読書感想とロードバイク日記2

週末のお天気の日にロードで走っています。晴耕雨読ならぬ、晴れたらバイク、雨の日は読書の日々

「ドンナビアンカ」

2022年09月27日 | 日記

誉田哲也 (新潮社)

ひと味違ったストーリー展開だ。
ミステリだけではないところが良い。でも、後半はなんだか安易に流れてしまった感があって、個人的には残念な結末。だけどこれで救いようのない結末だったら少々落ち込むかも知れない。難しいところ。

内容紹介は
『虫けら同然の人生で、初めて落ちた本気の恋。それは俺に心からの幸福と、地獄を招いた――。大手外食企業役員と店長が誘拐された。練馬署強行犯係の魚住久江は、一課時代の腐れ縁・金本らと捜査に召集される。だが身代金受渡しは失敗、切断された体の一部が送りつけられる。やがて捜査線上に浮かんだのは、一人の中国人女性。一課復帰を拒み所轄を生きる女刑事が事件の真相を追う! 

檀れいさんの感想(出版社のHPから引用)
「 実際に演じさせていただいたのが誉田哲也『ドンナ ビアンカ』の魚住久江刑事。人の気持ちに寄り添うことを大切にしている女性で、非常に惹かれました。
〈いっそ、虫けらにでも生まれたら、どうだったんだろう〉という一行から物語は始まりますが、この独白は一体誰のものなのかすぐに分からないのです。疑問を抱えながら読み進めると場面がガラリと変わり、魚住刑事たちの動きが描写されます。次第に独白は過去のものであると分かり、現在と過去が交互に提示され、ついに中盤でその時間軸がピタリと合致したときの衝撃といったら! もう一度最初に戻り、読み直し、あっという間に読了しました。
 主人公の村瀬と瑶子の恋は切ないです。人間の欲望を剥き出しにする副島に翻弄される二人の姿には胸が苦しくなります。お願いだから幸せになって、これ以上不幸にならないでと心底願いました。 

著者紹介
誉田哲也
ホンダ・テツヤ
1969(昭和44)年、東京生れ。学習院大学卒業。2002(平成14)年、『妖(あやかし)の華』でムー伝奇ノベル大賞優秀賞を獲得しデビュー。2003年『アクセス』でホラーサスペンス大賞特別賞を受賞。映画化もされた『武士道シックスティーン』などの青春小説から、斬新な女性刑事像を打ち出した“姫川玲子シリーズ”の『ストロベリーナイト』、『ジウ』シリーズといった警察小説まで、ジャンルを超えて高い人気を集めている。ほかに“魚住久江シリーズ”の『ドルチェ』『ドンナ ビアンカ』や、『Qros(キュロス)の女』『ケモノの城』『プラージュ』などがある。  』

・・・切ない恋というのが底流にあって、これで読ませている。
・・・ドラマ化されるのも分かるなぁ。😗 

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「遊動亭円木」

2022年09月20日 | 日記

辻原登(文芸春秋)

こういうのを巧い、というのだろうか。さすが辻原さん。
ちょっと幻想的だが嫌みのない展開。登場人物の多彩さも魅力だ。
最初の金魚池に嵌まって死んだと思ったら、そこから話が始まるという発想も面白い。

内容紹介は
『真打ちを目前に盲となった噺家の円木、金魚池にはまって死んだ、はずが…。あたりまえの夜昼をひょいとめくると、摩訶不思議な世界が立ち上がる。粋人のパトロン、昔の女と今の女、わけありの脇役たちも加わって、うつつと幻、おかしみと残酷さとが交差する、軽妙で、冷やりと怖い人情噺が十篇。谷崎潤一郎賞受賞の傑作短篇集。

著者略歴
辻原/登
1945(昭和20)年和歌山県生まれ。90年「村の名前」で第103回芥川賞受賞。99年「翔べ麒麟」で第50回読売文学賞受賞。2000年「遊動亭円木」で第36回谷崎潤一郎賞受賞  』

・・・ネットの書評を紹介『・・・人情ものの外見、読みやすさ、オチの文字通り落語のごとき上手さ、更には現代文学の前線で活躍する著者ならではの<語り=騙り>。そのさり気なさは魔術さながら。遊動亭円木は読者の心に生きていると共に(ジャン・バルジャンのように)、小説言語としても脳内をうごめく(ベケットの短編のように)。
「手だれの文体」という以上の意味をこの物語・語りは具えているのだ。 』

・・・まさに落語なんですよね。
・・・時間も超越し、現実とあの世も行ったり来たりの風情がいい。😉 

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「ランチ酒」

2022年09月16日 | 日記

原田ひ香(祥伝社)

昼食のグルメ番組があったけど、どちらが先か知らないが、その小説版にも見える。主人公の物語が続くのだが、仕事が終わって近くの昼飯でお酒を飲んでストレス解消的な展開だ。
彼女の人生を垣間見るなかで、おいしそうなお店が出てくる。実在のお店らしいので行ってみたくなりますよ。

内容紹介は
『へこたれてなんていられない。食べて、飲んで、生きていく!
犬森祥子の職業は「見守り屋」だ。
営業時間は夜から朝まで。
ワケありの客から依頼が入ると、人やペットなど、とにかく頼まれたものを寝ずの番で見守る。
そんな祥子の唯一の贅沢は、仕事を終えた後の晩酌ならぬ「ランチ酒」。
孤独を抱えて生きる客に思いを馳せ、離れて暮らす幼い娘の幸せを願いながら、つかの間、最高のランチと酒に癒される。
すれ違いのステーキとサングリア、怒りのから揚げ丼とハイボール、懐かしのオムライスと日本酒、別れの予感のアジフライと生ビール……etc.
今日も昼どき、最高のランチと至福の一杯!

