橋の上をトラックやバスが走っていたそうです。
重機もない時代に、こんな深い谷にこれだけの橋をかけた彼らの技術には驚かされてしまいます。
ちょうどお昼になったので、国道218号線をはずれて次の目的地である“通潤橋”の傍にある道の駅“通潤橋”で昼食をとりました。
うっかりした事に、この道の駅“通潤橋”の外観を撮り忘れてしまいました。
到着時にちょうど橋からの放水が行われていました。 ラッキ~
この橋も“肥後の石工”の作品です。江戸時代の後半に、水不足に悩む画面右手の白糸台地に農業用水を渡すために、庄屋であった布田保之介が大変な苦労の末、建設したものです。
最近まで現役として使用されていましたが、現在は重要文化財に指定されて観光のためにこのように時々放水しています。
橋の上部は人が歩いて渡れるようになっており、橋の内部に石と漆喰、木材を使って水管が通してあります。
この方が布田保之介さんです。
道の駅近くには、旧矢部町で毎年行われる“八朔祭り”で展示された出し物が展示されています。この出し物、よく見ると杉やシュロの皮、松ぼっくり等、地元の山で採れた自然の産物を利用してあります。
通潤橋の傍には“五老ヶ滝”という大きな滝があるのですが時間がないので今回はオミット。
食事を終えて再び国道218号線に戻り、延岡方面に向けて走ると左手に竜宮滝が見えます。
この滝は落差はないのですが、写真を撮っているこの場所まで車で乗りつけることが出来ます。
マイナスイオンを思いっきり浴びてきました。
今のシーズン、国道沿線の山々にはこのような藤の花を至るところで見ることが出来ます。新緑の中に薄紫の花が映えます。
滝上から流れ落ちる滝を撮ってみました。季節外れの藪ツバキがわずかに咲いていました。
次回は“新緑と石橋めぐりの旅(後編)”として、清和文楽館~九州のへそ“旧蘇陽町”~阿蘇高森峠へのルートを御案内したいと思います。
コメント
- W650 [2009年4月26日 21:49]
- こんばんわ!
霊台橋素晴らしいですね。
200年も前に造ったとは・・・。
昔は今みたいに石を切る機械や重機などが無かったのによくできましたよね。
ペルーのマチュピチュや中国の万里の頂上なんかもホント驚かされます。
なので、私は遺跡をみるのが好きです。
家に居ながらにして、観光した気分になりました。
ご紹介ありがとうございました。 - おぺ [2009年4月26日 23:53]
- こんばんは、おぺです。
滝も心地よいのですが、なんといっても2つの橋にビックリしました。
1枚目の写真では気付かず、2枚目の人との対比でそのスケールの大きさに驚きましたよ!!。この2つの橋って観光ポイントとして有名なのでしょうか?恥ずかしながら自分は知りませんでした。 - まめ八 [2009年4月27日 19:19]
- W650さん、こんばんわ。
いつもコメントを頂き有難うございます。o(^▽^)o
失礼ながらW650さんが遺跡を見るのがお好きだとは知りませんでした。
まめ八も洋の東西を問わず遺跡を見ることが大好きです。
奥様の故郷、マチャピチュ遺跡のあの奇跡としか言いようがない石組み・・・素晴らしいですね。
是非一回行ってみたいと思います。(金と時間が問題ですが・・・(T△T))
>家に居ながらにして、観光した気分になりました。
ご紹介ありがとうございました。
・・・何を仰いますか!こちらこそ毎回楽しい記事を拝見させていただいております。
写真が下手でなかなか現地の姿を紹介できないのが残念ですが、このご時世、少しでも熊本や他の九州の自然や歴史を楽しんで頂ければ嬉しく思います。
この記事は、後編もアップしますので良かったらまた見てやって下さい。 - まめ八 [2009年4月27日 19:27]
- おぺさん、こんばんわ。
いつもコメントを頂戴いたしまして有難うございます。
霊台橋(れいたいきょう)と通潤橋(つうじゅんきょう)は国の重要文化財に指定されています。
県内では、小学校の社会科見学で連れて行きますのでよく知られていますが、県外の方には知名度が低いみたいです。(多分、宣伝が下手なのでしょう)
ライブカメラも設置されてありますので、“通潤橋”でググられるとリアルタイムで見ることが出来ますよ。
橋の上は歩いて渡れますので熊本にお越しの際には是非お寄り下さい。(欄干がないので結構スリルありますよo(^▽^)o)
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