読書感想とロードバイク日記2

週末のお天気の日にロードで走っています。晴耕雨読ならぬ、晴れたらバイク、雨の日は読書の日々

「隠蔽捜査」

2016年04月05日 | 日記
今野敏(新潮文庫)

ブックオフにて108円で購入。
身近な?話で面白かった。
冒頭、キャリアの警察官僚の生態を描いて「変わり者」としているけれど、多分、昔のキャリアは入省(庁)当初は100%この通りの考えと信念だったと思う。今でも当初はそうだろう。それが数年たったら精神が弱い者は耐えられず脱落する。仕事のつまらなさというか最初は下働きだし、政治家相手の仕事は本来の国民のための「仕事」とはかけ離れ、嫌になってしまうことも少なくなかろう。それを耐えて将来に希望をもっていてもそれが実感できることは少ない・・・となると、いかに組織の中を泳いでいくかに関心が向く。それは一種の「腐敗」にもつながることもあるのだろう。トップに行くと、時間がかかりすぎるせいか、いつのまにか最初の志を失ってしまうのが嫌ですね。

本書の中で気に入った文章。その1)「どんなにつらくても、耐えなければならないときがある。それが生きていくということだ」その2)「危機管理は官僚の腕の見せ所なのだ」その3)奥さんとの会話「おまえ、けっこういい官僚になれるかもしれないな」「主婦をなめないでね」

内容紹介は
『竜崎伸也は、警察官僚である。現在は警察庁長官官房でマスコミ対策を担っている。その朴念仁ぶりに、周囲は〈変人〉という称号を与えた。だが彼はこう考えていた。エリートは、国家を守るため、身を捧げるべきだ。私はそれに従って生きているにすぎない、と。組織を揺るがす連続殺人事件に、竜崎は真正面から対決してゆく。警察小説の歴史を変えた、吉川英治文学新人賞受賞作』

著者略歴も
『今野/敏
1955(昭和30)年北海道生れ。上智大学在学中の’78年に「怪物が街にやってくる」で問題小説新人賞を受賞。レコード会社勤務を経て、執筆に専念する。2006(平成18)年、『隠蔽捜査』で吉川英治文学新人賞を受賞。さまざまなタイプのエンターテインメントを手がけるが、警察小説の書き手としての評価も高い』

解説の北上次郎氏が書いているが、「警察小説にまだこの手が残されていたのか」と驚いている。確かに大沢在昌の「新宿鮫」とは趣がちがうけど、より実際に近いと思いますよ。警察庁から所轄の署長へということはありえないけど・・・
テレビ映画になっていたなんて知らなかった。遅れた読書だけど、100円コーナーで購入できたのはラッキーでした。
2日で読んでしまった。今第二作目にかかったところ。官僚の世界を知りたい人にお勧め。
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