疲れた心にじーんと沁みる珠玉の人間ドラマ×絶品グルメ小説集。 

作家紹介
原田/ひ香
1970年神奈川県生まれ。2006年「リトルプリンセス2号」で第34回NHK創作ラジオドラマ大賞受賞。07年「はじまらないティータイム」で第31回すばる文学賞受賞  』

・・・軽く読めておいしそうなお店が紹介されて良いです。
・・・同感した書評を紹介します。「いろいろなランチメニューとそれに合うお酒が登場してくる。仕事で色々な場所に行かれる方はこの本を読むと食事の楽しみが増えるかも?!そうではない方でもたまには外でのランチをしてみたくなるような本です 』
・・・小説として面白いかは別の話。好き嫌いが出るかも。😜 
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「護れなかった者たちへ」

2022年09月16日 | 日記

中山七里(宝島社)

要は、生活保護をめぐる社会問題だ。
だいぶ前だが、社会保障のセーフティネットであるはずの、生活保護制度がうまく機能せず、認められなかった人が電気やガスも止められ餓死した事件や反対に暴力団員が不正に受け取って高級車を乗り回していたなど社会問題化したことがあった。本書はこれを取り上げたもの。
ミステリーの形をとっているがテーマは深刻だ。

内容紹介は
『誰もが口を揃えて「人格者」だと言う、仙台市の福祉保険事務所課長・三雲忠勝が、身体を拘束された餓死死体で発見された。
怨恨が理由とは考えにくく、物盗りによる犯行の可能性も低く、捜査は暗礁に乗り上げる。
しかし事件の数日前に、一人の模範囚が出所しており、男は過去に起きたある出来事の関係者を追っているらしい。そして第二の被害者が発見され――。
社会福祉と人々の正義が交差したときに、あなたの脳裏に浮かぶ人物は誰か。   
著者紹介
1961年生まれ、岐阜県出身。『さよならドビュッシー』にて第8回「このミステリーがすごい!」大賞で大賞を受賞し、2010年に作家デビュー。著書に、『境界線』『護られなかった者たちへ』『総理にされた男』『連続殺人鬼カエル男』『贖罪の奏鳴曲』『騒がしい楽園』『帝都地下迷宮』『夜がどれほど暗くても』『合唱 岬洋介の帰還』『カインの傲慢』『ヒポクラテスの試練』『毒島刑事最後の事件』『テロリストの家』『隣はシリアルキラー』『銀鈴探偵社 静おばあちゃんと要介護探偵2』『復讐の協奏曲』ほか多数。  』

・・・『さよならドビッシー』を書いていた著者だが、全然毛色が違う社派はミステリーだ。
・・・犯人側の長い説明の章で色々事情が明かされる。結局一種のどんでん返しだが、容疑者が急に性格が変わったようになるところが少々納得しにくいのです。ともあれ、問題作です。😠 
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「特捜部Q  Pからのメッセージ」

2022年09月09日 | 日記



ユッシ・エーズラ・オールスン(ハヤカワ書房)

しばらく嵌まりっぱなしの特捜部Qです。
上下巻合わせて700ページ以上!あっという間に読んでしまう。
今回も、事件はおどろおどろしい。でも、捜査に当たる三人が相変わらず変わり者やらユニークな存在で、息が抜けるのです。

内容紹介は
『【北欧ミステリの最高峰 「ガラスの鍵」賞受賞作! 】 その手紙は、ビンに収められたまま何年間も海中にあり、引き揚げられてからもすっかり忘れ去られていた。だがスコットランド警察からはるばる特捜部Qへとその手紙が届いた時、捜査の歯車が動き出す。手紙の冒頭には悲痛な叫びが記されていたのだ。「助けて」いまひとつ乗り気でないカールをよそに、二人の助手アサドとローセは判読不明のメッセージに取り組む。やがておぼろげながら、恐るべき犯罪の存在が明らかに…… 

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
エーズラ・オールスン,ユッシ
1950年、コペンハーゲン生まれ。10代後半から薬学や映画製作などを学び、出版業界などで働く。1985年からはコミックやコメディの研究書を執筆。その後フィクションに転じ、シリーズ第1作の『特捜部Q―檻の中の女』(2007年)がベストセラーとなった。その後、2009年に発表したシリーズ第3作目で、北欧ミステリの最高峰である「ガラスの鍵」賞を受賞している   』

・・・でも、アンデルセン童話の国で、こんな事件が想定されるのですかね?
・・・ちょっとだけ登場する妻の母親の言動が(゚Д゚)びっくり、です。
・・・まだまだ続くのか?映画も見てみたい。😎 

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